■生きた細胞を印刷して「コンピューティング可能な紙」を製造することに成功 | タマちゃんの暇つぶし

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Gigazine:2021年03月22日 12時35分生きた細胞を印刷して「コンピューティング可能な紙」を製造することに成功より転載します。
 
貼り付け開始、

https://gigazine.net/news/20210322-biological-device-paper/

by Universitat Pompeu Fabra

「生きた細胞を使ったバイオコンピューター」というと、実験室内に設置された水槽や大がかりな設備の中で培養された繊細な細胞をイメージする人も少なくないはず。スペインのバルセロナにあるポンペウ・ファブラ大学の研究チームが新たに発表した「紙に細胞をプリントするデバイス」は、生きた細胞と栄養素を紙の中に注入することで製造され、実験室外の環境でも安定して動作する上にコストも低いので、正確な病気の診断や環境モニタリングが簡単に行えるようになると期待されています。

2D printed multicellular devices performing digital and analogue computation | Nature Communications
https://www.nature.com/articles/s41467-021-21967-x

Universitat Pompeu Fabra (UPF)
https://www.upf.edu/es/inicio/-/asset_publisher/1fBlrmbP2HNv/content/id/244244834/maximized

Researchers design a biological device capable of computing by printing cells on paper
https://phys.org/news/2021-03-biological-device-capable-cells-paper.html

技術の発達により、スマートフォンやタブレットなど高度で多機能なデバイスが身近になりましたが、病気の兆候を示すバイオマーカーで気軽に自分の健康状態を調べる技術の普及には至っていません。バイオマーカーを検出するデバイスとしては、生きた細胞を用いたバイオコンピューターが開発されていますが、従来のバイオコンピューターには「実験室内で整えられた特定の条件と専門的な知識が必要」という課題がありました。

スペインのバルセロナにあるポンペウ・ファブラ大学が今回発表したデバイスは、さまざまな種類の生きた細胞と栄養分をインク代わりに紙に印刷するバイオコンピューターです。紙の中に封入された細胞は、紙の中で成長してある種の電子回路と同じ構造を形成し、バイオマーカーを検出して信号を発することが可能です。また、紙に印刷されるため取り回しが容易で、コストも非常に低く抑えられているとのことです。


論文の筆頭著者であるSira Mogas-Díez氏は、紙に印刷可能なバイオコンピューターを「拡張性のあるモデルを設計したかったので、Tシャツに絵をプリントするようにして製造できるシステムを採用しようと考えました。私たちが開発したデバイスは、細胞用インクを染みこませることで細胞を沈着させ、任意の形状を作るというものです。これにより、従来のバイオコンピューターとは違って、一般的な冷蔵庫で保管したり冷凍庫で長期保存したりすることができるようになりました」と説明しています。

また、論文の共著者のJavier Macía氏は「これは生きた細胞とそれを支える紙をハードウェアとし、細胞を配置する構造をソフトウェアとするコンピューターです」と述べました。

Mogas-Díez氏らの研究チームは既に、この技術を用いて有害物質である水銀を検出するセンサーや汚染水に含まれるコレラ菌を検出するバイオセンサーを開発しています。コレラ菌が引き起こす水質汚染は、研究設備や専門家が少ない発展途上国でよく問題になるため、安価に大量生産可能で取り扱いも簡単なバイオコンピューターの活躍が特に期待できると、研究チームは述べています。


また、研究チームが開発したバイオコンピューターを使うと、子癇前症と呼ばれる妊娠合併症のリスクの測定も可能とのこと。子癇前症の特定には、さまざまなバイオマーカーをターゲットにした複雑な検査が必要ですが、適切に細胞が配置されたバイオコンピューターであれば複雑な検査が不要になります。

マシア氏は「課題はまだたくさん残っていますが、初期の研究結果により、生体デバイスが普通に市販され、利用されうるという見込みが示されています」とコメントして、実用化への期待をのぞかせました。
 

 
 

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