カラパイア;8年間何も食べずに繁殖し、27年間生き続けるダニが存在する 2022年03月17日より転載します。

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https://karapaia.com/archives/52310993.html
 
8年絶食し、27年間生きられるダニ
 現在、地球史上「6度目の大量絶滅」がすでに始まっていると考える研究者もいるが、このダニなら、大量絶滅後も生きのびられるかもしれない。

 『Medical Entomology』誌に掲載された研究によると、アフリカに生息するダニの仲間「Argas brumpti」は、8年間も絶食状態でも死ぬことなく、仲間の最後のオスが死んでずいぶんたってから卵を産み、27年間も生き続けることができるという。


生物学者のダニ観察で分かった脅威の生命力


 1976年、ニューヨーク州ビンガムトン大学の生物学者、ジュリアン・シェパード准教授は、アフリカ産のダニ「Argas brumpti」のオスとメスを数匹プレゼントされ、自分の研究室で飼育し観察を始めた。そして驚くべきことが分かった。

 「最後のオスが死んでしまってから少なくとも4年、合計8年間もエサがない状態でもメスは生き続け、しかも卵を産んだ」論文の抜粋にはこうある。
卵から孵った子どもたちはオスもメスもかなりの数になり、中には27年生き続けたものもある。

このダニの長寿は、あらゆるダニの仲間の中でも最高記録だ。オスがいなくなってかなり時間がたってから産卵したのは、生存可能な精子がメスの体内で長期間温存されていたせいだと思われるが、ダニとしては記録的だ
 Argas brumptiのメスの体長は20ミリほど。このダニの種は、病気を引き起こしたり病原体を運んだりはしないが、噛まれると長期に渡る痛みを伴うことがある。
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オスは絶食4年間、メスは8年間生き続け繁殖も


 シェパード氏は、成体のメス6匹とオス4匹、幼体3匹をもらい受け、ガラス瓶に入れ、一定の温度(21度)と湿度(81%)を維持しながら、ウサギやマウス、ラットに寄生させてエサを与えた。

 マウスの血を抜いて与えたりもしたが、1984年にはこれら動物を使うのをやめた。つまりダニにとってエサがなくなったことになる。

 最後のオスが死んだのは、絶食が始まって4年後の1988年。だが、メス3匹はその後4年間、1992年まで全く餌を食べずに生き残った。

 シェパード氏が再びエサを与え始めると、メスの一匹が卵を産み、生まれたオスやメスは今でも生きている。第一世代のメスのダニたちは2003年まで生き残った。27年間生きたことになる。

 2021年12月、シェパード氏は45年間これらのダニを観察して、今回の発見を発表した。
生物の環境への適応力にはいつも本当に感心させられます。今回の場合、長い間、水が得られないような乾燥した環境で、宿主になる動物と出会うまで非常に長い間、エサなしの状態で我慢していなくてはならない生活だったはずです
 普通のダニの仲間と違って、Argas brumptiは柔らかい革のような皮膚をもっている。ほかのダニよりも、エサを食べるのが早く、その頻度も多いが、 あまり肥大化しない。
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image credit:Harry Hoogstraal, 1956, public domain


 現在シェパード氏は、南アフリカにこのダニを送り、さらに観察を進めている。

 今後は、このダニがどうやって水やエネルギーを効率的に節約しているのかに焦点を当てた研究が期待できる。
生物がこうした試練にどのように対処していくのかを研究することは、私たち人間を含むほかの生物が、似たような試練に直面したとき、どうやって対処していくのかを考えるのを助けてくれるかもしれません(シェパード氏)
 不死伝説を誇る地球上最強のクマムシ先輩に弟子ができた感じかな。

References:Ticks survive for 27 years in entomologist’s | EurekAlert! / Keep on Ticking: Entomologist Tells of Ticks' 27-Year Lifespan / written by konohazuku / edited by parumo
 
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