ウクライナ精鋭軍のロシア侵攻は「真珠湾方式」にして、ゼレンスキー失脚の布石?<newsNueq-4619-F>2024/Aug/31 09:15より転載します。
 
貼り付け開始、
   
ウクライナ軍がロシアに侵攻!
と、第一報を聞いて、まず「 ハァ~??? 」と思った。

ロシアは何度も書いてきたように、アメリカを超える宇宙能力を有している。
つまり、ウクライナ軍の動きはバレバレになっていることは間違いない。

つまりこれは、

  ハマスのイスラエル攻撃( 真珠湾攻撃 )

の再現!
と、第一報で僕はそう思った。

しかも、その後ロシア軍は全然対応していない♪
( ロシアは強力な部隊をごちゃまんと温存している )

数日経って( 1週間? )、ようやくウクライナ軍の侵攻スピードは落ちた。
幅40km、深度20km弱。
日頃車に乗ってる人なら、この20kmの距離感はよく解ることだろう。
これ以上深い入りすると、もう絶対に戻れなくなる( = 精鋭部隊全滅 )。
20kmでも相当数は戻れないだろう。


と、云うことで田中宇の見解を紹介する。
彼は、ゼレンスキーはこの侵攻を知らされてなかった( 寝耳に水 )と推理している。

が、その前に増田さんのお話を♪


 増田俊男のラヂオ
 ウクライナ精鋭部隊のロシア領クルスク侵攻は
 ゼレンスキーを犠牲にして戦争を終わらせる策略

 https://youtu.be/aWepPa9zd8o
 10'27"
 2024.08.19


で、田中宇と行きたいところだが、文章が長いのでその前に


 宮崎正弘の国際情勢解題 
 8月26(月曜日)通巻第8382号 <前日発行>
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 プーチンの沈黙は不気味。
 ゼレンスキーは「 これはゲームチェンジだ 」
 ウクライナの侵攻という語彙をもちいず、「 挑発行為だ 」としている

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 2024年8月6日早朝、ロシア領内にウクライナが侵攻した。
 このウクライナ軍の奇襲攻撃は二次世界大戦以来初の外国軍のロシア侵入だった。
 クルスク地区18万住民のうち、13万3000人が避難した。
 厳密に言えば「 地域紛争。限定戦争 」の範囲から
 正式な「 戦争 」の段階に歩を進めたことになり、
 プーチンのいう「 特別軍事作戦 」の範疇を超えた。
 欧米もゼレンスキーの暴走を非難せずに、沈黙し続ける。

 プーチンの沈黙は不気味である。

 依然としてウクライナの侵攻という語彙をもちいず、「 挑発行為だ 」としている。
 この間にプーチンは13年ぶりにチェチェンを訪問し、カディロフと会見したくらいで、
 外交的にはオルバン、ルカシェンコ、李強、モディ等の来訪を承けたが、
 記者会見でもクルスク侵攻を語らず、
 避難民にはとりあえずひとり1万ルーブルを保障し、
 また捕虜となった住民115名をウクライナからの115名と「 捕虜交換 」した。

 ゼレンスキーは「 これはゲームチェンジだ 」と言った。
 プーチンを「 赤の広場にいる病んだ老人 」とも比喩した。
 意表を突かれた欧米はたじろいだ。
 ロシア領には戦線を広げないというのが欧米とウクライナの約束であり、
 その前提で武器供与を継続してきた。
 ウクライナがロシア領土を侵せば、戦争はエスカレートし、
 NATOが巻き込まれるから、下手をすれば第三次世界大戦につながりかねない。

 ※ 下記、田中宇も書いてるが、僕もこの作戦はエテ公によるもの。
   と、診ている。
   エゲレスの国家としては、コンチネンタルのドイツ・フランスが
   弱体化すると、欧州に於ける地位は相対的に上昇する。
   それと、スパイ小説や映画に詳しい人ならご存知だろうが、
   MI6とKGBは敵同士でありながら、持ちつ持たれつの関係にある。
   それ以前に、ソ連という国はある意味、エテ公によって創られた国とも云える。
   だいたい、マルクスが『 共産党宣言 』を書いたのも
  『 資本論 』を書いたのもエゲレス王立図書館に於いてである。
   ソ連と云う国は『 共産党宣言 』『 資本論 』をベースに創られた国だ。
   網をもうちょい広げると、英伊日で次期戦闘機の開発が始まった。
   地政学的にこの「 三角形 」内の国々を封じ込めると云う
   遠大な計略があるのかもしれない。
   数年前から、「 日露戦争 」は、英日でロシアを挟撃するための
   エテ公の策謀。と云うまともな論調がようやく日の目を見るようになってきたが、
   イタリアの奇妙な動きは、まさに「 シン日露戦争 」的構造を
   エテ公が策謀していることの顕れなのかもしれない。


 「 間違いなくゲームチェンジの一部だ。
  しかしEUはゲームの主体ではないにもかかわらず
  将来の欧州の地政学の運命を決めるものだ 」
 ( ジョセフボリスEU外交委員会幹部。元スペイン外相 )

 ※ おやおや、この人、僕と結構近いこと考えている♪


 ゼレンスキーは前後してウクライナ領内のロシア正教会の教会すべての閉鎖を命じた。
 宗教はロシアならびに旧東欧諸国に於いて極めつきに重要な問題である。
 「 歴史は神と直接に結ばれている 」( ランケ )

 ウクライナではカソリックは勢力を伸ばし、信者の獲得に余念がなく、
 そのうえゼレンスキーはユダヤ教からバイデンの侵攻するカソリックへ改宗した。
 改宗はユダヤ人にとっては明らかな裏切りである。

 ※ じゃなくて、ユダ公からゼレンスキーに
  「 マラーノになれ! 」という命令が下ったのでは?

 ロシア領内に攻め込まれても、まだ反撃も出来ないプーチンは
 顔に泥を塗られた格好だが、いかなる反撃を想定しているのか。 

 「 ウクライナは寒い冬を覚悟しなければなるまい 」
 とドイツのエネルギー相が警告し、
 EUエネルギー委員会のカドリシムソンンは
 「 ウクライナ電力は昨年の半分しか確保できず生存できるかの問題となる 」と警告した。
 ゼレンスキー自身もウクライナ国内の80%の発電施設は破壊されたと認めている。
 一方でウクライナ軍はロシアの石油備蓄基地を爆撃し、
 8月18日から24日まで燃え続けた。

 思い出す人物が居る。
 サンクトペテルブルクにあるエフゲニー・プリゴジンの墓。
 8月23日は、プリゴジンの「 暗殺 」から一周年。
 墓地は花束に埋め尽くされた。
 そのニケ月までにプリゴジン率いる「 ワグナー軍団 」はクレムリンへ進軍し、
 クーデターを試みた。
 プリゴジは「 プーチンのシェフ( 料理人 )」とも呼ばれ、
 レストランやケータリング事業でプーチンの外国賓客をもてなし権力の側近に食い込んだ。

 ウクライナ侵攻において、ワグネルの部隊はバフムートの戦いなどに参加。
 プリコジンは2023年5月には、弾薬補給の不足に不満を漏らし、
 セルゲイ・ショイグ国防大臣とロシア連邦軍のワレリー・ゲラシモフ参謀総長を
 公然と非難した。
 23年6月23日にはロシア連邦政府に叛旗を翻し、首都モスクワへ進軍を開始した。
 プーチンはこれを「 反逆 」「 裏切り 」と非難。
 25日には、隣国ベラルーシの大統領アレクサンドル・ルカシェンコの仲介で矛を収めた。

 ※ この辺、まるで岡崎時代の家康や、真田の行動みたいだ♪

 2023年8月23日、モスクワ北西部のトヴェリ州で墜落した
 ビジネスジェットの乗客名簿にプリゴジンの名前があり、
 乗客乗員10人は全員死亡が確認された。

 プリゴジン氏の頻繁な暴言の主な標的の一人であった
 セルゲイ・ショイグ元国防相は安全保障理事会に異動となった。
 汚職捜査で数人の高官が逮捕され、起訴された。
 ロシアの新国防長官アンドレイ・ベロウソフはテクノクラートであり、
 数字分析は得意だが、プーチン大統領に政治的、軍事的脅威
 を与えるほどの経歴とカリスマ性に欠ける。

 軍上層部の移動による作戦立案の立ち遅れか、
 いやプーチンは計算できているのだろう。
 もし大規模に反撃すればNATOを刺激し、戦争は次の段階へ間違いなく進む。
 ロシアもNATOも、率直に言って、そうした事態にはそなえていないのだ。



 田中宇の国際ニュース解説 無料版
 ウクライナ戦争で米・非米分裂を長引かせる
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 2024年8月14日

 8月6日、ウクライナ軍がロシアのクルスク州に越境侵攻した。
 ウクライナ軍は8月13日の時点で、40キロの幅で国境を侵犯し、
 国境から12キロの地点までの地域を、6千-1万人規模の兵力で占領している。
 この侵攻で、ロシアの18万人が避難民になっている。

 クルスク県は、ウクライナ戦争の主な戦場となっている
 ドンバス地方から100キロほど北に離れている。
 国境は警備隊が守っていたが人数は少なく、
 侵攻してきたウクライナ軍に投降せざるを得なかった。
 露側は、不意を突かれて侵略されたことになっている。

 だが、考えてみるとこれはおかしい。
 ロシアは、上空からウクライナ側を常に細かく監視しており、
 国境に近づくウクライナ軍を越境前に捉え、ミサイルなどで破壊できたはずだ。
 露軍の初動が遅れたとしても、越境直後に退治できた。
 露軍は反攻に入っている。
 だが、すでに侵攻から7日目だ。
 現場の詳細がわからないので断定できないが、
 露側は侵攻されてから数日間、ウクライナ軍を壊滅させず、
 意図的にある程度野放しにしていた疑いがある。

 「 露側がそんな自滅的なことをするはずがない 」と反論されそうだが、
 大きな戦略として、これは自滅でなく逆にロシアの長期的な発展になる策略だ。

 これまで何度も書いているが、ウクライナ戦争が続く限り、
 欧米日( 米国側 )はロシアを強く経済制裁し、
 対露制裁に参加しないBRICSや途上諸国( 非米側 )は、
 米国側から断絶したかたちで世界的に結束を強める。
 非米側は、ドルや米金融システムや米欧日の消費に依存しない、
 非米側独自の世界体制を構築しており、
 ウクライナ戦争が長引くほど、非米側はしっかりした世界体制を作る。

 最近、非米側の世界システム構築についての情報が出てこないが、
 これは非米側が構築の動きを非公開にする傾向を強めたからだ。
 人々が知らない間に、世界は多極型に転換していく。
 
 米国側は無根拠な地球温暖化人為説に基づく
 不合理な石油ガス利権の放棄も続けているので、
 世界のエネルギー利権は非米側に移っている。

 非米側は中露に誘導され、資源類の全般について、
 これまで欧米が持っていた資源利権を自分たちのものにしている。

 欧米日は、すでに経済発展の頂点を過ぎ、衰退に入っている。
 米国中心の金融バブルがあるので発展しているように見えるが、
 いずれ巨大なバブル崩壊が起きる。
 米国側は、すごくショボい存在になる。
 ウクライナ戦争( もしくは他の対立要素 )による米・非米分裂が続いている間に
 米国側がバブル崩壊すると、世界の中心は決定的に非米側に移る。
 百年続いた米英覇権が終わり、世界は多極型になる。
 「 多極型は不安定だ 」という米国側のプロパガンダ・妄想と裏腹に、
 多極型世界は意外な安定を実現する。

 ※ 当然だ。
   他人( 他国 )を収奪・支配しようとしなければ、多極型世界は安定する。
   それが「 アナーキー 」な世界である。

   < newsNueq-4585:アナーキストとは何者なのか
          :アナーキズムとは無支配主義のことである > 2024/06/10
   < newsNueq-4590:極左【大本営】は、保守を極右と呼ぶ
          :真のアナーキズムとは > 2024/06/21
   < newsNueq-2505:日々実践! アナーキズム! > 2020/02/16
   < newsNueq-4584:パンクの系譜学 ~ PUNKは哲学である > 2024/06/10

   デヴィッド・グレーバー
  『 万物の黎明 ~ 人類史を根本からくつがえす 』光文社:2023/9/21:708頁2段組

   ジェームズ・C・スコット
  『 実践 日々のアナキズム 』2017.9.28 岩波書店
  『 ゾミア ~ 脱国家の世界史 』2013/10/4 みすず書房


 冷戦開始から現在まで70年以上、
 米国側から敵視・愚弄されてきたロシアは、
 米覇権の終焉と多極型世界の出現によって大きな利得を得る。
 ウクライナ開戦後、露経済は米国側から徹底的に制裁されているのに好調が続いている。
 欧米は、途上諸国( 今の非米側 )の資源類を安く買い叩いて
 ピンハネすることを、ずっと前から続けてきた。
 欧米の没落は、ロシアだけでなく非米側の全体を発展させる。

 ※ < newsNueq-2026:罪を謝罪せよ:メキシコからスペインとバチカンへ > 2019/05/24
   < newsNueq-2901:バルバドス、英女王君主制廃止 来年共和制へ > 2020/09/20
   < newsNueq-430:ニジェール・クーデターの世界史的画期 > 2023/08/02

   < newsNueq-4284:資本主義( 寄生虫 )の自己矛盾
          :欧米の「 植民地支配 」賠償の悪夢 > 2023/07/07

 このような構図なので、プーチンのロシアは開戦直後から、
 ウクライナ戦争を少ない被害でできるだけ長引かせる策略をこっそり採ってきた。
 ウクライナ当局と米国側のマスコミが「露軍の大敗・戦略ミス・虐殺行為 」などの
 ウソ( 戦争プロパガンダ )を喧伝しても、露政府はほとんど反論せず、
 米国側の人々のロシア敵視を放置した。
 実際は、ロシアが快勝を避けつつ、じわじわと勝っている。
 ロシアの犠牲が少ない半面、ウクライナは犠牲が多く、
 徴兵忌避者を捕まえて無理矢理前線に送り込む人権侵害をやっても
 無意味な戦死が増えるばかりで兵力不足が悪化した。

 欧米が送り込んだ兵器も、前線に送り出す前に
 貯蔵場所の情報が露軍に漏れて空爆されて破壊された
 ( 米諜報界の隠れ多極派が情報漏洩構造を作ったと疑われる )。
 西欧はウクライナに兵器を送りすぎて自国防衛用が足りなくなった。
 ウクライナはロシアに完敗しているが、
 ロシアは戦線をドンバスなどに限定して拡大しないことで
 ウクライナの3分割を先送りして国体を維持させ、
 欧米がロシアを敵視して米側衰退につながる
 米 vs 非米の世界対立を持続するように仕向けている。

 ウクライナのゼレンスキーは以前、ロシアを打ち負かすまで戦うと言っていた。
 だが昨年以降、もうロシアに勝てない敗北状態になったので、
 ウクライナの国体護持や自分の政治生命維持のために、
 ロシアと交渉して停戦和解したいと今春から考えている。
 5月に彼の大統領任期も切れた。
 7月初めには、ゼレンスキーに頼まれたとおぼしきハンガリーのオルバン首相が、
 露中米を回ってウクライナ和平について提案した。
 ゼレンスキーの交渉への転向は、米上層部やプーチンにとって迷惑だ。

 ※ < newsNueq-4602:怪盗オルバンの神出鬼没・八面六臂の大活劇、封切り! > 2024/07/09

 習近平はウクライナ和平をやりたい姿勢を採っている。
 プーチンも表向きは和平をやりたい
 ( ウクライナが攻撃してくるからやれない )という姿勢だ。
 裏側の本音として、中露首脳間の関係がどうなのか、不透明だ。

 米欧の政府やエスタブたちは、
 いまだにロシアを負かすまでウクライナに戦争させると言っている。
 この戦略の元締めは米上層部の諜報界で、
 そこは非米側を経済発展させたい資本家の代理である隠れ多極派に牛耳られている。
 米上層部とプーチンのロシアは、
 ウクライナ戦争構造と米・非米分裂の長期化を画策する点で、
 隠れた「 同志 」である。

 そもそもウクライナ開戦時も、
 ゼレンスキーにウクライナ国内の露系住民への弾圧を強めさせ、
 ロシアが邦人保護のためウクライナに侵攻せざるを得なくしたのは米上層部だ。
 ロシアがウクライナに侵攻したら、欧米が徹底的な対露制裁をやって
 世界的な米・非米分裂を引き起こし、
 ロシアを含む非米側を有利にしていくことを予測しつつ、
 米上層部はウクライナ戦争を誘発した。
 プーチンもそれを知っていたから、誘発に乗って開戦し、
 濡れ衣の極悪レッテルを貼られるままにした。
 こんな裏の構図があるとも知らず、欧州や日本のエスタブや市民たちは、
 プロパガンダを軽信してロシアを敵視し、
 ウクライナを応援する自滅の道を突き進んできた。
 
 今回のウクライナ軍のクルスク侵攻も、この構図の中で起きている。
 対露和平交渉を始めたいゼレンスキーは、クルスク侵攻を企画していない。
 侵攻を企画したのは、ウクライナ軍の作戦立案を握る米上層部で、

   ゼレンスキーは知らされなかったか、拒否できなかったのでないか。

 ゼレンスキー政権は事後的に
 「 ロシア領内を占領し、それを返還する見返りにロシアを譲歩させる交渉術に使う 」
 などと釈明しているが、釈明には無理がある。

 侵攻は、プーチンが交渉を否定して戦争構造を続ける口実を与えてしまった。
 プーチンは「 一般市民を殺すウクライナと和平交渉などできない 」と表明している。
 ゼレンスキーの和平策は行き詰まっている。

 プーチンは、ウクライナ軍の侵攻を察知しながら放置し、
 入ってきたウクライナ軍ができるだけ市民を殺さないよう前進を阻みつつ占領を許し、
 数日経ってから反撃を強める策をとったように見える。

 この間、露軍は捕まえたウクライナ兵に
 「 市民を狙い撃ちしろと上官から言われている 」
 と自白させて人道犯罪を立証できるようにした。

 ウクライナ軍は化学兵器も使ったと指摘されている。
 ウクライナ軍は8月11日、対露国境近くにある露軍占拠中の
 ザポロジェ原発の冷却塔を無人機で攻撃することもやっており、国連が調査に乗り出した。

 侵攻したウクライナ軍の戦車は米欧製だし、
 米議会やEU上層部はウクライナのクルスク侵攻を全面支持している。
 米欧NATOは、ウクライナ軍にロシア本土を侵攻させた時点で、
 露軍が報復として欧米諸国の首都に弾道ミサイルを撃ち込む正当性を与えてしまった。
 ロシアの目的は欧米との対立の長期化なので、実際の撃ち込みはしないだろうが。

 上層部は、和平したがるゼレンスキーを失脚させて、
 もっと言いなりになる別の指導者と交代させたがっているとも指摘され、
 元内相( Arsen Avakov )の名前が挙がっている。
 欧米では交代説が
 「 ゼレンスキーが戦争を続けたがるので、和平をやれる指導者と交代させる 」
 と説明されているインチキぶりだ。
 失脚させるなら、もっと早く動きがあっても不思議でないので、
 ゼレンスキーは意外なしぶとさを持っているのかもしれない。

 ゼレンスキーが好戦派から和平派に転換したのは、
 米大統領にトランプが返り咲いたらウクライナを見捨てるからだとも考えられる。
 たしかにトランプ陣営は、
 バンス副大統領候補がゼレンスキーからかかってきた電話を拒否するなど、
 ウクライナ戦争を嫌う感じを醸し出している。
 だが、よく見るとトランプは、ウクライナ戦争を続ける体制を共和党内に残している。

 米議会上院の共和党の最有力議員である好戦派のリンゼー・グラムは
 8月12日、民主党の露敵視議員( Richard Blumenthal )も連れて
 ウクライナを訪問してゼレンスキーと会い、
 クルスク侵攻は素晴らしいと絶賛し、できる限りの軍事支援を約束した。
 グラムはゼレンスキーに「 和平交渉なんかするな。永久に戦え 」と加圧したわけだ。

 米共和党では、ウクライナ嫌悪のトランプ陣営を無視するかたちで、
 好戦派の議員団が今後もウクライナ戦争の恒久化を画策し続ける。
 トランプは不本意な感じを醸成しつつ、
 議員団に引きずられるかたちでウクライナ戦争を続けるのでないか。
 私は最近まで、トランプがウクライナ和平を進めると考えてきたが、
 その予測は揺らいでいる。

 トランプは、米国側( 同盟諸国 )に対し、
 中国との経済断絶を強要しようとしており、
 世界を非米化しようとする隠れ多極派である。
 だから彼は、プーチンと対話したいと表明しつつ、
 実際に大統領に返り咲いたら、議会に引きずられて対露制裁を続け、
 米・非米分裂を長引かせ、米覇権の低下と多極化の流れを継承するのでないか、
 そんな風にも予測される。
 プーチンも、トランプは予測困難な存在であると前から指摘している。



 櫻井ジャーナル
 ウクライナ軍によるクルスクへ軍事侵攻は軍事的に見ると失敗に終わる可能性大
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 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202408190000/
 2024.08.19


 3個旅団程度のウクライナ軍が8月6日、
 スーミからロシアのクルスクへ軍事侵攻した。
 ロシア側には国境警備隊が配備されていただけで、
 装甲車両を連ねた部隊に対抗することができなかったようだ。
 侵攻に気づかず、拘束されたロシア兵もいたと言われている。
 それに対し、ロシア側は航空兵力で反撃、すでに予備兵力を投入して押し返し始めた。
 それに伴い、ウクライナ軍は多数の死傷者がでている。

 ※ アメ公のM1戦車を始め、西側から供給された
   虎の子の戦車・装甲車両の多くが破壊されてるとの報道も。

 この攻撃を実行するため、ドンバスで戦っている部隊から
 兵力を割いた可能性が高いが、イギリスのタイムズ紙によると
 奇襲攻撃の数週間前にイギリスの教官から軍事訓練を受けていたという。

 こうしたウクライナ兵のほか、西側諸国から合流した戦闘員が少なくないようだ。
 さらにアメリカ、イギリス、フランス、ポーランドの特殊部隊員も
 戦闘に参加しているとする報告もある。
 侵攻作戦を立案したのはイギリス軍だとする話も伝わっている。

 真偽不明の情報だが、クルスクへの軍事侵攻が
 アメリカやイギリスを中心とするNATOの作戦だということは間違いないだろう。
 2022年秋からそうした構図が強まっている。
 アメリカの兵器だけでなく、情報、監視、偵察にウクライナ軍は依存している。

 アメリカのジョー・バイデン大統領によると、
 ウクライナ軍が8月6日に軍事侵攻する前、
 アメリカ政府はキエフ政権と「 常時接触 」していた。
 アメリカ政府がウクライナ軍のロシア領への軍事侵攻計画について
 何も知らなかったということは考えにくい。

 ワレリー・ゲラシモフ参謀総長はクルスク国境付近での
 ウクライナ軍の増強に関する警告を何度か無視したとも言われている。
 
 ※ まるでハマス侵攻前のネタニエフみたいだ♪

 ウクライナがクルスクへ軍事侵攻する直前、
 アメリカとロシアは大規模な「 捕虜交換 」を行なっている。
 またカタールを仲介役として、ロシアとウクライナは
 2ヶ月にわたってエネルギー供給について協議、
 あとは細部を詰めるだけだったという。
 軍事的な緊張は弱まっていると思っても仕方がない状況だった。

 ※ ウクライナがロシアに歩み寄ろうとすると、
   必ず何かが起きる。

 すでにアメリカ政府はロシア領内への攻撃を容認する発言をしているが、
 国境地帯が比較的平穏だったことも確か。
 そこで、アメリカ政府とロシア政府との間で
 何らかの取り決めがあったのではないかと推測する人もいる。
 もし今回の軍事侵攻をアメリカ政府が事前に知っていたとなると、
 米露関係はさらに悪化することになる。

 すでにクルスクでウクライナ軍は厳しい状況に陥っている。
 今後、アメリカ/NATOも厳しい状況に陥るだろうが、
 8月6日の奇襲攻撃を実行させてしまったロシア側でも
 責任を問う動きが表面化すると見られている。
 侵攻前、クルスク国境に兵力が集積していることに
 ロシア側が気づかなかったとすれば、大問題である。
 衛星やドローンだけでも捕捉できたはずだからだ。

 クルスクのスージャには
 ロシアからハンガリー、スロバキア、オーストリアなどへ
 天然ガスを供給するパイプラインが通っているほか、
 クルスク原子力発電所がある。

 カタールでの交渉が合意に達すれば、この地域への攻撃は無くなるはずだが、
 今回の侵攻でパイプラインを抑えられれば、
 ハンガリー、スロバキア、オーストリアを脅すことができ、
 原子力発電所を支配すればロシアを脅すことができる。

 ウクライナ政権が
 「 原子力発電所の使用済み核燃料の貯蔵施設を標的とする核偽旗作戦、
  つまり汚染原子爆弾の爆発を準備している 」
 とする情報が流れている。
 「 汚い爆弾( 放射能爆弾 )」でザポリージャ原発かクルスク原発を
 攻撃するのではないかというのだ。
 ウクライナ軍はクルスク原発に到達できなかったが、
 8月17日にはザポリージャ原発を無人機で攻撃している。

 ロシアではクルスク、ベルゴロド、ブリャンスクの
 治安を改善するための会議が開かれている。
 そうした会議の議長を務めている人物がアンドレイ・ベローゾフ国防大臣だ。
 この大臣は経済が専門で、ロシア軍の幹部からは嫌われている。
 この3地域を西側に渡し、それを「 交渉の材料 」にすることで
 ロシアはウクライナの東部や南部を手放そうとしていると疑う人もいる。

 今年4月には国防次官を務めていたティムール・イワノフが収賄の容疑で逮捕され、
 5月には国防大臣がセルゲイ・ショイグからベローゾフに交代した。
 ショイグは軍事会社を経営、
 エフゲニー・プリゴジンのワグナー・グループとライバル関係にあった。

 そこで国防大臣と傭兵会社トップとの関係が悪化したのだが、
 ワグナー・グループはロシアの情報機関によって創設され、
 ロシア軍参謀本部の第1副本部長を務めていた
 ウラジーミル・ステパノビッチ・アレクセーエフ中将が背後にいたとされている。

 2022年2月にロシア軍がウクライナを攻撃し始めた当時、
 ロシアの正規軍は航空兵力やミサイルなどでの攻撃を担当、
 地上部隊はドンバスの反クーデター軍や傭兵会社の戦闘員が主力だった。
 その傭兵会社がワグナー・グループだ。

 ウクライナ軍は2022年2月の段階で壊滅的なダメージを受け、
 ウクライナ政府はロシア政府と停戦交渉を開始するのだが、
 イギリスやアメリカの圧力で戦争を継続せざるをえなくなる。
 それに伴い、ウクライナ軍のNATO化が進む。
 2022年9月21日にロシア政府が部分的動員を発表したのはそのためだ。
 その動員で約30万人が集められ、訓練を実施されたが、
 実際に戦線へ投入された兵士はそのうち数万人だと言われている。

 シリアで成功を収めたあと、
 ウクライナのドンバス、ヘルソン、ザポリージャの戦闘を指揮した
 セルゲイ・スロビキン上級大将もプリゴジンと関係が緊密。
 またワグナーの事実上の指揮官はミハイル・ミジンチェフ上級大将だと考えられていた。
 国防大臣とロシア軍幹部の関係は良くなかったと言えそうだ。
 そして昨年5月、プリゴジンは示威行動に出て失敗、
 スロビキンも失脚したと言われたが、昨年9月から統合防空システムの長官を務めている。

 クルスクでウクライナ軍や外国から参加している戦闘員は
 大きなダメージを受けているが、
 クルスクへの侵攻を許したのはロシア側の失態だ。
 そこで、スロビキンを復活させるべきだとする声が高まっている。



ロシアにとってクルスクに侵攻したウクライナ軍を全滅させることは
赤子の手をひねるようなものかと。

が、プーチンはなぜかほぼ放置状態にしている。
なぜか?



関連情報

  < newsNueq-4510:マクロンのNATO軍ウクライナ派兵発言のウラ > 2024/03/10

  < newsNueq-4434:ウクライナTV、自軍死者113万と報道!
         :ゼレンスキー降ろし始まる > 2023/12/04
   

                          nueq
貼り付け終わり、nueq さん解説。