カラパイア:ハヤブサの頭を切り落として埋葬。伝説の民族「ブレムミュアエ」の儀式の跡がエジプトの神殿で発見される2022年10月11日より転載します。
貼り付け開始、
https://karapaia.com/archives/52316769.html
![首無し民族「ブレムミュアエ」の寺院を発見](https://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/d/4/d49ac693.jpg)
エジプト東部の砂漠に存在する古代の港「ベレニケ」で、伝説の民族「ブレムミュアエ」が儀式を行ったとされる神殿が発見されたそうだ。
この神殿では、ほとんどが首を切断された15羽のハヤブサが発見されており、エジプト人の文化とブレムミュアエの文化が混ざった宗教的儀式が行われていただろうことが判明している。
今回の調査は、国際的な発掘チームによって2019年1月から行われていたもので、その結果がこのほど『American Journal of Archaeology』(2022年10月付)で発表された。
紅海の西岸に位置するエジプトの古代の港「ベレニケ(Berenike)」はもともと、紀元前285~前246年にエジプトを統治した「プトレマイオス2世ピラデルポス」が築いた港だった。
だがローマ時代や東ローマ帝国時代になっても健在で、ホーン岬、アラビア、インドからやってくる貿易船の主な玄関口として機能した。
今回発掘が進められたのは、ベレニケでもっとも重要な施設だったとされる「ノーザン・コンプレックス(Northern Complex)」にある神殿だ。
「ハヤブサの神殿(Falcon Shrine)」と呼ばれるその神殿は、ローマ時代後期(4世紀から6世紀)のもので、今回の調査で発掘された記録によると、その当時「ブレムミュアエ」と呼ばれる民族が港の一部を支配していたようだ。
ブレムミュアエは、ヌビア地方(エジプト南部からスーダンにかけての地域)の遊牧民で、エジプト東部の砂漠地帯に勢力を伸ばしていた。
ブレムミュアエについて最初の言及は、紀元前7世紀のスーダンの遺跡で発掘された碑文にあるが、ローマ時代になると地理学者ポンポニウス・メラや政治家の大プリニウスが、「頭がなく胸に顔がある怪物」として紹介している。
16世紀に描かれたブレムミュアエのイメージ図
今回調査された神殿は、伝統的なエジプトの様式だが、4世紀以降ブレムミュアエによって彼らの信仰に取り込まれた形跡があるという。
神殿からは、銛、 立方体の像、宗教に関連する石碑といった供物が発見されている。
立方体の像と他の供物を前に置いた台座 / image credit:Oller Guzman et al., 2022, American Journal of Archaeology
だが、もっとも注目されているのは、15羽ものハヤブサの遺体だ。なんと、そのほとんどは首がないのだ。
ナイル川流域ではハヤブサが崇拝されており、ほかの遺跡で頭のないハヤブサのミイラが発見されたことはある。
だが、それは1羽だけで、ハヤブサの神殿のように複数の死骸が発見されたのは前代未聞だ。
また面白いことに、「ここで頭を煮るべからず」という奇妙な碑文が刻まれた石碑も見つかっている。
一般的に、こうしたところにある碑文は奉納や感謝を表現するものだ。だがハヤブサの神殿のものは、不敬な行為であるとして動物の頭を煮ることを禁止するメッセージだ。
発掘チームのホアン・オジェル・グスマン氏(バルセロナ自治大学)によると、これらはエジプトとブレムミュアエの伝統が組み合わさった儀式が行われていたことを示しており、おそらく「コンス神」(ハヤブサの頭をしたエジプトの神)を祀っていたという。
今回の発見は、「ローマ帝国の衰退期に砂漠の東部に住んでいた半遊牧民ブレムミュアエについて理解を深めることができる」とのことだ。
References:Shrine discovered in Egyptian temple with evidence of previously unknown rituals / written by hiroching / edited by / parumo
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貼り付け終わり、
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![首無し民族「ブレムミュアエ」の寺院を発見](https://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/d/4/d49ac693.jpg)
エジプト東部の砂漠に存在する古代の港「ベレニケ」で、伝説の民族「ブレムミュアエ」が儀式を行ったとされる神殿が発見されたそうだ。
この神殿では、ほとんどが首を切断された15羽のハヤブサが発見されており、エジプト人の文化とブレムミュアエの文化が混ざった宗教的儀式が行われていただろうことが判明している。
今回の調査は、国際的な発掘チームによって2019年1月から行われていたもので、その結果がこのほど『American Journal of Archaeology』(2022年10月付)で発表された。
伝説の民族「ブレムミュアエ」
紅海の西岸に位置するエジプトの古代の港「ベレニケ(Berenike)」はもともと、紀元前285~前246年にエジプトを統治した「プトレマイオス2世ピラデルポス」が築いた港だった。
だがローマ時代や東ローマ帝国時代になっても健在で、ホーン岬、アラビア、インドからやってくる貿易船の主な玄関口として機能した。
今回発掘が進められたのは、ベレニケでもっとも重要な施設だったとされる「ノーザン・コンプレックス(Northern Complex)」にある神殿だ。
「ハヤブサの神殿(Falcon Shrine)」と呼ばれるその神殿は、ローマ時代後期(4世紀から6世紀)のもので、今回の調査で発掘された記録によると、その当時「ブレムミュアエ」と呼ばれる民族が港の一部を支配していたようだ。
ブレムミュアエは、ヌビア地方(エジプト南部からスーダンにかけての地域)の遊牧民で、エジプト東部の砂漠地帯に勢力を伸ばしていた。
ブレムミュアエについて最初の言及は、紀元前7世紀のスーダンの遺跡で発掘された碑文にあるが、ローマ時代になると地理学者ポンポニウス・メラや政治家の大プリニウスが、「頭がなく胸に顔がある怪物」として紹介している。
![no title](https://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/6/b/6bdfc5ea.jpg)
ハヤブサの神を祀る神殿
今回調査された神殿は、伝統的なエジプトの様式だが、4世紀以降ブレムミュアエによって彼らの信仰に取り込まれた形跡があるという。
神殿からは、銛、 立方体の像、宗教に関連する石碑といった供物が発見されている。
![images_large_fg11_e](https://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/b/3/b3bf4c31.jpg)
だが、もっとも注目されているのは、15羽ものハヤブサの遺体だ。なんと、そのほとんどは首がないのだ。
ナイル川流域ではハヤブサが崇拝されており、ほかの遺跡で頭のないハヤブサのミイラが発見されたことはある。
だが、それは1羽だけで、ハヤブサの神殿のように複数の死骸が発見されたのは前代未聞だ。
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一般的に、こうしたところにある碑文は奉納や感謝を表現するものだ。だがハヤブサの神殿のものは、不敬な行為であるとして動物の頭を煮ることを禁止するメッセージだ。
発掘チームのホアン・オジェル・グスマン氏(バルセロナ自治大学)によると、これらはエジプトとブレムミュアエの伝統が組み合わさった儀式が行われていたことを示しており、おそらく「コンス神」(ハヤブサの頭をしたエジプトの神)を祀っていたという。
![iStock-1406763980](https://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/f/c/fc5d3f10.jpg)
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今回の発見は、「ローマ帝国の衰退期に砂漠の東部に住んでいた半遊牧民ブレムミュアエについて理解を深めることができる」とのことだ。
References:Shrine discovered in Egyptian temple with evidence of previously unknown rituals / written by hiroching / edited by / parumo
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