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マネーボイス:奨学金で二流大学以下に通うのはコスパ最悪。「自己投資」と割り切っても、低賃金の不安定就労者となって借金地獄へ=鈴木傾城氏2024年3月30日より転載します。
 
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https://www.mag2.com/p/money/1431249
 

奨学金…。社会に出た時、300万円以上の借金がのしかかり、借金の返済で押しつぶされそうになって死をも考えるような学生も出てきている。これを「自己投資」という人もいる。それは非常に乱暴な話であるし、当事者のことを何も分かっていない人間の言うことだろう。

(『 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 』)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

「大卒は高卒よりもマシだ」という考えで誰もが大学に

大学の学費は国立・公立・私立問わず、ここ30年でうなぎ登りに上昇している。地方出身では、学費支払い・家賃支払い・生活費支払いのすべてが学生と親にかかってくることになるのだが、こうした環境の学生には学費の高騰は大きな問題である。

当然、全額を用意できない家庭や学生も大勢いる。

現在、大学生・短大生の2人に1人は奨学金を利用しているのだが、その奨学金というのは「もらえるもの」ではなくて、多くが返済の必要がある「学生ローン」である。どうしても勉強したい学生や学歴を必要とする学生に、数百万円もの借金を負わせる。

これについて「奨学金を借りることは自己投資」だとポジティブに考えようという意見もある。

「奨学金帳消しプロジェクト」の代表が「自己投資だと思って借りればよいと勧めるスタンスは無責任であり、現実が見えていない」と叩き切っているのは印象的だった。

※参考:奨学金は本当に借りるべき?「多額の借金」がもたらす、大きすぎるハンディキャップ(今野晴貴) – エキスパート – Yahoo!ニュース(2023年4月20日配信)

大学を卒業しても、誰もが同じように大学を卒業していたら希少価値は減退し、「大学卒」という肩書きに意味がなくなっていく。特に金を払えば誰でも入れるような大学は、就職でも相手にされないと言われるくらい意味がないものと化す。

確かに誰でも入れる大学というのは存在する。そこでは専門的な学問やスキルを身につけられず、ただ単に遊んで過ごすくらいの場所であると世間に思われている。それが真実かどうかはともかく、世間ではそのように受け取っている。

それでも、大卒は高卒よりもマシだという考えで誰もが大学に行こうとする。その結果、借金を背負うのである。大学に入るために奨学金を借りた大学生は、大学を卒業した瞬間に返済義務が発生する。

ところが「誰でも入れる大学」の卒業生の多くは、賃金の高い高スキルの仕事に正社員として就くことができないので、そのまま借金が地獄の苦しみになっていく。時には返済できなくなってしまう。返済できても、精神的苦痛を味わい続ける。

「死ねば借金がなくなるかも」

「奨学金帳消しプロジェクト」が約2,700人から有効回答を得たアンケートでは、返済延滞の経験がある人は28%で、返済延滞の理由の68%は「収入が低い」となっていた。奨学金を借りた学生の少なからずが、返済に四苦八苦しているのが分かる。

「結婚なんか考えられない」「借金があると告白したら別れられた」「奨学金返済がなければ、もう少し食費に回したい」「返済に持っていかれて自由に使えるお金がない」「返済期間も長いので精神的にもきつい」「車など買えない」

「貯金なんかできそうにない」「一人で生きていくので精一杯」「病院に行くのも金がかかるので避けてしまう」「アルバイトに追われて何も考えられない」「風俗で働かないといけなくなった」

……あげくの果てに「死ねば借金がなくなるかも」と考える人も出てきている。

社会に出た時には300万円以上の借金がのしかかり、借金の返済で押しつぶされそうになっていて、死をも考えるような状況になってしまっている。これを「自己投資」というのは非常に乱暴な話であるし、当事者のことを何も分かっていない人間の言うことだろう。

Next: 二流大卒はコスパ最悪?安い賃金で働く外国人が日本人よりも選ばれる…

安い賃金で働く外国人が日本人よりも選ばれる

滞納者(奨学金返還を3か月以上延滞している者)は15万人超えとなっている。これは決して少ない数ではない。一流大学でもない限り、大学卒という学歴を得るための借金は非常にコストが悪いものとなっている。

それならば、大卒という学歴の他に、何らかの特別な資格や技能や知識を身につければ、世の中を渡っていけるようになるのだろうか。かつてはそれも意味があったのかもしれないが、今ではちょっとした資格や技能があっても生活を安定させられる保証はない。

経営者が一般の労働者に求めているのは、常に「安い労働力」「合理化と効率化」だからである。もちろん資格・技能・専門知識があればあるに越したことはないのだが、あった上で「安く働いてくれる」人がいれば、そちらを採用する。

だから、安い賃金で働く外国人が日本人よりも選ばれる。

優先的に雇われる可能性はあるが高賃金になるとは限らない

多文化共生が批判されながらも断固として進められるのは、安い賃金で働いてくれる外国人がたくさんいればいるほどコストが下げられるからである。

多文化共生が強制されるのは、企業にとって好都合だからなのだ。競争原理の結果である。企業は利益を生み出すために、ひたすらコスト削減に走るのだが、コストの大半は人件費なのだから、人件費を削減するのは「正義」だ。

浮いたコストは商品の価格を下げて商品競争力を高めることにも使えるし、配当を増やして株主を引きつける資金にも使えるし、経営者の高級車購入にも使える。

いかに従業員の賃金を引き下げるか、いかに従業員を雇わないかが経営者の仕事になったのだ。だから、非正規雇用を増やして社員を減らしたり、賃金を極限まで抑えたりする動きが当たり前になる。

そう考えると、そんな時代の中で従業員がいくら資格・技能・専門知識を高めても意味がないことに気付くはずだ。まったくの無意味だとは言わないが、それをうまくやったところでたかが知れている。

経営者が求めるのは「誰よりも安く長時間働きます」と言ってくれる人間であって、「資格があるので高い賃金を下さい」という人間ではない。大学の肩書きがあって、資格があったら優先的に雇われる可能性はあるが高賃金になるとは限らない。

それが今の時代のリアルである。「大学卒=高賃金」ではなくなったのだ。

「大学を卒業したら良い企業に入れて高賃金も約束されて一生が安泰」ならば、借金を抱えてもリスクは吸収されるのかもしれない。しかし、大学を卒業しても使い捨ての労働者で、景気が悪化したらリストラされたりする社会だ。そんな中で大きな借金を抱えるというのは、非常に恐ろしいことでもある。

莫大な借金を負ったまま低賃金の不安定就労者へ

人生はいくつもの波があるのだが、不調になった時にそれを数倍も増大させるのが借金なのである。大学生・短大性の2人の1人が莫大な借金を抱えて社会に放り出されるのだから、若者が萎縮してしまうのも当然だ。

しかし、大学を卒業していなければどうなるのか?

「教育を受けないと将来困るよ」「良い企業に勤められないよ」と脅されるのである。実際、高度情報化社会になればなるほど学歴社会は強化されていくので、大学を卒業していないと低賃金の労働者に蹴落とされてしまう。

しかし、無理して大学に行こうものなら、借金を奨学金と言い換えられて、金をむしり取られる。そして、それを「自己投資と思えばいい」と言われる。大学に行けば行ったで借金地獄に蹴落とされてしまう。

・借金しなくていいが、職業選択肢が消える
・学歴は得られるが、莫大な借金を負う

……学生から見たら、地獄の二者択一だ。どちらを取るか、という話である。一番悲惨なのは、学歴を得たのに高待遇高賃金の仕事に就くことに失敗して、莫大な借金を負ったまま低賃金の不安定就労者になることである。

これでは、学歴はあっても、莫大な借金は無意味だったということになる。それでも、借金はなかったことにできないので、長い年月をかけて自分の生活を劣化させても返していかなければならない。

そうであれば、借金など背負わないで社会に出た方がいいようにも思える。しかし、誰もが大卒という学歴を持っていると、学歴がないことで職業の幅が狭まるし、努力しても正社員に就けないこともある。当然、正社員と非正規雇用では生涯年収もかなり違ってくる。

同時に自分が学歴を持っていないことに引け目に感じる人もいる。同調圧力の強い日本では、学歴の低いことに耐えられない人も多いだろう。しかし、家庭環境によって、どうしても奨学金を借りるしかない学生も多いのである。

・大卒でも高賃金の仕事に就けるわけではなくなった
・学費が高騰して負担がますます増えている
・大学に行かなくてもいいが、職業選択肢は消える
・大学に行かなくてもいいが、生涯年収は減る
・無理すると学歴は得られるが、莫大な借金を負う

大卒という学歴がなければデメリットは多いが、今は単に大卒となってもメリットは薄れつつある。

日本社会は、高齢者の社会福祉も若者に背負わせ、教育も借金として若者に背負わせ、凋落していく社会のツケも若者に背負わせ、それで個人が潰れても「自己責任」と突き放す社会になっているのだから過酷ではある。

若者の死因?自殺が第一だ。

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2024年3月30日)。
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
 
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