■超薄型の暗視フィルターが開発され、メガネをつける感覚で暗視が可能に | タマちゃんの暇つぶし

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カラパイア:超薄型の暗視フィルターが開発され、メガネをつける感覚で暗視が可能に 2024年06月27日より転載します。
 
貼り付け開始、

https://karapaia.com/archives/52332809.html
 
超薄型の暗視フィルターを開発

 オーストラリアの研究チームは、極薄の素材で、赤外線を可視光に変換する「暗視フィルム」を開発することに成功したそうだ。

 「ニオブ酸リチウム」という特殊な素材を利用した暗視フィルムは、ごく普通のメガネにも組み込めるほどシンプルなもの。それでいて、赤外線と可視光の両方を同時に見ることができる。

 これまでの暗視ゴーグルは、重く分厚いものが多かったが、これなら、夜間の外出などでも気軽に装着することが可能だ。

 ほかにも生物の撮像技術・自動運転車のナビゲーション・監視カメラなど、さまざまな分野への応用が期待されている。
 

かさばる暗視ゴーグルは過去のものに


 私たちが普段照明を使っているように、真っ暗で何も見えない闇夜でも視界を確保できる技術は誰にとっても便利なものだ。

 なのに暗視装置が、軍隊やプロの写真家など、一部の玄人だけにしか使われなかったのは、やたらと重くかさばることが大きな要因だったろう。

 夜だからといって、頭に1kgもあって、無駄に目立つ異様なゴーグルをつけたいと思う人は、そう多くはない。
 
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軍用の暗視ゴーグル photo by iStock

 オーストラリア研究会議のTMOS(変革的メタオプティカルシステムの卓越センター)の研究チームは、そうした暗視装置は過去のものになると考えている。

 彼らが思い描く近未来の暗視装置は、1gもないフィルターを普通のメガネに貼り付けたものだ。

 見た目は普通のメガネと変わらないのに、ライトがなくても闇夜を見通せるようになる。夜のジョギングでも車の運転でも、それがどれだけ便利なものかすぐに想像できるだろう。
 
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暗視フィルムを通常のヘッドウェアに統合して夜間視力を実現する様子を示したイラスト / image credit:TMOS
 

メタサーフェスによるダイレクト変換


 それが可能になるのは、「ニオブ酸リチウム」という特殊な素材を用いたメタサーフェスのおかげだ。

 メタサーフェスとは、光の波長よりも小さな構造が並ぶ薄い膜のような材料で、自然界ではあり得ない光学特性がある。これを利用すれば0.5mmの極小カメラだって作れる

 ニオブ酸リチウム・メタサーフェスの場合、「非線形アップコンバージョン」なるプロセスによって、赤外線を可視光線に変換してしまう。

 肉眼では見えない波長の光であっても、そのエネルギーを高めて目に見えるようにするのだ。

 従来の暗視装置では、同じことをいくつかのプロセスを経て行なっていた。レンズの奥に光電陰極が設置されており、これにぶつかった赤外線光子を電子に変換、この電子を増幅してから再び光子に変換し、そこから映像を描き出すといった具合だ。

 そのためにさまざまなパーツや冷却装置が必要で、おかげで暗視装置は重くかさばる代物になってしまった。おまけに可視光まで遮断してしまう。

 一方、ニオブ酸リチウム・メタサーフェスはずっとシンプル。たった1枚のメタサーフェスを通して、低周波の光子と励起ビームをまぜてそのエネルギーを増強し、目に見える周波数にダイレクトに変換する。

 軽量なのはもちろん、常温でも普通に機能するため、一般人であっても日常的に使えるものとなる。
 
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赤外線(IR)から可視光(VIS)へのアップコンバージョンの視覚技術への応用 a) 赤外線イメージング用の非線形アップコンバーターの概略図。赤外線はレンズL1を通過し、可視光に転換され、レンズL2で通常のカメラに取り込まれる。 b) 理想的には、アップコンバーターはすべての光線を均等に変換される(H(k) = 定数) c) 現実には、通常の入射角の光線は、角度の大きな光線に比べ、効率的に変換される(H(klow) > H(khigh))/Credit: Science Advances
 

不可能を可能に。軽量で見やすい暗視フィルムが未来を変える


 ニオブ酸リチウムは可視光域では完全に透明であると同時に、「角度情報損失」が少ない。それは先ほど述べたプロセスを効率に行えるということだ。

 ここでの角度情報損失とは、光の粒子がさまざまな角度で広がるとき、視覚情報が失われるということだ。

 この損失が少ないほど、多くの赤外線をよりくっきりとした可視映像に変換でき、それだけクリアな暗視映像が得られるようになる。

 これまでの非局所メタサーフェスは、この角度情報損失が大きく、赤外光を可視光へ変換するとは不可能とされてきたのだという。

 だが研究チームは、このハードルを見事に克服し、それが可能であることを実証した。

 研究チームのロシオ・カマチョ・モラレス氏はこう説明する。
非局所メタサーフェスを利用して、1550nmの赤外光から550nmの可視光への高分解能アップコンバージョンができることを初めて実証したものです。

1550nmは電気通信で一般的であり、550nmは人間の目にはっきりと見えるため、これらの波長は非常に重要です
 いずれこの技術は暗視メガネだけでなく、生物の撮像技術・自動運転車のナビゲーション・監視カメラといった技術の新たな可能性を開くだろうと研究チームは期待している。

 この研究は『Advanced Materials』(2024年5月23日付)に掲載された。

References:New all-optical approach to revolutionize nig | EurekAlert! / Ultra-thin night vision filter could make bulky goggles a thing of the past / written by hiroching / edited by / parumo




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