■なぜ自民党は“事実上の賄賂”である「政治資金パーティ券購入」の規制に必死で抵抗するのか? | タマちゃんの暇つぶし

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MAG2 NEWS:京大教授が激怒。なぜ自民党は“事実上の賄賂”である「政治資金パーティ券購入」の規制に必死で抵抗するのか?2024.05.30より転載します。
 
貼り付け開始、

https://www.mag2.com/p/news/600072
 
 

自民党


自民党派閥の裏金問題に端を発する政治資金規正法の改正議論で、あまりに緩すぎると言わざるを得ない改正案を提出し大きな批判を浴びている自民党。彼らが抜本的改革を頑なに拒否する姿勢を見せる裏には、どのような事情があるのでしょうか。今回のメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』では京都大学大学院教授の藤井さんが、自民党がパーティ券購入規制の提案を受け入れない理由を分かりやすく解説。その上で、現在の政治状況を改善するための方策を考察しています。

※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:「岸田自民」の政治資金規正法の抜本改正を拒否する態度は、パーティ券購入が事実上の「贈賄」であることを示す明確な証拠。「外国人禁止」「5万円以上氏名公表」は最低限必須である

パーティ券購入が“賄賂”であることの証明。岸田自民が政治資金規正法の抜本改革を拒否する理由

当方が解説者として毎週登壇している朝日放送のテレビ番組『正義のミカタ』にて過日(令和6年5月18日)、自民党の「裏金問題」が取り上げられた。そしてその中で、自民党がその解決策として政治資金規正法の「改正案」をとりまとめ、それを、公明党と共に行う共同提案の形ではなく、「独自案」として提出しようとしているが、その内容が、あまりにも「しょぼい」内容となっている、という問題が取り上げられた。

政治資金規正法については、政治資金パーティそれ自体を禁止せよという案(立憲民主党)や、外国人のパーティ券購入の禁止(国民民主党)、企業・団体のパーティ券購入を禁止せよという案(維新・共産)が野党側から出されている中、自民党案は、

「政治資金パーティを許可する」
「企業、団体のみならず、外国人によるパーティ券購入も許容する」

というものとなっているのだ。

しかも、与党である公明党からは、「パーティ券購入額が20万円未満の場合は公表不要」という現行の規制を強化し、20万円という基準額を(政治献金と同様の)5万円にまで引き下げるべし、という案が提案されているのだが、自民党はこの提案を拒否し、

「パーティー券購入額が5万円を超えていても(10万円を超えていなければ)、購入者名を秘匿・隠蔽できる」

というルールを法的に確定させようとしてすらいる。

つまり自民党は、公明党を含めた自民党を除く全ての政党が「政治資金パーティ購入行為」について様々な規制を加えようとしている一方で、必死になって「抵抗」している状況にあるわけだ。

政治資金パーティを隠れ蓑に行われている贈収賄行為

この自民党の態度に対して、実に8割、9割の国民が不満を抱いているという世論調査が現在、報道されているのだが、なぜ、自民党はこれだけの批難や反発を受けてもなお、誰の目から見ても単なる驚く程に「しょぼい」法改正にとどめようとしているのだろうか?

それは勿論、「政治資金パーティ購入行為」について、外国人は買うなとか、企業・団体は買うなとか、パーティ券購入額が5万円を超えれば全て氏名を公開しろなぞという規制を加えれば、政治資金パーティを開いてもたいして儲からないじゃ無いか、という事になってしまうからだ。つまり自民党は、パーティ収入を確保したいが故に、抜本的な法改正を拒否しているのだ。

「自民党よ、そこまでして、カネが欲しいのか!?」と思わざるを得ないところであるが、この自民党の態度は、ただ単に「金が欲しい」という自民党の“セコい”心情を明示しているだけではなく、政治資金パーティによって、日本国家の国益を激しく毀損する極めて深刻な「贈収賄」が横行してしまっている状況があるという実態を明らかに指し示しているのだ。

というよりむしろ、この裏金問題における最大の問題は、自民党のカネについての意地汚さの問題というよりもむしろ、この「贈収賄」がパーティの機会を使って合法的に行われるという腐敗状況が蔓延している点にこそあるのだ。

この点について筆者は、今回『正義のミカタ』にてまず、パーティ券購入者の氏名公開基準について、自民党が(公明党案の5万円でなく)10万円に固執している理由について、下記のように解説した。

藤井 「わいろ性が無くて、純粋に応援したいんだったら、公開されても何にも痛くない筈なんです。ところが、公開したくないと、企業側も言っているんです。ということは、袖の下の下心がある事が前提で金を渡していることがもう100%確実確実なんですよ。だから公開すればいいだけなんですよ」

 
 

https://x.com/amisweetheart/status/1791781893559681454

さらには、司会の東野幸治さんから、この10万円5万円問題のみならず、パーティ券購入に関するあらゆる規制提案について自民党が拒否し続けているのはなぜなんですかという質問に対して、次のように解説した。

藤井 「理由は二つあって、一つは、自民党がまぁ文字通りホンマにお金欲しいから。貰うお金を減らしたくないと。

ただしもう一つ理由があって、それが払う方の意向なんですよ。それこそ、企業とか団体とかは、『公開されたら払われへんや無いか、もっと俺、払いたいねん』と言っているわけです。

なんで払いたいと言っているかってことですが…彼らは『企業』です。で、(営利を追求することを旨とする)『企業』が『払いたい』と言ってるっていうことは、要するに『何かを買いたい』っていうこと。

では、彼らが何を買いたいのかと言えば(政治権力を使った政治家による)『便宜』です。

要するにそこに(政治家達との)癒着があることが前提で、企業側は『払いたい』って言ってるわけです。

さらに言うなら外国人もね、日本の事を愛してるから払いたい人もいるのかも知れませんが、普通は、外国の方は日本の事をあんまり愛しててはいないから、日本から何かを『買いたい』わけですよ。

特に岸田さんのパーティ、宏池会のパーティに中国人が一杯でてる動画とかいっぱい(ネット上でも)出回っているわけです。(じゃぁ、そんな大量の中国人が)なんで来てるかっていったら、岸田さんになんかやってもらうために、お金を渡したいんですよ。

要するに事実上の賄賂が行われるんですよ。その賄賂が存在しなければ、払いたいと思う訳なんてないんだから…」

東野 「そらそう…」

※( )は、本記事において便宜上追記した

   

https://x.com/i/status/1791747347741020470

無論、筆者は自民党議員や企業や中国人達に対してインタビューをして「事実上の贈賄、収賄をしてますよね?」と確認し、彼らから「勿論してますよ」という言質を取っているわけではない。しかし、現下の自民党、ならびに岸田文雄総裁の態度に関わる様々な情報を総合的に解釈すれば、上記解釈以外に合理的な解釈を形成することが不可能なのである。

いかにしてパー券購入による「贈収賄リスク」を回避すべきか

そもそも(パーティ券購入代も含む広義の)「政治献金」は本来「この立派な政治家(あるいは派閥)にがんばってもらって、日本をよくしてもらいたい、そのためにこのお金を役立てて貰いたい」という思いのみに基づいて支払われるべきものである。それが政治資金規正法の根本的理念だ。

しかし、政治献金はそもそも「お金のやり取り」に過ぎぬものであり、かつ、そのやり取りの背後にある人の心を明らかにすることは原理的に不可能であることから、常に、「賄賂」のリスク(つまり、払った側が、受け取った側から何らかの“便宜”を図ってもらいたいという下心があって払い、かつ、受け取る側もそれを理解した上で受け取る、というリスク)をはらんでいる。

したがって、そのパーティ券購入行為を含めた政治献金行為における「贈収賄リスク」を回避するには、「禁止」するか、最低限でも「氏名公表」する他ないのである。だから政治資金規正法では外国人の寄附は禁止されており、寄付額も5万円を超えれば全て公表せねばならなくなっているのだ。

そしてもしも、企業・団体側にそういう贈賄の意図が皆無であるのなら、禁止についても公表についても何ら反発する筈などない、いうのは先にも紹介したTV上での発言で示唆した通りだ。

したがって、今回の自民党の政治資金規正法改正に対して、現状を可能な限り変えたくないという意図が見え見えの中途半端な態度は、現状のパーティ券購入が「事実上の賄賂行為」として機能してしまっていることをあからさまに示すものであると解釈せざるを得ないのである。

その意味において、自民党、とりわけ現在の岸田文雄氏における庶民を軽視し、大企業や諸外国の利益を重視してばかりの悪夢のような現下の政治状況を幾ばくかなりとも改善するためには、「外国人のパーティ券購入の全面禁止」を行い、その上で、すくなくとも公明党提案である「パーティ券5万円以上は公表すべし」という案を採択することが極めて効果的なのである。

今、岸田文雄総裁に求められているのは、こうした議論に基づく誠実なる対応なのだが、果たして彼にそれだけの誠実さは残されているのだろうか。それこそが今、我が国日本において何よりも大切な問題なのだが…。

(メルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論』2024年5月18日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ)


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京都大学大学院・工学研究科・都市社会工学専攻教授、京都大学レジリエンス実践ユニット長。1968年生。京都大学卒業後、スウェーデンイエテボリ大学心理学科客員研究員,東京工業大学教授等を経て現職。2012年から2018年まで内閣官房参与。専門は、国土計画・経済政策等の公共政策論.文部科学大臣表彰、日本学術振興会賞等、受賞多数。著書「プライマリーバランス亡国論」「国土学」「凡庸という悪魔」「大衆社会の処方箋」等多数。テレビ、新聞、雑誌等で言論・執筆活動を展開。MXテレビ「東京ホンマもん教室」、朝日放送「正義のミカタ」、関西テレビ「報道ンナー」、KBS京都「藤井聡のあるがままラジオ」等のレギュラー解説者。2018年より表現者クライテリオン編集長。


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