■65歳アルバイトの現実: 室内清掃作業 | タマちゃんの暇つぶし

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日刊ゲンダイ:65歳アルバイトの現実 室内清掃作業は“下働き”そのもの…「あなたが4カ月ぶりの応募者です」だって 公開日:2024/01/23 06:00より転載します。
 
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/335059

ビジネスホテル編

今度は大手企業系ビジネスホテル
 

「午後3時にホテル正面玄関の外でお待ちください。担当の者が迎えに行きます」

 2023年8月のある日、派遣会社から面接のメッセージを受け取った。これまではラブホのバイト面接が多かったが、今回は大手鉄道会社系列のビジネスホテルだ。スーツにネクタイ姿で、指定された時間の10分前にホテルの前で待った。

 後で知ったことだが、こうした室内清掃作業の面接では、応募者はホテル内部に立ち入ることが許されない。そこには“下働き”に課せられた身分制度のようなものがあるようだ。

 

 ホテルの前で待つこと15分。約束の時間を過ぎているのに誰も迎えにこない。さては日にちを間違えたかなと思い、派遣会社の本部に電話をすると「あれ、まだ誰も行ってませんか。すぐに手配します」とのこと。待つこと5分。20代の与田氏(仮名)が小走りでやってきた。「裏の事務所にいらっしゃるものと勘違いしてました。よくある手違いです」としきりに頭を下げる。

 与田氏は入社2年目。このホテルの清掃のリーダーだ。

「僕、面接するのは4カ月ぶりなんです」

 与田氏が言うので、この4カ月間は人が足りていたのだと思ったら、さにあらず。

「ずっと求人サイトで募集してましたが、誰も来ない。あなたが4カ月ぶりの応募者です」

■時給1200円、「1人でも2人でも欲しい」

 そんなに人手不足なのかと愕然とさせられた。時給は1200円で、午前9時から午後3時まで働ける人を求めており、「とにかく今は1人でも2人でも欲しい」という。

 仕事内容はこれまで面接を受けたラブホテルと同様にベッドメーキングや室内清掃が中心だ。違うのはキッチンのある高級な部屋もあり、シンク回りに汚れがこびりついていると清掃に時間がかかること。「中国人は部屋を汚す人が多く、特にトイレの使い方が汚い」「4カ月前に採用した男性は仕事がきついと言ってすぐに辞めてしまいました」と実情を語ってくれた。

 与田氏が人懐っこい人柄なので世間話になった。私が「アベノミクスは失敗した」と言うと、彼はポカンとした表情だ。

アベノミクス知ってますか?」と聞くと「言葉は聞いたことがあります。何のことですか?」と素直に質問してくる。一事が万事で、昨今の「悪い円安」についても知らない。いろいろ話した末、与田氏は「僕はニュースも見ないし、新聞も読みません。清掃は難しいことを知らなくてもできる仕事なんです」と爽やかに笑うのだ。

 面談中、2人の男性スタッフが事務所のドアを開けた。2人とも東南アジア系の顔立ちで、控えめな口調の日本語で与田氏に何かを報告し、すぐに出て行った。

「今のおふたりは……?」

「2人ともネパール人です。来日して間もないけど日本語が上手ですよ」

「アルバイトですか?」

「いえ。どちらも当社の正社員です。今は売り手市場ですからね。外国人とはいえ、正社員にしないと働きに来てくれないんです」

 日本の労働市場は切羽詰まっているのだ。

「会社に報告して1週間以内に採否をご連絡します」と言って裏口で見送ってくれた与田氏。3日後に採用の電話をくれた。  =つづく

(林山翔平)
 
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続き

65歳アルバイトの現実シティホテルの清掃仕事を受注している会社から「正社員」に誘われ、社長と面接公開日:2024/01/24 06:00より転載します。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/335151


 アルバイトとして働くつもりで清掃の面接を受けているうちに「正社員として迎えたい」との申し出を受けたことがあった。清掃の現場は都内にある客室数300以上の大規模シティーホテル。このホテルから仕事を受注しているM社に応募したところ、先方の副社長・藤田氏(仮名)から電話が来た。

「これまでどんなお仕事をしてきたのですか?」と丁重に聞かれたので正直に答えると、「すぐにでもお目にかかりたい」とのこと。

 3日後に面談したのだが、場所は先方の会社ではなく、喫茶店「ルノアール」だった。理由は事務所があるようでないようなものだから。名刺には港区の住所が印刷されているが、清掃員を派遣するのにきちんとした事務所は必要ない。そのため共同事務所を借りていて、面接は喫茶店などを使っているそうだ。

 面接には藤田氏のほか社長の白木氏(仮名)も同席した。2人とも70代前半で、温厚篤実な雰囲気。社長と副社長の2人がそろって面接したのには理由があった。正社員としての入社を勧めるためである。

 白木氏が時間をかけて会社設立の経緯を語り、最後に「あなたは64歳で、まもなく雇用延長も終わる。そのあとは弊社の正社員になっていただきたい」と誘ってくれた。藤田氏も「会社は小さいけど、社会保険もありますから」とたたみかけるように言う。
 

 聞けば、これまで大卒者の応募は一人もいなかった。そこに大卒の私が応募してきた。おまけに私が勤務してきた会社は世間的によく知られている。それらをメリットととらえ「あまり給料は出せません。月給25万円プラス賞与くらいですが、午後5時には帰れるよう配慮します」と白木氏は情熱的だ。

 後日このことを70代の友人に話したら「そりゃそうだよ。キミみたいな有名企業の社員は中小企業経営者にとって『うちはこんな人材も抱えていますよ』と看板になる。社長も出てきて採用したくなるのは当たり前だ」と言われた。

 それを裏付けるように、白木氏は「最初はベッドメーキングなどの実務を覚えていただきますが、いずれは他のスタッフが担当した部屋を見てしっかり清掃できているかを点検する仕事に回っていただきたい」。

 一種の管理職として迎えたいというわけだ。

■以前の会社の後輩に見られたくない

 ただし客室清掃の仕事は「かなりの重労働」という説明も欠かさなかった。働くのがいやになり、出勤日の午前9時に「昨日親父が死んだ」とウソ電話をかけてきてズル休みし、翌日から来なくなる人もいるそうだ。

 掃除係の仕事をしているところを以前の会社の後輩に見られたくないという人も多い。宿泊客と一緒にエレベーターに乗るのは禁止。清掃員にはロッカーもないことなどを明かし、「はっきり言ってプライドがズタズタになります」と話してくれた。

 面白いと思ったのは、彼らの外国人労働者への評価。中国人などアジア系は日本に慣れてくると仕事の指示に素直に従わなくなることがあり、同国人同士のネットワークで少しでも時給が高い仕事の情報を得ると、すぐに辞めて転職してしまうという。「アフリカの人のほうが素直で使いやすい」(白木氏)のだそうだ。  =つづく

(林山翔平)
 


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■ラブホから「体験」労働の誘い…清掃 (2024/03/14)
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■第二の人生に選んだ「ラブホ清掃員」 (2024/03/13)
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