■「石器時代の若者がかんでいたガム」に残されたDNA | タマちゃんの暇つぶし

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GIGAZINE:2024年02月23日 21時00分「石器時代の若者がかんでいたガム」に残されたDNAから当時の病気や食生活が明らかにより転載します。
 
貼り付け開始、

https://gigazine.net/news/20240223-stone-age-gum-dna-diet-disease/

 


口が寂しい時や眠気を覚ましたい時にガムをかむという人は多いはず。実は石器時代の人々も樹脂を「チューインガム」としてかんでおり、古代のガムから採取されたDNAを分析することで、当時の病気や食生活が明らかになりつつあります。

Metagenomic analysis of Mesolithic chewed pitch reveals poor oral health among stone age individuals | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-023-48762-6


DNA from stone age chewing gum sheds light on diet and disease in Scandinavia’s ancient hunter-gatherers
https://theconversation.com/dna-from-stone-age-chewing-gum-sheds-light-on-diet-and-disease-in-scandinavias-ancient-hunter-gatherers-219620

Ancient ‘chewing gum’ sheds light on stone age teenagers’ diet | Archaeology | The Guardian
https://www.theguardian.com/science/2024/jan/23/ancient-chewing-gum-stone-age-teenagers-diet

1990年代初頭に発掘されたスウェーデン南西部のHuseby Klev(ヒューズビークレフ)遺跡は、ヨーロッパ人が農耕を始める直前の中石器時代の遺跡であり、放射性炭素年代測定から1万200~9400年前のものだということがわかっています。

ヒューズビークレフ遺跡からは、樹脂やシラカバの樹皮でできた「ガム」が115個も出土しています。これらのガムには明確な歯形が残っており、中石器時代以降の石器文化で道具や武器を組み立てるための接着剤として使われていたか、単なる娯楽目的や薬用としてかまれていたとみられています。針葉樹の樹脂や天然のアスファルトなど、世界中で同様の性質を持つさまざまなガムが見つかっているとのこと。


ストックホルム大学の分子考古学教授であるAnders Götherström氏らの研究チームは、ヒューズビークレフ遺跡で発見されたガムに残された古代のDNAを分析しました。

分析の結果、ガムから抽出されたDNAの半分がヒト由来のものであり、性別は男女共にありましたがほとんどが10代の若者でした。一方、残るDNAには吐き出された樹脂片に生息していた微生物や菌類だけでなく、人間が樹脂片の前にかんでいた物質や口内に生息する微生物に由来するものが含まれていたとのこと。


これらのDNAを分析することは困難な作業でしたが、研究チームはDNAを特徴付けるさまざまな戦略を用いてDNAを抽出し、断片化されたDNAをより長い断片につなぎ合わせました。また、機械学習を用いて特定のDNA断片がどの微生物や動物に属するのかを分析したそうです。

その結果、口腔(こうこう)内のマイクロバイオームによくみられる微生物や、虫歯の病原菌であるミュータンスレンサ球菌Hib感染症の病原菌などの痕跡も見つかりました。これらの病原性微生物は高い頻度で存在していたものの、健康な口腔内マイクロバイオームにみられる範囲を上回っておらず、これらのガムをかんだ人々が病気を持っていたかどうかは不明です。

しかし、歯と歯茎の間に侵入した病原体が炎症を起こし、歯を支える骨を溶かしてしまう歯周病に関連する細菌は健康な人のレベルを超えて確認されました。機械学習による分析の結果、樹脂片をかんだ少女は75%以上の確率で歯周病になっていたと研究チームは結論付けています。Götherström氏は、「彼女はおそらく、ガムをかんだ時期から間もなく歯を失い始めたでしょう」とコメントしました。


また、ガムからは微生物だけでなく、アカシカブラウントラウトヘーゼルナッツなどの大きな生物のDNAも検出されました。これらのDNAは、おそらく若者らがガムをかむ前に食べていたものの痕跡だとみられています。

しかし、これらの動物や植物を含む真核生物のDNAはより大きく複雑なため、正確性は微生物のものより下がるとのことで、ブラウントラウトとみられたDNAが実は別の魚の可能性もあるとのこと。また、ガムからはキツネのDNAも見つかったそうですが、これは若者たちが実際にキツネを食べていたのか、それとも衣服に使っていたキツネの腱(けん)や毛皮のDNAが混ざったのか、あるいは縄張りのマーキングで吐き出されたガムにDNAが付着したのかはわからないそうです。

Götherström氏らは、「今回明らかになったことは、石器時代の人類文化の魅力的な記録を理解するための大きな一歩となります。今後さらに分析が進めば、より大きな驚くべき発見があるかもしれません」とコメントしました。

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