マネーボイス:高騰が続くマンション価格…いま家が欲しい人はどう選ぶべきか?検討している不動産の“未来”を知る方法=俣野成敏氏2023年12月8日より転載します。
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都市部を中心に、マンション価格の高騰が続いています。高値がさらなる需要を呼び、もはや普通のサラリーマン家庭では、自宅を購入することが難しくなりつつあります。それでも自宅を購入したい人や、不動産購入を検討している人は、どういった点に注意を払えばいいのでしょうか?不動産のプロに購入時の注意点や、資産価値が落ちにくい物件を見つけるコツなどを聞きました。( 俣野成敏の『サラリーマンを「副業」にしよう』実践編 )
【関連】なぜ日本は「安い国」に成り下がったのか。安い物価のツケを低賃金で払い続けてきた私たち、インフレで総貧困化へ=俣野成敏
※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『サラリーマンを「副業」にしよう』実践編』2023年12月5日号の一部抜粋です。続編にご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:俣野成敏(またのなるとし)
リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。2012年独立。フランチャイズオーナーや投資家として活動。サラリーマン時代に副業で出版した『プロフェッショナルサラリーマン』でビジネス書作家デビュー。「仕事術」「お金」「コンディション」「副業」などテーマは多岐にわたり、異分野で10万部超えを3度達成。著者累計は49万部。これからは、サラリーマンでも副業やお金の知識向上が不可欠と実感し、啓蒙に尽力している。ビジネス誌やwebメディア掲載実績多数。『まぐまぐ大賞』を7年連続受賞。
夢のマイホームがさらに高嶺の花に
都市部を中心に、マンション価格の高騰が続いています。高値がさらなる需要を呼び、もはや普通のサラリーマン家庭では、自宅を購入することが難しくなりつつあります。
それでも自宅を購入したい人や、不動産購入を検討している人は、どういった点に注意を払えばいいのでしょうか?
本日は、国内不動産の専門家である丸山修平さんをゲストにお迎えしています。丸山さんに、不動産購入の際の注意点や、資産価値が落ちにくい物件を購入するコツなどについて、お伺いしてみたいと思います。
プロフィール:丸山修平(まるやましゅうへい)
新卒で物流企業に就職するも、会社が半年後に倒産。その後、父親の紹介で2500室の不動産物件を所有する不動産会社社長と面会し、不動産の将来性に目覚める。日本橋にある老舗不動産会社に勤務した後、26歳でMJトラスト株式会社を設立。事業用オフィスやホテルの売買仲介、マンションのリノベーション事業、物件管理業務などを事業とする。現在は、会社経営以外にビルオーナーや個人投資家などを対象に、不動産の総合コンサルティングも行う。投資初心者向けには、プロの投資家や資産家が実践している不動産投資法を指南する講座が好評を博している。
※本記事は、丸山さんへの取材をもとに、筆者(俣野)が適宜内容を補って執筆しています。
不動産の真の価値は、数十年後にわかる
当然ながら、不動産物件を購入する際は、「どこの物件を買うか?」が非常に重要になってきます。長年、不動産業界に携わる丸山さんですが、最近、改めてそのことを実感する出来事があったのだそうです。
丸山さんのお父様の世代は、日本の高度成長期に成人した方々です。当時は、経済の成長とともに、急激な人口増加に対応すべく、日本の至る所で新興住宅が建設された時代でもありました。
ところが、かつては活気に満ちていたニュータウンの多くが、今では人口流出に歯止めがかからない状態になっています。ニュータウンに物件を購入した人々が次々とリタイア時期を迎えても、成長した子供たちは家を出たまま戻らず、街が年老いていっているのです。
通常、子育てを終えた老夫婦は2人だけの生活に戻り、広くなった自宅の処分を考えるようになります。丸山さんのお父様のご親戚方も、売却を考え始めますが、この段になって、それぞれの自宅の価値の違いが鮮明になっていることに気づきました。
ある親戚の自宅は、幹線道路沿いの既存の住宅街にあって、依然、資産価値を保っていたのに対して、近くの山を切り開いて作った新興住宅街に住んでいる親戚の家は、思うように買い手が付かず、売るに売れない状態になっていたのです。
既存の住宅街は、交通のアクセスもよく、ショッピングセンターも近くにあるなど、利便性がいいため、若い世代も多く移り住んでいます。一方、新興住宅街には若い世代の流入がないため、街が徐々に寂れ、人口減でインフラがますます不便になるなど、負のスパイラルが進行していました。
このように同じ親戚同士でも、購入時のエリア選択のミスが、自宅を売却する時になって、大きな差を生んでいたのです。
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検討している不動産の“未来”を知る方法
先の事例は、数十年の時を経て、ようやく明らかになったことです。では、購入前に、その物件の将来がどうなるのかはわからないのでしょうか。
丸山さんは、「実のところ、ある程度の予測はつけることが可能」だとおっしゃいます。
こちらの物件をご覧ください。
新築一戸建てが4180万円だが…
上記は、首都圏沿線にある駅から徒歩11分の新築一戸建て物件の募集要項です。最新設備にカースペース2台分を備えるなど、一見、良さそうに見えます。
次に、こちらをご覧ください。
徒歩13分の中古物件がたったの350万円
同じエリア内にある、同程度の広さを持つ中古物件の募集要項です。希望売り出し価格は680万円でしたが、建物の価値は認められず、ほぼ土地だけが売買された形で、最終的に350万円での売却となりました。
丸山さんは、「不動産の真の価値を知る方法として、検討している物件の周囲にある中古物件や土地の価格を調べるのがコツ」だと言います。
中古物件の相場を確認したり、最終的な土地の底値がどれくらいになるのか、といったことを調べたりすることで、出ている売り出し価格が妥当なものかどうかを判断する目安がわかります。
「底値(土地代)が350万円になるのだとしたら、それでも購入するだろうか?」と思案することが、不動産購入において、負けない方法です。
丸山さん曰く、「他に見るべきポイントとしては、検討している物件が、若者が流入する要素があるエリアにあるかどうか。事例でもお話ししたように、需要がある地域の物件であれば、価値も落ちにくくなります。
それから建蔽率や容積率などといった、エリアの規制事項もチェックしておくといいでしょう。規制が人の流入を妨げている場合があるためです。
最近の例だと、人口減に悩む京都市が、高さ制限などの規制を一部緩和しています」。
Next: そもそもいま買うのは不利?気になる最近の「住宅ローン金利動向
気になる最近の「住宅ローン金利動向」
自宅購入時に、重要なのがローン金利です。
日銀が金利の正常化を目指していることから、すでに固定金利は上昇し始めていますが、逆に変動金利は下がっています。
出典:ダイヤモンド不動産研究所「住宅ローン金利(132行・1000商品)の金利推移・動向は?金利タイプ別の相場、選び方も解説【2023年12月最新版】」
最近になって、若者向けに50年住宅ローンも登場しています。
このような現象が起きている理由は簡単で、「高額物件であっても、低い金利であれば購入できる」「返済期間を延ばせば、月々の返済額を抑えられる」からに他なりません。
残念ながら今後、金利が上がることは既定路線になっています。固定金利の場合は、組んだ時点での金利が続きますが、変動金利の場合は、市場金利の影響を受けます。
金利が本格的に上昇を始めれば、不動産を購入できる人は少なくなるでしょう。業者側としては、先を見越して「その前に需要を先取りしておこう」というわけです。これが、変動金利が下がり続けている理由です。
丸山さんのお話によると、現在、住宅ローン審査の目安である年収倍率は、だいたいどの銀行も7倍が普通になっていると言います。
ところが、「全期間固定型のフラット35などであれば、年収倍率で最大10倍まで貸し出す金融機関もある」と言います。
たとえば年収700万円の人が、フラット35を利用して5000万円のローンを組んだとします。年収700万円の人の場合、ボーナスを考慮すると、月々の手取り収入はだいたい36万円から39万円ほどになるかと思います。
仮に、固定金利が1.3%だった場合、ローンの返済だけで月額14万8000円ほどかかります。さらに固定資産税、管理費や修繕積立金、車があれば駐車場代と費用がかさみ、住居費だけで月に20万円前後の支払いをすることになります。
住居費だけで、月収の半分以上が消えていくとなれば、生活が立ちいかなくなるのは、火を見るよりも明らかでしょう。
一般に、住居費は手取り収入の3割以下が望ましいとされています。先々のことを考えた場合、あらかじめ予算を決め、その範囲内でベストな選択をしていくことが大切です。
くれぐれも「借りられる金額が、返せる金額ではない」ということを、肝に銘じていただきたいと思います。
満足のいく物件選びには、選択肢を広げて考えることが重要
これだけ不動産が値上がりしていては、「買いたくても買えない」というのが、多くの人の心理ではないかと思います。
そこで、中古物件も視野に入れるというのが、選択肢の1つになってきます。新築が高騰している中で、中古に流れる人も増えていることから、物件自体の数が減り、値段も上がってはいますが、それでも新築に比べれば、まだ手が届きやすいでしょう。
どのような中古物件が狙い目なのか――
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※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部
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