■地球上にたった1つしか存在しない激レアな鉱石「チョートゥー石」 | タマちゃんの暇つぶし

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カラパイア:地球上にたった1つしか存在しない激レアな鉱石「チョートゥー石」 2024年02月19日より転載します。
 
貼り付け開始、

https://karapaia.com/archives/52328773.html
 
地球上で立った1つの標本しかない鉱物、チョートゥー石

 地球という惑星の地質学的なパワーによって、地球のどこかの場所で特定の鉱物が生成されるなら、他の場所でも同様のことが起こる可能性は高い。

 実際、国際鉱物学協会(IMA)によって認定されている鉱物は6000種にのぼり、その多くは複数のプロセスを経て形成され、まったく異なる化学反応によって同一の結果がもたらされる。

 だからその種の鉱物の標本は複数見つかるのが普通だ。例え鉱物が一度しか形成されなかったとしても、その標本が砕けて、広い範囲に飛び散ることだってある。

 だが、地球上でたったひとつしか標本が見つかっていない鉱物が存在する。それがチョートゥー石なのだ。
 

2015年に新種の鉱物に認定された「チョートゥー石」


 チョートゥー石(kyawthuite)は、ミャンマーのモゴック近郊で見つかった宝石用原石で、2015年にIMAによって新種の鉱物と認定された。

 ほぼ同一の合成混合物であることがすでに知られていて、たったひとつしか標本がないため市場に出回っておらず価格はついていない。というかつけられない。

 現在、ロサンゼルス自然史博物館に保管されている

 チョートゥー石は、透明な赤みがかったオレンジ色で、標本の重さは0.3g(1.61カラット)だ。
 
チョートゥー石


チョートゥー石が希少な理由は形成方法に関係か


 唯一判明しているのがアンチモン酸ビスマス(化学式はBi3+Sb5+O4)という元素の天然結晶で、微量のタンタル(原子番号73)を含む。ビスマスもアンチモンも両方ともレアメタルだが、特別に珍しいというわけではない。

 地球の地殻には金よりもビスマスが多く、銀よりもアンチモンが豊富だ。酸素は地殻のもっとも豊富な元素なので、チョートゥー石の希少性は成分が不足しているせいではなく、その形成方法に関係していると思われる。

 ビスマスは非常に重い元素なので、チョートゥー石の密度は水の密度の8倍以上(若干似ているルビーは水の2倍)だ。そのため、この石はその重さが示す数字よりも小さく見える。

 カリフォルニア工科大学の鉱物データには、Bi3+原子と平行に並んだSb5+O6八面体の市松模様をもつ構造として記載されている。

 ヤンゴン大学の元地質学者チョー・トゥー博士の名ににちなんで命名された。

 チョートゥー石の標本は、サファイアハンターによって川底から発見され、新種の鉱物として2015年にIMAに認定され、その科学的な説明が発表されたのは2017年のことだ。
 
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チョートゥー石の標本は地球上に1つしか存在しない / image credit:Courtesy of the Natural History Museum of Los Angeles County (NHM)

チョートゥー石の次に希少なペイン石もミャンマー産  興味深いことに、ミャンマーはチョートゥー石の次に希少な鉱物「ペイン石(Painite)」の産地でもある。

 これもほんの数例しか記録されていない貴石で、カリフォルニア工科大学のジョージ・ロスマン教授は、ミャンマーにこうした激レア石が存在するのは、インド大陸がアジアに衝突したときに発生した圧力と熱のせいだと述べている。

 なお近年のペイン石は、ミャンマー北部のモゴック周辺地域の調査で、新たなペイナイト鉱床がいくつか見つかり、数千個の標本が入手可能となったそうだ。その中の結晶や破片が宝石用に100個以上加工されたという。

 とはいえ、ほぼ完全な結晶は依然として数が少なく、高品質の宝石としては今もなお希少となっている。
 
Painite2
ミャンマーで見つかったペイン石 / image credit:public domain/wikimedia

 こうした環境のおかげで、今後ミャンマーがこの2大レア鉱物の一大産地になる可能性はあるが、数十年にわたる戦争や国際的な制裁のせいで、鉱物標本が専門家のもとに渡らない可能性があるという。


追記:(2024/02/19)本文を一部訂正して再送します。
References:This Is The Rarest Mineral On Earth, And There's Only One Specimen | IFLScience / What is the rarest mineral on Earth? | Live Science / written by konohazuku / edited by / parumo




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