■岸田退陣の瀬戸際に永田町を飛び交う「6.21衆院解散」説の真偽。 | タマちゃんの暇つぶし

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MAG2 NEWS:岸田退陣の瀬戸際に永田町を飛び交う「6.21衆院解散」説の真偽。“自民長老からの電話”は実話か与太話か?2024.05.31より転載します。
 
貼り付け開始、

https://www.mag2.com/p/news/600195
 
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「長老というのは誰で、なぜ青山氏に電話をしてきたのか、しかも深夜に。たいへん不思議だし、気になるところだ」――自民党の参院議員・青山繁晴氏(71)がYouTubeで“リーク”してネットの注目を集めている「6.21衆院解散説」を、元全国紙社会部記者の新 恭氏が詳しく分析する。選挙でサッパリ勝てなくなった自民党内で「岸田降ろし」の機運が高まっているのは事実だから、うそからまことが飛び出す可能性も十分にある。(メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』より)

※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:「岸田降ろし」は深く静かに進行している

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岸田首相が「選挙の顔」ではサッパリ勝てぬ自民党

事実上の与野党一騎打ちになった5月26日の静岡県知事選挙もまた、自民党の敗北に終わった。

大接戦が予想されていた。自民党の裏金問題が影響し、立憲民主党、国民民主党推薦の元浜松市長、鈴木康友氏が序盤から大きくリードしたが、終盤に自民党推薦の元総務官僚、大村慎一氏が猛追した。

投開票2日前の24日、自民党は大逆転をねらって奥の手を繰り出した。

政治資金規正法改正案を審議した衆院政治改革特別委員会で、山下貴司議員が、政治資金パーティーを禁止するとしている立憲提出の法案に関し、概ね以下のような疑念を呈したのだ。

立憲の安住淳国対委員長は4月に会費2万円の「朝食会」を開催、岡田克也幹事長は5月27日に会費2万円の「昼食会」としてパーティーを予定しているが、これはおかしいのではないか。法律が通らなければパーティーをやり続けるというスタンスなのか。

法律が成立していない以上、パーティー開催は適法だが、だからといってパーティー禁止法案を提出した政党の幹部が、それを開催するというのは確かにスジが通らない。

山下氏の指摘は痛いところをついていたし、メディアがそれを大きく取り上げたのもうなずける。

これに対し当初は、「自民がパーティーも献金もやり放題という中で、自分たちで手を縛ってしまったのでは競争にならない」と岡田幹事長は強弁していたが、あまりにも子供じみた言い訳であり、これでは戦略にならない。パーティー禁止など、どうせ自民党の反対で通らないから、今のうちにカッコよくポーズを決めておこうという魂胆が見え見えだった。

そんなわけでメディアに叩かれ、岡田幹事長と大串博志選対委員長は25日、自身のパーティー開催予定をすごすごと引っ込めた。あまりにもお粗末な対応だったため、翌日にひかえる静岡県知事選への影響が懸念された。

かりに野党系候補が敗れるようなことがあると、せっかく4月の衆院3補選で立憲が全勝したことにより明瞭になった野党優勢の流れが変わる可能性すらあった。

自民党本部は、推薦する大村候補から自民党色を薄めるため、岸田首相ら党の大物議員が応援に入らない“ステルス選挙戦”を繰り広げ、鈴木候補に追いつくまであと一歩という感触を得ていた。

そこに起きた立憲幹部のぶざまな一幕。いやがうえにも期待が高まった。

水面下で進む「岸田降ろし」自民党内からのリーク

しかし、フタを開けてみると、冷厳な現実が露わになった。約7万7000票の差をつけられての完敗。自民党の前に立ちはだかる“不信の壁”はあまりにも厚かった。

裏金脱税で大枚を懐に入れてきた所属議員には大甘な処分ですませる一方、事務の煩雑化も顧みず給与明細に定額減税額の記載を義務付ける岸田政権の恩着せがましさに、物価高に悲鳴を上げる国民は不満を募らせている。

「岸田首相が選挙の顔では勝てない」というのは今や、自民党内の共通認識になってしまった。普通ならとっくに「岸田降ろし」が始まっていてもおかしくないが、そんな様子はうかがえない。

だがそれはメディアが報じていないだけのこと。実は水面下で「岸田降ろし」の動きが進んでいるという声が自民党内から聞こえてきた。

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実話か与太話か?「自民党の長老」がかけた電話の内容

参院議員の青山繁晴氏が自身のYouTube番組で語った内容はかなり具体的である。ここに紹介しておこう。

5月14日の深夜から未明にかけて、青山氏の携帯に複数の電話があった。いずれも、党の長老からで、内容も重なる部分があった。

それをまとめると、今国会の実質的会期末である6月21日に岸田首相は辞任して内閣総辞職をするべきだという意見を岸田首相に伝えてある。それも、支持率が低いとか、衆院補選に全敗したからというのではなく、「立派な業績も上げたし、日米首脳会談も歴史的なものになった。ちょうどいい潮時ではないか」という理由による退陣の勧めだというのだ。

参院議員としては異例だが、青山氏は9月の総裁選に出馬する意向を持っているらしい。「総裁選に出るなら急いだほうがいいよ」とアドバイスもされたという。

長老というのは誰で、なぜ青山氏に電話をしてきたのか、しかも深夜に。たいへん不思議だし、気になるところだ。

青山氏は「旧体制からすごく強い圧力が岸田首相にかかっている」と言う。それほどの影響力を持つ存在とは……岸田政権を支えてきた麻生副総裁、岸田首相の出身派閥である宏池会のドン、古賀誠氏あたりの顔が思い浮かぶが、確信はない。

無派閥の青山氏は「派閥全廃」を求める同党有志議員の「政治(まつりごと)変革会議」の代表だ。会合には、菅義偉前首相も参加したことがある。そもそも「派閥解消」は、無派閥の菅氏が党の政治刷新本部で唱えたのを受けて岸田首相が提唱し、宏池会、安倍派、二階派の解散宣言につなげた経緯がある。

岸田首相は宏池会の解散にあたって、古賀氏に相談し、了解を得ている。そして、古賀氏は菅氏と裏で手を握っているとされる。よく知られているように、二人とも麻生氏とは犬猿の仲だ。

派閥の力学を利用してキングメーカーであり続けたい麻生氏の反発を覚悟のうえで宏池会を解散した岸田首相は、古賀氏や菅氏との関係を重視しているともいわれている。

そういう観点からすると、真夜中に青山氏に電話した複数の長老というのは、古賀氏、菅氏であったということも十分、考えられる。目的は、総裁選をめぐる情報交換といったところか。

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岸田総理の“秘策”をもってしても6月解散は「下野への道」

総裁選に関する限り、もはや麻生氏と茂木幹事長は、岸田首相の味方とは言い難い。二人とも岸田首相に見切りをつけているからだ。となると、岸田首相の頼みの綱は古賀氏や菅氏であったはず。その二人から引導を渡されたら、「聞く耳」を持たない岸田首相もさすがに困り果てるだろう。

しかし、青山氏が長老の名を明かしていない以上、それが誰かは想像の域を出ない。青山氏も、長老の意見を聞き入れて内閣総辞職するか、衆院解散に持ち込むか、どちらになってもおかしくないと見通しを語る。

では、岸田首相は実際に衆院を解散できるのだろうか。客観情勢をみる限り、衆院選をすれば自公で過半数を割り込むことが十分考えられる。メディアで「政権交代」という言葉も聞かれるようになった。野党がまとまりさえすれば、あながちあり得ないことでもない。

もしボロ負けし、政権交代を許すようなことがあったら、岸田首相は悪い意味で自民党史に残る首相となってしまうだろう。

普通なら、解散・総選挙は断念するところだが、自公で過半数を割っても維新や国民民主を連立に引っ張り込んで数を確保すればいいと岸田首相は楽観的にかまえているフシもある。自社さ政権をつくったこともある自民党のことだ。政権死守のため野党を分断するのはお手のものかもしれない。

その他の“秘策”もメディアやネット上で取りざたされている。たとえば、岸田首相が外務省の尻を叩いて6月中に日朝首脳会談を実現し、支持率を上げたうえで、解散・総選挙にのぞもうとしているというもの。

今年2月、北朝鮮の最高権力者、金正恩総書記の妹、与正氏が、岸田首相の平壌訪問の可能性に言及しており、拉致問題を解決するための行動を期待したいところだが、与正氏は「日本が拉致問題を障害にしなければ」と条件をつけている。政権維持のために話をまとめようとしたら、相手につけ込まれるだけではないだろうか。

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岸田自民の断末魔、どうあがいても野党勢力の思う壺

憲法改正を期待する保守系識者の声もある。

政治資金規正法改正に野党の歩み寄りがみられないことを利用して大幅に今国会の会期を延長し、その間に衆院憲法審査会の議論を進めて、憲法改正の発議にまで持っていけば、その後の解散・総選挙で岸田政権が息を吹き返すというのだ。

ただしこれは、改憲論者の希望的観測にすぎない。

連立にしても、憲法改正にしても、協議する相手があることであって、そう都合よくコトが運ぶとは思えない。

岸田首相は、衆院解散の最後のタイミングとして6月を想定し、定額減税といった人気取りの施策を用意したものの、その効果もなく、退陣の瀬戸際に追い込まれている。

むろん、党内の反対を押し切って解散を打つ手は残されているが、野党勢力にとって、それは願ったり叶ったりだろう。自民党の選挙の顔が岸田首相であることこそ最上のシナリオなのだから。

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image by: 首相官邸ホームページ
 

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