カラパイア:2020年に深海で発見された驚くべき7つのもの。奇妙な生物から巨大氷河の底まで続々登場 2020年12月28日より転載します。
貼り付け開始、
http://karapaia.com/archives/52297786.html
新型コロナの世界的な大流行のせいで、2020年はいくつもの海底探査がキャンセルの憂き目にあった。それでも最新のロボット式潜水ビークルのおかげで、様々な発見が報告されている。
火星にまで到達しようとしている人類であるが、海の奥深くに広がる深海世界は、ほんの触り程度にしか調査が進んでいない。なにせ、海底や海溝に比べれば、火星の地表のマッピングの方がマシであるくらいなのだ。
そんな私たちが暮らすこの惑星にありながら、謎と神秘のヴェールに包まれたままの深海で今年なされた驚きの発見を紹介しよう。
7月に報告されたこの生物は、まるでタコ型の火星人のような姿だ。リモートコントロールの潜水ビークルが、太平洋の深度2000メートルの海底に広がる「奇妙なものの森」を調べているときに遭遇。海綿動物の仲間で、つけられた学名が「Advhena magnifica」壮麗なエイリアンという意味だ。
高解像度の映像を入念に調査した結果、新種かつ新属と認定された透明な風船のようなクシクラゲの仲間。
「Duobrachium sparksae」が撮影されたのは2015年、プエルトリコから40キロの沖合、3900メートルの深海においてだ。鮮明な映像による調査は、サンプルを回収して生態系を傷めてしまうことなくできるので、今後重要な手段になるだろうとのことだ。
2018年に太平洋の3000メートルの深海で撮影され、今年になって公開された画像。
ハワイとメキシコの間に横たわるクラリオン・クリッパートン断裂帯にそびえる山に、サバを入れた餌箱を置いてみたところ、「ホラアナゴ」がウヨウヨと群がってきた。食べるものが乏しく、まばらにしか生物が生息しない深海にこれほどの大群がいたのだ。
10月、世界最大のサンゴ礁地帯グレート・バリア・リーフの海底をマッピングしていた研究グループによって、超高層ビルのような岩礁が発見された。その高さは500メートル。
日本で一番高い超高層ビル、あべのハルカスが300メートルなので、これよりずっと高い。なおグレート・バリア・リーフと切り離されている岩礁が発見されたのは120年ぶりのことだそうだ。
6月に公開された写真(撮影は2019年)には、巨大イカがサメと戦った証拠が写っている。それはサメの皮膚にくっきりと残されている吸盤の跡だ。
頭足類の専門家によると、背びれのあたりに並ぶ円形のマークは、巨大なイカによるものとしか考えられないとのこと。ただし、そのイカがあのダイオウイカであるかどうかまでははっきりしない。
今年、Ocean Xの「OceanXplorer」が就航。深海用の有人潜水艦、リモコン操作式の潜水ドローン、自動潜水ドローンが搭載されている新型調査船だ。その最初のミッションの1つが紅海でのサンゴ礁調査で、そのときの様子が動画で公開されている。
近年では、世界的なサンゴ礁の白化現象が問題になっている。これは海水温の上昇によってサンゴと共生している褐虫藻がいなくなることが原因で、こうなると褐虫藻による光合成の恩恵を受られず、サンゴは死んでしまう。
ところが暖かいはずの紅海では、なぜだかサンゴが元気に繁殖している。いわばスーパーサンゴ礁だ。その謎を解明することがミッションの目的だった。
2020年1月、南極にあるスウェイツ氷河に700メートルの深い穴が開けられた。その目的は「ICEFIN」というシリンダー状のロボットを潜らせ、氷河が海底に接している部分を撮影することだ。
スウェイツ氷河は米フロリダ州ほどもある巨大なものなのだが、温暖化の影響で不安定になっており、もし海に崩落してしまえば、海面の高さを上昇させてしまう恐れがあると指摘されている。
接地帯はちょうど栓のようなもので、氷河が滑らないように支えている。現時点ではまだ氷河は支えられているが、それでもこの接地帯は年に1.6キロとかなりのスピードで後退しており、予断を許さない状況だ。
References:The deep sea discoveries of 2020 are stunning/ written by hiroching / edited by parumo あわせて読みたい
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海の深淵に潜んでいた新種の巨大単細胞生物が4種発見される(太平洋)
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深海のベンタブラック、光を99.5%以上吸収してしまう暗黒ステルスを身につけた魚たち
モントレー水族館研究所が「深海の音」をYOUTUBEでライブ配信中!
貼り付け終わり、
http://karapaia.com/archives/52297786.html
● / Pixabay
新型コロナの世界的な大流行のせいで、2020年はいくつもの海底探査がキャンセルの憂き目にあった。それでも最新のロボット式潜水ビークルのおかげで、様々な発見が報告されている。
火星にまで到達しようとしている人類であるが、海の奥深くに広がる深海世界は、ほんの触り程度にしか調査が進んでいない。なにせ、海底や海溝に比べれば、火星の地表のマッピングの方がマシであるくらいなのだ。
そんな私たちが暮らすこの惑星にありながら、謎と神秘のヴェールに包まれたままの深海で今年なされた驚きの発見を紹介しよう。
1. エイリアンのような新種の海綿動物
image by:NOAA Office of Ocean Exploration and Research
7月に報告されたこの生物は、まるでタコ型の火星人のような姿だ。リモートコントロールの潜水ビークルが、太平洋の深度2000メートルの海底に広がる「奇妙なものの森」を調べているときに遭遇。海綿動物の仲間で、つけられた学名が「Advhena magnifica」壮麗なエイリアンという意味だ。
2. 風船のような新種のクシクラゲの仲間
image by:NOAA Office of Ocean Exploration and Research
高解像度の映像を入念に調査した結果、新種かつ新属と認定された透明な風船のようなクシクラゲの仲間。
「Duobrachium sparksae」が撮影されたのは2015年、プエルトリコから40キロの沖合、3900メートルの深海においてだ。鮮明な映像による調査は、サンプルを回収して生態系を傷めてしまうことなくできるので、今後重要な手段になるだろうとのことだ。
3. 深海でアナゴの大群
image by:: Deep Sea Fish Ecology Lab / Astrid Leitner and Jeff Drazen / Department of Oceanography / SOEST University of Hawaii Manoa / DeepCCZ expedition
2018年に太平洋の3000メートルの深海で撮影され、今年になって公開された画像。
ハワイとメキシコの間に横たわるクラリオン・クリッパートン断裂帯にそびえる山に、サバを入れた餌箱を置いてみたところ、「ホラアナゴ」がウヨウヨと群がってきた。食べるものが乏しく、まばらにしか生物が生息しない深海にこれほどの大群がいたのだ。
4. 超高層ビルより高い岩礁を発見
image by:Schmidt Ocean Institute
10月、世界最大のサンゴ礁地帯グレート・バリア・リーフの海底をマッピングしていた研究グループによって、超高層ビルのような岩礁が発見された。その高さは500メートル。
日本で一番高い超高層ビル、あべのハルカスが300メートルなので、これよりずっと高い。なおグレート・バリア・リーフと切り離されている岩礁が発見されたのは120年ぶりのことだそうだ。
5. サメと巨大イカの戦いの爪痕
image by:DERON VERBECK
6月に公開された写真(撮影は2019年)には、巨大イカがサメと戦った証拠が写っている。それはサメの皮膚にくっきりと残されている吸盤の跡だ。
image by:DERON VERBECK
頭足類の専門家によると、背びれのあたりに並ぶ円形のマークは、巨大なイカによるものとしか考えられないとのこと。ただし、そのイカがあのダイオウイカであるかどうかまでははっきりしない。
6. 紅海のスーパーサンゴ礁
Will These Corals Help Us Save the World's Reefs?
今年、Ocean Xの「OceanXplorer」が就航。深海用の有人潜水艦、リモコン操作式の潜水ドローン、自動潜水ドローンが搭載されている新型調査船だ。その最初のミッションの1つが紅海でのサンゴ礁調査で、そのときの様子が動画で公開されている。
近年では、世界的なサンゴ礁の白化現象が問題になっている。これは海水温の上昇によってサンゴと共生している褐虫藻がいなくなることが原因で、こうなると褐虫藻による光合成の恩恵を受られず、サンゴは死んでしまう。
ところが暖かいはずの紅海では、なぜだかサンゴが元気に繁殖している。いわばスーパーサンゴ礁だ。その謎を解明することがミッションの目的だった。
7. 巨大氷河の底
image by:BRITISH ANTARCTIC SURVEY
2020年1月、南極にあるスウェイツ氷河に700メートルの深い穴が開けられた。その目的は「ICEFIN」というシリンダー状のロボットを潜らせ、氷河が海底に接している部分を撮影することだ。
スウェイツ氷河は米フロリダ州ほどもある巨大なものなのだが、温暖化の影響で不安定になっており、もし海に崩落してしまえば、海面の高さを上昇させてしまう恐れがあると指摘されている。
接地帯はちょうど栓のようなもので、氷河が滑らないように支えている。現時点ではまだ氷河は支えられているが、それでもこの接地帯は年に1.6キロとかなりのスピードで後退しており、予断を許さない状況だ。
References:The deep sea discoveries of 2020 are stunning/ written by hiroching / edited by parumo あわせて読みたい
驚くほどピンク!世界で唯一の個体かもしれない、ピンク色のマンタの生息が確認される(オーストラリア)
海の深淵に潜んでいた新種の巨大単細胞生物が4種発見される(太平洋)
E.T.が深海にいた?不思議な形の新種の深海生物が発見される(米海洋大気庁)
深海のベンタブラック、光を99.5%以上吸収してしまう暗黒ステルスを身につけた魚たち
モントレー水族館研究所が「深海の音」をYOUTUBEでライブ配信中!
貼り付け終わり、