マネーボイス;日銀「マイナス金利解除」のリーク報道で国内外の投資家が臨戦態勢…会合前後に想定される相場展開3シナリオとは=今市太郎氏 2024年3月15日より転載します。
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いよいよ週明け3月18日・19日には日銀政策決定会合が開催され、政策変更の可否が明らかになります。すでに「日銀、マイナス金利解除で最終調整」との報道も出ていますが、今回は3つのシナリオが展開されて相場が動くことを予め想定しておきたいと思います。(『 今市太郎の戦略的FX投資 』今市太郎)
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※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2024年3月15日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
ついにマイナス金利解除か。海外勢も大注目
いよいよ週明け3月18日・19日には日銀政策決定会合が開催され、政策変更の可否が明らかになります。
久々に世界的な注目を浴びる「マイナス金利解除」or「維持」or「翌月回し」の決定には、驚くほど多くの投資家が関心を示し、海外勢はすでに8割が3月のマイナス金利解除を織り込んでしまうという恐るべき状況になってしまっています。
ということで今回は早めに、3つのシナリオが展開されて相場が動くことを予め想定しておきたいと思います。
シナリオ1:予想どおりマイナス金利解除決定
マイナス金利解除決定については、実はさらに細かなシナリオも考えられるのですが、まずは「マイナス金利解除」というテキストがヘッドラインに流れれば、間違いなくドル円は円高方向に動くことが予想されます。
現状の148円レベルが発射台であるとした場合には、145円を下抜けする可能性はかなり高く、この決定にYCC(イールドカーブ・コントロール)の撤廃などという言葉が一緒盛りにされた場合、140円まで到達する可能性を指摘する市場参加者まで現れています。
どこまでオーバーシュート気味に展開するかは、もっぱら発表内容次第ということになりそうです。
米ドル/円 日足(SBI証券提供)
日銀はかねてから正副総裁が口走っているように、とりあえずマイナス金利0.1%をゼロ金利に戻すことでお腹いっぱい…という、かなり市場の織り込みよりも過少な緩和巻き戻しを考えているのはもはや明白です。
しかしながら「マイナス金利解除」と言った途端に、海外市場参加者はさらなる利上げを完全に織り込んでしまいます。
そのため、緩和的展開などというわかりにくい言葉を声高に叫んでも、恐らく止めようがない状態に陥るものと思われます。
したがって、この政策決定がなされれば、とにかくドル円売りで、順張りでついていくしかないというのが戦略になります。
Next: 4月への先送りもありえる?想定しておきたい残りの2シナリオ
シナリオ2:マイナス金利解除を4月と示唆して、今月は現状維持とした場合
このシナリオの可能性もかなり残っていると思われます。
今月マイナス金利解除を会合で議論しても5名の審議委員の同意が得られず、来月以降にさらなるデータを含めて再検討という内容が飛び出すケースです。
この場合、初動は当然、ドル円の買い戻しで「ドル高」方向に動くのでしょうが、4月会合で決定の可能性があるという含みを持たせた場合には、買い戻しのさらなる買い戻し……つまり下落が再稼働することが考えられ、上値では「戻り売り」が有利になります。
ただ、これがどのように市場に伝えられるかが大きな問題になります。
政策発表上は現状維持しか伝えられず、その後の会見で植田総裁がその旨を発言するといった時間差攻撃になると、相場の巻き戻しと再下落の値幅は相当に大きくなりそうで、トレードの仕方としてはかなり難しいものになります。
シナリオ3:単に現状維持となった場合
今回、ここまでリーク報道が出たり現役審議委員が発言してマイナス金利の解除の可能性が高まっているわけですから、この挙句の果てに現状維持と発表するのは、凄まじく市場参加者の利益を侵害するようなやり口になりそう。
4月以降の政策について何のエクスキューズもなく「現状維持」のヘッドラインが走った場合には、148円前後の相場水準なら150円台まで買い戻される可能性がかなり高くなりそうです。
まあ個人的にはこうした結末にするなら余計な事前リークなどするなと怒りたい気分ですが、市場とのコミュニケーションがとりたてて上手くない日銀のことですから、このシナリオも残されている状況です。
ただ、今月何もしないのなら、余分な事前情報で大きく下げてしまった日経平均株価はまさにいい迷惑。ここから慌てて買い戻しが入っても、どこまでリカバリーするのかが気になるところです。
日経平均株価 日足(SBI証券提供)
「マイナス金利解除」と書くと非常に大きな政策変更に見えますが、ゼロ金利に0.1%だけ利上げとした場合、本来は社会に与える影響などほとんどないはずなのですが、これを拡大解釈してしまった海外勢が織り込み済みトレードをどこまでやってくるのかが、非常に気になる状況です。
Next: ポジションは持たないのが吉?投資家はどう立ち回るべきか
ポジションは持たずに多少離れたところに指値・逆指値をおくのがお勧め
今回の日銀会合トレードでは、正直この段階でも、下に行くのか上に戻るのかを断定するのは難しい状況です。
もしトレードをするなら、相場水準から50銭~70銭程度離れたところに下方向なら逆指値、上方向なら指値をおいて、順張りになるように売買していくことがお勧めとなります。
初動の上下50銭程度は結局とれなくなりますが、両建てや間違ったポジション保有の損切りをするよりは、そのほうがよほどマシではないかと考えます。
まあもっと冷静に考えるなら、動きが出てからどうするかを判断するというのも決して悪い話ではなく、あまり無理をして妙な損失を食らわないようにすることが基本的に重要なものであるといえます。
身の丈を超えた欲張りトレードはとかく損を食らいやすくなりますので、そのあたりも十分にご注意いただきたいと思います。答え合わせは 当メルマガ の19日午後版で行いたいと思います。
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