■なぜ立憲は「小泉進次郎キラー」の吉田晴美を全力プッシュしないのか? | タマちゃんの暇つぶし

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MAG2 NEWS:なぜ立憲は「小泉進次郎キラー」の吉田晴美を全力プッシュしないのか?「食料品非課税」は国民ウケ抜群、「野田・枝野・泉」は敗北への道2024.09.13より転載します。
 
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https://www.mag2.com/p/news/618367
 
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自民党の「総裁選ショー」で小泉進次郎氏が派手なハッタリをかましている。その華やかさにくらべ、立憲民主党の代表選はあまりに地味だ。これに関して元全国紙社会部記者の新 恭氏は、泉健太氏・野田佳彦氏・枝野幸男氏よりも、いっそ吉田晴美氏が代表になったほうが“大化け”に期待できると指摘する。吉田候補は、時限的な消費税5%減税や食料品非課税を掲げるいわば“進次郎キラー”。はたして立憲はここから「財界目線の小泉進次郎 vs 国民目線の吉田晴美」という対立構図を描けるだろうか。(メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』より)

※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:立憲に出現した女性リーダー。「総裁選ショー」の陰から飛び出せるか

自民党総裁選で小泉進次郎氏の“ハッタリ”が炸裂中

自民党の「総裁選ショー」は告示日を迎え、いよいよ佳境に入ろうとしている。10人近くもの大物議員が賑々しく出そろった舞台が、陰のプロデューサー描く“筋書き”通りのフィナーレとなるかは、最年少の主演スターの“出来栄え”にかかっている。

というわけで、小泉進次郎氏の演技の主眼は、派手なハッタリをかまし、人間を大きく見せ、地金が出るのを最小限にとどめるというところに置かれることになった。

【関連】小泉進次郎を自民総裁選で倒す方法。負ければ引退の麻生副総裁が放つ「派閥こそパワー」最後の勝負手とは?


出馬の記者会見は、その第一幕だ。事前に、記者たちから質問内容を届け出させ、用意周到に台本をつくり上げた。まずは、ハッタリの場

「総理総裁になったら、できるだけ早期に衆議院を解散し、私の改革プランについて、国民の信を問うことにします」

 

新総理誕生後、内閣支持率が高いうちに素早く解散するだろうというのが大方の見方であり、とくに驚くような話ではない。それを、大げさな口調で、しゃあしゃあと言ってのけるのが“進次郎節”の真骨頂だ。

そして、自らを「改革を圧倒的に加速できるリーダー」と称して、1年以内に行う改革を挙げてゆく。

「使い道の公開は10年後でいいという政策活動費はもうやめます。非公開でいいとされてきた旧文通費は公開。残金は国庫に返納を義務付けます」

野党が要求してきた裏金問題対策をそっくり借用してはいるが、やめるべきものをやめ、公開すべきものを公開するというのは当たり前のことだ。政権中枢にいる茂木幹事長が、年10億円近くも使ってきたくせに、いまさら「政策活動費」を廃止すると言う厚顔ぶりに比べると、はるかに好感度は高い。

「選択的夫婦別姓を認める法案を国会に提出し、党議拘束をかけずに法案採決に挑みます」

選択的夫婦別姓。長年にわたる懸案だ。自民党右派の強硬な反対を恐れて岸田首相も他の総裁選立候補者も「合意が必要」などと逃げたまま、態度を鮮明にしていない。28年前、法務大臣の諮問機関による答申を受けて法案がまとまったが、自民党が提出を了承しなかった経緯がある。

それを、世界の常識、世論の大勢、経済界の要請に従ってということだろうか、1年以内に提出すると約束したのだから、自民党国会議員としては稀有というべき勇敢な振る舞いではある。

泉氏・野田氏・枝野氏では「進次郎のハッタリ」に勝てない

さていよいよ、ボロが出るかと心配された記者との質疑応答だ。あるフリージャーナリストからこんな質問が飛び出した。

「小泉さんがこの先、首相になってG7に出席されたら、知的レベルの低さで恥をかくのではないかと、皆さん心配しております」

失礼極まりない言いぐさ。怒って当然だ。だが、知的レベルが低いと決めつけられて、ふつうに反応してしまえば、質問者の思うつぼであり、狭量と言われかねない。

「私に足りないところが多くあるのは事実だと思います。完璧ではないことも事実です。しかし、その足りないところを補ってくれるチーム、最高のチームを作ります。(中略)このようなご指摘を受けたことを肝に銘じて、『あいつマシになったな』と、思っていただけるようにしたいです」

うまくかわしたものだ。こう答えれば、度量が大きいように見える。むしろ、ネガティブな質問を利用したということだろう。事前に想定問答を練り上げた成果だろうか。

なんとか無事に記者会見は終わり、進次郎氏のステージは上々のスタートを切ったように見える。ライバルと目される石破茂氏らも活発に各地を動き回って、メディアの視線を浴びている。

一方、ひと足先に代表選の告示が行われた立憲民主党は一時、危機的ともいえる状況に陥っていた。

告示日前日の9月6日になっても、20人の推薦人を確保し代表選への立候補を明確にしたのは泉健太氏、野田佳彦氏、枝野幸男氏の三人だけ。華やかさ、清新さは微塵もない。

“進次郎キラー”の吉田晴美氏が掲げる消費税減税と食料品非課税

このまま選挙戦に突入したのでは、ショーアップされた自民党総裁選の陰に埋没してしまう。いかにも古くて閉鎖的な政党に見られてしまう。

そんな閉塞状況を打ち破ったのは、当選わずか1回、52歳の女性衆院議員だった。吉田晴美氏。2021年の衆議院選挙東京8区で、著名な自民党の有力議員、石原伸晃氏を下したツワモノだ。告示日当日の、立候補届け出が締め切られる午前11時ギリギリに、滑り込みで受付をすませた。

20人の推薦人がなかなか集まらず、一時はあきらめかけたが、同じように推薦人集めで苦労していた江田憲司氏との間で、一本化のための政策協議が進められた。

合意内容は「時限的な消費税5%減税、食料品は非課税」。この物価高のおり、庶民にとってうれしい政策だ。

吉田氏はシンガポール航空のCAをつとめたあと、イギリスのバーミンガム大学経営大学院に留学してMBAを取得、経営コンサルタントや法務大臣秘書官などをつとめた。

かといって、家庭環境が恵まれていたわけではない。小学校2年生の時には自宅兼店舗が火災で全焼し、住む家もなくなった。脳梗塞で半身マヒになった母の介護を20年以上続けている。娘にも障害(ASD)がある。

だが、暗さは微塵も感じさせない。演説は巧みで、表情豊か。笑顔もいい。元首相、前代表、現代表とともにテレビ番組に出演しても、臆するところはない。

小泉進次郎氏が登場したことによって、自民党は総裁選から次期衆院選までをイメージ戦術で乗り切るプランを描いている。

再三にわたって指摘しているように自民党の舞台裏にはその筋の“プロデューサー”が存在する。民主党にはそんな黒幕が見当たらない。

だが、イメージにはイメージで対抗するしか手がないのも事実だ。

世襲の象徴的存在である小泉進次郎氏に対抗し、地盤・カバン・看板いずれもない1期生、吉田晴美氏をもっとアピールする柔軟性が立憲という組織にあれば、自民党の「総裁選ショー」に一泡吹かせることも可能なのではないか。

立憲は「小泉進次郎vs吉田晴美」の対立構図を演出せよ

小沢一郎氏は野党共闘の推進で合意した野田氏への支援を決めているが、吉田氏という選択肢はなかったのだろうか。

野田氏は社会保障の財源に消費税が必要だといまだに主張している。財務省の論理から脱け出すことは、頭の固いこの人にはムリなのだろう。

また、枝野氏は21年衆院選で野党共闘のために消費減税を訴えたことについて「政治的に間違いだった」と主張する。なにもそれが原因で負けたわけではないだろう。泉氏がこれまで代表として目立った成果を上げていないのも周知の通りだ。

この3人では、国民の期待感が立憲に集まるとはとうてい思えない。

それなら、大化けの可能性がある吉田氏に賭けてみる手もあるのではないか。

吉田氏が代表になって、新時代への感度の高いスタッフを揃え、女性に開かれた政党というイメージが広がれば、衆院選への見通しが開けるかもしれない。

たとえば、小泉進次郎vs吉田晴美。財界目線の「解雇規制の緩和」vs国民目線の「食料品非課税」。興味深い対立構図とはいえないだろうか。

自民党ペースで進んできた総裁選・代表選の見栄え合戦。吉田晴美氏の登場でようやく立憲側にも光が差し込んできた。この国に本物の民主主義を根づかせるには政権交代が必須であり、野党第一党である立憲の責任は大きい。

15年ぶりにめぐってきたチャンスを逃さないためには、個人の狭い了見を捨て、大局観に立つ必要がある。

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image by: 吉田はるみ公式ホームページ
 

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