■パー券「裏金」で国会議員の立件は本当にあるのか? | タマちゃんの暇つぶし

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MAG2 NEWS:安倍派が特に悪質。パー券「裏金」で国会議員の立件は本当にあるのか?2023.12.31より転載します。
 
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https://www.mag2.com/p/news/590149
 
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12月27日、政治資金パーティーの「裏金」疑惑で、東京地検特捜部は、池田佳隆衆議院議員の事務所などを家宅捜索。初めて政治家本人への強制捜査を決行しました。特捜部は、困難との見方もある「証拠」を掴むことができるのでしょうか。今回のメルマガ『有田芳生の「酔醒漫録」』で、ジャーナリストの有田芳生さんは、政治資金収支報告書不記載の共謀と公選法違反で立件された例をあげ、今回も立件は可能と指摘。加えて、スキャンダルと低支持率が結果に直結しない日本の選挙で、有権者が問われることになると2024年を展望しています。

裏金疑惑 国会議員の立件はあるのか

12月19日に安倍派(千代田区平河町2-7-1 塩崎ビル)と二階派(千代田区平河町2-7-4 砂防会館別館3階)の事務所に東京地検特捜部の強制捜査が入った。いまわかっている裏金は安倍派が約5億円、二階派は1億円ほどだ。

収入を派閥の政治資金収支報告書に記載せず、議員も自身の報告書に記載していないから、安倍派がとくに悪質だ。押収した文書からどこまで解明が進むのか。12月21日には、つい1週間前まで官房長官だった松野博一議員が、さらに安倍派の事務総長を松野議員と同じように経験した高木毅議員、さらに安倍派「5人衆」のひとり世耕弘成参議院前幹事長にも任意の事情聴取を要請したことがわかった。

検事経験者などは、会計責任者と議員の共謀を証明するハードルは高いとコメントしている。政治資金報告書にパーティー収入を約4000万円過小記載したため、略式起訴され、罰金100万円、公民権停止3年となり、議員を辞職した薗浦健太郎議員(千葉5区)の場合は、秘書とのメールや音声が残っていたため、逃げることができなかった。

では今回の裏金疑惑はどうか。メールや音声が残っているかどうかは今後の捜査にかかっている。しかし任意の事情聴取を受けた会計関係者などが実態を語っているために、新たな事実が浮かび上がっている。

『朝日新聞』は12月21日に「参院選の年 全額還流か」「安倍派裏金 改選議員対象に」と書いた。これまで年1回のパーティーでノルマが課せられ、それを上回った売り上げは議員に裏金として還流されたことがわかっていた。

しかし参議院議員の改選議員には、売り上げすべてが裏金として渡されたというのだ。こうしたやり方は安倍派では慣例化されていたという。パーティー券は1枚が2万円だから100枚売れば200万円。売れば売るだけ裏金として選挙資金にできたのだ。安倍派から金額と現金が議員事務所に渡された。派閥の会計責任者は議員本人に電話で確認したともいう。それが政治資金収支報告書に記載されていないのだから「不記載」で、議員と秘書は共犯となる。

猪瀬直樹東京都知事が「徳洲会」グループから5000万円の現金を受け取っていたことが2014年に発覚した。議会で5000万円分の紙幣に見立てた紙袋をカバンに入れることを求められたがファスナーが閉まらず知事があぶら汗を流すシーンが生々しかった。じつはこのとき新しい同じカバンだったので入らなかったようだ。

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しかし闇献金の裏金疑惑だ。結局、猪瀬知事は公選法違反で辞任に追い込まれた。罰金は50万円だったが公民権停止5年。こんどの裏金疑惑も、議員が知っていて選挙資金を政治資金収支報告書に不記載だったならば、公選法違反に問われる。議員も立件される可能性が高いのだ。ただし裏金は収支報告書に記載されていない。どの政治団体に記載されていないのかをいかにして証明できるのか。

パーティー券の売り上げは銀行を通しているから、派閥の口座に集約されている。その流れを丁寧に追っていけば、どこかで消えているのだから、あとは会計責任者などの供述を重ねていくのだろう。私は安倍派幹部が派閥パーティのチケット購入を支援者に求める文書を持っている。その振り込み先は、議員の地元にある銀行だ。そこにいったん振り込ませて、そこから派閥事務所に振り込む。そこで「中抜き」が行われていた可能性があるという。東京地検特捜部は、こうした金の流れについても調べている。

23年夏に頓挫し、冬にも解散ができなかった岸田政権。このメルマガでも指摘したように、裏金問題が大きくならないうちに選挙に打って出ることも決断できなかった岸田総理は再選の可能性がきわめて低くなった。

24年3月末にも国会で予算を通過させ、そこで岸田退陣の計画が進みつつある。9月の総裁選を前倒しする。そこに石破茂議員と上川陽子外相を立候補させるというのだ。自民党の地方議員に支持されている石破議員に対して初めての女性総理をうたう上川議員の対決だ。どちらが選ばれてもそこで解散に打って出る。

いくら岸田政権の支持率が低くても、選挙はまた別次元だ。政治不信が高まれば、投票に行かず、投票率が下がることが常態化している。森喜朗政権が支持率16%のときに総選挙を行ったとき、前回の239議席に対して233議席を獲得した。有権者全体と投票者にはズレがあるのだ。

1988年から99年のリクルート事件で竹下登政権は退陣したが、あれから35年。細川政権と民主党政権と「非自民政権」はできたが、いまや再び自民党政権でスキャンダルが発覚した。疑惑の政治家が司法取引をしたとの情報が流れ、とくに安倍派議員のなかでは疑心暗鬼が広がっている。東京地検特捜部の捜査は年を跨いで続いていく。1月後半にはじまる通常国会までに大きな方向性は明らかになるだろう。国家権力である検察に「ガンバレ」ではなく、問われているのは有権者なのだ。

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ジャーナリスト、テレビコメンテーター。立憲民主党所属の元参議院議員(2期)。出版社に勤務後、フリージャーナリストとして「朝日ジャーナル」「週刊文春」など霊感商法批判、統一教会報道の記事を手掛ける。1995年から2007年まで、日本テレビ「ザ・ワイド」に12年間レギュラー出演。2010年には民主党から立候補、参議院議員となり、北朝鮮拉致問題、差別、ヘイトスピーチ問題などに取り組む。「北朝鮮 拉致問題 極秘文書から見える真実」(集英社新書)、「改訂新版 統一教会とは何か」(大月書店)など、著書多数。

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