「ガマの油」(2008)
役所 広司 瑛太
株で金を儲けることに夢中な父親とそれを優しく包み込む
母親と息子の3人は豪邸で暮らしていた。
息子の親友が少年院を出ることになり
一緒に暮らすため迎えに行った息子は交通事故で意識不明になってしまう。
共演の小林聡美が「シュールですよ~役所さんAB型だから」
と言っていたのを覚えていて
見てみたいと思っていた作品。
役所広司の頭の中をちょっとのぞき見できた気分。
父親は好き勝手に生きてきて
息子の親友もうとましく思っていたんだけど
息子が意識不明で眠り続け
のちに亡くなり、
息子の親友とかかわることで変わっていく。
息子の彼女からの電話にも出てしまって
息子と勘違いされ
亡くなったことを言えなくて
息子の振りをし続けてしまい、
最後の最後にあやまりに行く。
なんかかわいいおじさんなんですよ。
飛んでて、カッコよくもあるんだけど
息子の死を受け入れようともがきまくってるし
泣いたり、わめいたり
人とのかかわりを避けて生きてるような人間ほど
タガがはずれると人間くさくなるのかな、と思ったり。
男が幼いころに出会った
ガマの油売りの夫婦のエピソードと
現実が
ぐにゃっとまじわるところや
山の緑や田園風景がビタミンカラーでぴかぴかしてるところが
夢を見てるような気持ちにさせてくれました。
仏壇にはたくさんのご先祖さまがいるから
水をあげて、きれいにして
ありがとうございましたということ、というエピソード、
共感します。
変だけど、好きな世界でした。