カラパイア:地球最古の氷を求めて、南極の地下奥深くにカメラが潜入 2023年01月09日より転載します。
 
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https://karapaia.com/archives/52319188.html
 
地球最古の氷を調査するため南極の地下にカメラが潜入

 地球最古の氷を求めて、南極の氷にボーリングで穴を開けてボアホールを作り、そこにカメラが潜入する様子をとらえた映像が公開された。

 ぎゅーんという轟音と共にカメラが地下93メートルまで急降下する様子は、まるで過去へタイムスリップしているかのようだ。実際、収集された氷のサンプルは2百万年以上前のものと推定されている。


Camera sent underground to uncover Earth's oldest ice


南極最古の氷採取ミッション「COLDEX」

 この映像は、オレゴン州立大学の研究者が率いる南極最古の氷採取ミッション「COLDEX(Center for Old Ice Exploration)」の一環として、12月23日に東南極のアラン・ヒルズで撮影されたものだ。

 ここは2019~2020年の調査で、200万~300万年前の「ブルーアイス」が発見されたところである。

 ブルーアイスは反射される光の影響で本当に青く見える氷で、古い氷が氷河の流れによって地上へと押し上げられている地域のそばにある。


南極のブルーアイスエリア

 今回の研究は、「南極の氷床が温室効果ガスの増加にどのくらい敏感か?」「氷が気温の上昇に対してどのように反応するのか」など、地球の気候の歴史や今後を知る手がかりになるとのことだ。


最古の氷は地球に関する様々な情報を持っている

 氷に開ける穴は小さなものだが、その捜索範囲は広大だ。

 レーダーとGPSである程度の候補地を絞ることはできるが、それでも東南極の氷床はアメリカ大陸とほぼ同じ広さがある。

 その難しさは、この5年間のミッションが「干し草の山から1本の針を探すようなもの」と喩えられるほど。そのため最初の捜索範囲はドイツの半分ほど面積に限定されている。
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 今回カメラは、地下 93 メートルのボアホールの内部の様子を撮影した。この地点の氷は約200万年前に形成されたと考えられている。

 氷河学者のピーター・ネフ氏は、「氷が厚さ3.2kmまでずっと続いている完璧な場所を探しています」と語っている。

 氷の中には大昔に閉じ込められた塵や気泡などが残されており、過去空気中にどれくらいの二酸化炭素があったのかなど、地球の気候についての情報を得ることができる。
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もっと深く、更に過去まで

 20年前に東南極で行われた同様の調査のおかげで、80万年前の気候と二酸化炭素量ならすでに推測することができる。

 だが今回の調査によって、それよりもさらに過去へとさかのぼれるようになるだろう。

 COLDEXを指揮するエドワード・ブルック氏は、「気候変動に関する氷床コアの記録をできる限りさかのぼることが目的」と語る。

 「300万年、400万年、さらにはもっと昔までさかのぼれれば、きわめて重要なものになるでしょう」

References:Oregon State University-led effort to find Earth’s oldest ice begins this month in Antarctica | Oregon State University / Camera plunges down Antarctica borehole to reveal Earth's 'oldest ice' | Climate News | Sky News / Watch A Camera Drop Into A Hole Beneath Antarctica In Search Of Earth's Oldest Ice | IFLScience / written by hiroching / edited by / parumo




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