■人類は親指が器用に動かせるようになる前から道具を使いこなしていた可能性(独研究) | タマちゃんの暇つぶし

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カラパイア:親指と人類の進化の関係。人類は親指が器用に動かせるようになる前から道具を使いこなしていた可能性(独研究) 2021年02月02日より転載します。
 
貼り付け開始、

https://karapaia.com/archives/52298903.html
 

 

親指と人類の進化の関係
親指と人類の進化の関係 / Pixabay

 我々人類の親指はほかの指と合わせるように動かす(対置)ことができる。

 これは手先を器用に操るためにはとても重要なことだ。親指のそうした進化と石器の発明には密接なつながりがあるとされ、これがなければ人類が今のように繁栄することはなかっただろうと考える学者もいるほどだ。

 だが、もしかしたら対置できる親指と道具の発明は、それほど関係がないのかもしれない。というのも、この便利な親指を獲得する以前から、祖先が道具を使っていたらしき証拠が見つかっているからだ。
 
 

最初に道具を使った猿人はチンパンジーの親指に近かった

 アフリカ大陸で700万年前に誕生し、130万年前まで生息していたと考えられる「猿人」(アウストラロピテクス属など、初期の人類とされる)、彼らには200万~300万年前に道具を使った間接的な証拠が残っており、おそらくは道具を使った最初の人類だろうと近年考えられるようになっている。

 だが『Current Biology』(1月28日付)に掲載された新しい研究によるなら、その親指は私たちよりもチンパンジーのそれに近かったらしいのだ。

 猿人はその祖先よりは手先が器用だったようだ。たとえば、手の比率は現代人のそれに似ている。しかし親指を見てみると、私たちほど上手には合わせることができない構造をしているのだという。

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アウストラロピテクス・セディバの手の化石 image by:Peter Schmid

 独エバーハルト・カール大学テュービンゲンの古人類学者カテリーナ・ハルヴァティ氏らは、手を構成する「母指対立筋」と「菱形中手骨関節」に着目した。この筋肉と関節は、親指を対置させるために欠かせないパーツだ。

 さまざまな人類の化石をもとに、筋肉と関節の位置と動く経路、それが付着している部位を最新の3D仮想筋肉モデリングを使って比較。すると現代人やネアンデルタール人などのヒト属は、どの仲間も手先の器用さが似たようなレベルであることが分かった。

 ところが、道具を使ったとされる猿人は、どの仲間であっても親指の効率と器用さがおしなべて低かったのだ。もっとも最近の猿人であるセディバ猿人ですら、菱形中手骨関節の屈曲が悪かったという。

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現代人とチンパンジーの親指の筋肉の違い。上がチンパンジー、下が現代人のもの
image by:Harvati, Karakostis and Haeufle
 

現代人とチンパンジーの中間の手を持つ猿人

 なお南アフリカ、スワルトクランスの洞窟で発見された「パラントロプス・ロブストス」という猿人の手は、ほかの猿人よりも私たちのものにずっとよく似ていたそうだ。

 その親指は、チンパンジーと現代人の中間くらいの作りをしており、親指の器用さは現代人と同じくらいだったらしい。

 パラントロプス・ロブストスは火を利用し、大型動物を狙いはじめた最初の人類だとされているが、それができたのは手先の器用さゆえだったのかもしれない。

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パラントロプス・ロブストスの化石 image by:Didier Descouens / WIKI commons
 

器用な親指を手に入れる前に道具を使っていた可能性

 研究グループの見解では、このような変化が重要な進化上の利点をもたらし、その後200万年かけて続いた生物的・文化的な発達につながった可能性があるという。

 だが、パラントロプス・ロブストスが器用な親指を手に入れる前に、初期人類はすでに道具を手にして、アフリカの大地で忙しく働いていたようだ。

 研究グループは今後、さらに詳細に手の構造を調べ、私たちの親指の歴史について掘り下げる予定であるそうだ。

References:Current Biology / smithsonianmag/ written by hiroching / edited by parumo


 
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