■バイデン、トランプ「老老対決」に“不測の事態”を | タマちゃんの暇つぶし

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MAG2 NEWS:バイデン、トランプ「老老対決」に“不測の事態”を心配する声。鍵を握る名門「ワンチャン候補」の名前2024.03.20より転載します。
 
貼り付け開始、

https://www.mag2.com/p/news/595307
 
Malaga/spain,-,09-28-2020,:,Concept,For,Usa,Presidential,Election,2020.
 

「バイデンvsトランプ」という、現職と元職の再対決が濃厚となったアメリカ大統領選挙。しかし両者ともに高齢であり、選挙戦中に「不測の事態」が起こる可能性も指摘されています。かような「老老対決」の行方を注視しているのは、ジャーナリストの高野孟さん。高野さんは自身のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で今回、米メディアが始めた「不測の事態」への検討内容を紹介するとともに、「バイデンではトランプに勝てない」と考えた民主党が、無所属での出馬を表明しているロバート・ケネディJr.氏を擁立する可能性を考察しています。

※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:米大統領選は本当にこのまま「老老対決」の不毛に沈んでいくのか/ロバート・ケネディJrという第3の選択は?

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

「老老対決」という鬱陶しさを免れないアメリカ大統領選挙

米大統領選はスーパー・チューズデーを経て早くもバイデンとトランプの現職と前職の対決図式に集約されつつあるかに見える。しかしこの図式の最大の難点は、バイデンが現在81歳、仮に当選して25年1月就任時82歳、無事に任期を全うしたとして退任時86歳。対するトランプも約3歳半下の77歳、就任時78歳、退任時82歳で、どうにもこうにも「老老対決」という鬱陶しさを免れないことにある。

しかも、本誌No.1,239でも述べたように、バイデンはすでに部分的な記憶喪失ないし意識陥没を含む緩やかな認知障害の過程に入っており、他方トランプは3年前の大統領選で勝利したのは自分だという妄想に取り憑かれその怨念を晴らすという個人的な目的のためだけに大統領に返り咲こうとする異常な心理状態に浸っている。どちらもアラウンド80歳という年齢を考えれば、

 

(1)7~8月の各党全国大会での正式指名
(2)11月の投開票
(3)来年1月の就任


――などのハードルを超える以前にも、それらの心的傾向が進行するとか、あるいは別の心身不調に襲われるとかして、いずれかもしくは両方が撤退を余儀なくされる可能性もないとは限らない。

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党大会前の「不測の事態」が招きかねない大混乱

そこで早くも米メディアでは、2人のどちらかもしくは両方に「不測の事態」があった場合はどうなるのかの検討が始まっている。

(1)の党大会前に候補者が不在となった場合、1月以降に各州ごとに予備選もしくは党員集会を開いて「代議員」獲得を競ってきたプロセスをもう一度やり直すことは時間的にも資金的にも難しいので、一定の条件で新たに立候補者を募り大会に集まった代議員が自由投票で決めることになるらしい。しかしそうなると、恐らく予備選段階で出馬断念に追い込まれた候補者たちがこの一発勝負のチャンスに賭けようと我も我もと参入して、なかなか決まらず混乱が起きるかもしれない。

大会で選ばれた正式候補が(2)の本選前に撤退した時は、もはや大会を開く暇もないので党の指導部である全国委員会が党内協議で決め直すのだろう。さらに本選で勝利した大統領当選者がいなくなった場合は、(3)の就任前でもその後でも、副大統領が後を継ぐことになる。

というわけなので、本選がバイデンvsトランプの対決の再現となるかどうか、なった場合に今の世論調査通りのトランプがやや有利という結果になるかどうかは、まったく不確定と言うべきである。米国政治が専門の前嶋和弘=上智大学教授は、トランプが共和党内の戦いで圧倒的強さを見せたのは事実だが、だからと言って「ほぼトラ」、すなわち「もうすでにトランプ勝利がほぼ決まった」かに捉えるのは尚早で、これからバイデンが巻き返すこともあり得ると見ている(日経3月15日付「アナリシス」欄)。


Z世代の反発でケネディJr.を民主党候補とする動きも?

前嶋教授はまた、民主・共和両党が無党派層をどう取り込むかで激しく争う中で「一方、最終的に鍵を握るかもしれないのは第3の候補だ」として、無所属で出馬するロバート・ケネディJr.の名を挙げている。代々民主党のケネディ家出身だけに、同党予備選から脱落して無所属での立候補に転じたとはいえバイデンの票を奪いかねないし、また民主党支持層からは白い目で見られているケネディJr.の「ワクチン陰謀論」の主張は、逆に共和党支持層には一定の支持があるので、トランプの票を掠め取る可能性もある。


ただ現実には無所属での本選立候補はなかなか大変で、チェック式の投票用紙に名前を載せさせるには州ごとに法定の署名数を集めなければならない。必要な署名数は州によって様々だが、中には10万票以上が必要な州もあり、組織を持たない無所属候補にとって壁は厚い。

しかし、バイデンの心身上の限界が露わになった場合、あるいは彼のイスラエルによるガザ大虐殺に対するへっぴり腰の対応へのアラブ系のみならず広く「Z世代」と呼ばれる若者層の反発がいよいよ強まってきた場合、今はトランプ阻止のため何とか纏まっている民主党の中からも、左派や反戦派が「バイデンではトランプに勝ち切れない」と判断、ケネディJr.を担ごうという動きが出てくるかもしれない。何しろ、米ABCテレビが3月11日に発表した調査で、「バイデンが高齢すぎて2期目を務めるのは無理だ」と考える人は86%に達しているのだから。

本誌はケネディJr.が出てきた直後の昨年5月、No.1,206で「日本と世界の反戦・平和勢力はロバート・ケネディJr.を米大統領にして『全米軍基地撤収』の公約を実現させよう」との記事を掲げ、たぶん日本で最初にケネディJr.支持を表明した経緯もあり、流れがそちらに傾くことを期待して当然である。

【関連】“ケネディ一族の呪い”は解けるか?米大統領予備選に出馬するJFK甥の「公約」

以下に、彼のキャンペーン・サイト(※)から経済政策と平和政策を仮訳し《資料1》《資料2》として添付する。後者はNo.1,206で紹介したものに若干修正を施しただけのものだが、両者を併せ読むことで、米国が世界に対して「帝国」として振る舞うのを止めることが、国内の民主主義の再建や経済の非軍事化による再興とも繋がっているという彼の政策発想の正しさを理解することができるだろう。

KENNEDY FOR PRESIDENT

(メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2024年3月18日号より一部抜粋・文中敬称略。ご興味をお持ちの方はご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。


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