■地球の鼓動…やはり地球自体が生きている!? | タマちゃんの暇つぶし

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トカナ:海底には「愛の波」が漂っていた! 地球の鼓動=謎の「ラブ波」研究に進展…やはり地球自体が生きている!? 2020.11.23 12:00より転載します。
 
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https://tocana.jp/2020/11/post_185207_entry.html
 

 地球の海底から“愛に満ちた波動”が発せられている――。我々の地球は脈打ち、鼓動しているかもしれないというのだ。


■謎の表面波“ラブ波”の発生源は?

 どんなに強い地震が起きても振動さえ伝わってこなければ大きな被害には至らないような気もするが、そうは問屋が卸さない。地球の表面に沿って伝播する「表面波」によって、大地震は広い範囲に影響を及ぼす。そして地震だけではなく、火山活動や嵐によっても表面波は引き起こされ、地球の表面を複雑な“波風”で覆っている。

 たとえば、嵐が海をかき乱すと、風に吹かれてできた波が独特の方法で相互作用し、海底にピストンのように打ち付ける圧力を生み出し、地球を介して世界の隅々まで波打つ微妙な脈動を生成しているという。

 地震波と海洋嵐の関係は学者たちの間でこの数十年の難題(conundrum)といわれているのだが、米・スタンフォード大学の地球物理学者であるルチア・グアルティエーリ助教授のチームはこの謎に挑む研究を2020年9月に「Proceedings of the National Academy of Sciences」で発表している。


「Phys.org」の記事より

 地震によって引き起こされる海面の表面波はきわめてありふれた現象であり、しかも混沌としているため、地震学者は長い間、これを無視し続けてきたという。


 しかし過去15年間で、グアルティエーリ助教授らの研究チームは、このノイズの多いデータから意味を抽出する方法を発見した。波のペアが1つの地震観測所から別の地震観測所にどれだけ速く移動するかを分析することによって、これまでノイズ扱いされていたデータを収集し始めたのだ。

 表面波にはレイリー波(Rayleigh wave)とラブ波(Love wave)の2種類があるのだが、科学者たちは何十年もの間、レイリー波が海洋嵐の脈動の垂直の動きのメイン要因であると理解してきた。しかし、これまでの理論では説明できない、海洋嵐の間に記録された別の一連の振動があるという。これがラブ波である。ラブ波は地下の岩の粒子を左右に揺らしているのだ。

「これらの波(ラブ波)はまったくもってそこにあるべきではありません。彼らがどこから来たのかわかりませんでした」(グアルティエーリ助教授)

 1911年にイギリスの数学者・物理学者オーガストゥス・ラブによって理論的に証明され、その名にちなんで命名されたラブ波ははたしてどこからやってくる表面波なのか。


■海のラブ波はどうやって生み出されるのか

 科学者は2つのもっともらしい説明を提示している。1つのアイデアは、衝突する海の波から押し下げられる垂直方向の力が海底の斜面に遭遇すると、レイリーとラブという2つの異なるタイプの表面波に分割されるという説だ。「その場合、同じ場所ではないにしても、ラブ波の発生源はレイリー波の発生源に非常に近いでしょう」とグアルティエーリ助教授は語る。

 プリンストン大学の地質学者と共同執筆したグアルティエーリ助教授の研究によれば、海底のスロープと傾斜は地震記録計が拾うラブ波を生み出すのに十分なほど急ではないという。そして11月9日に公開された彼らの研究結果は、ラブ波が地球自体から発生しているという、もう1つの理論を支持しているのだ。

「地震がどのようにラブ波を生み出すかは説明されていますが、海の波がどのようにラブ波を生み出すのかが正確に説明されたことは一度もありません。海で生成されたラブ波が50年以上観察されているのに、これは少し恥ずかしいことです」と、ユタ大学の地質学者で地球物理学者のキース・コペル教授は指摘する。そしてグアルティエーリ助教授の研究は、地球でこの特定の種類の振動がどのように生成されるかについて「決定的な証拠を提供する」と言及しているのだ。


画像は「Unsplash」より


■「ラブ波を生み出すのは地球それ自身」

 グアルティエーリ助教授らの研究チームは、オークリッジ国立研究所のスーパーコンピュータ「サミット(Summit)」を使って3時間のうちの海洋嵐、海の表面波、地球の地殻同士の複雑な相互作用をシミュレートした。そこには、世界中に散在する23万400の圧力源が含まれていた。


「私たちはコンピューターを実験室として使用し、地震波が地球をどのように移動するかだけでなく、地震波が海洋嵐によって生成される物理法則に基づいて、世界中の海の現実的なソースから地震波を伝播させてみました」(グアルティエーリ助教授)

 1つのバージョンでは、地球は単純化された層状の世界として表され、ケーキの層のように特性は深さによってのみ変化する。もう1つのより現実的なバージョンでは、チョコレートチップクッキーのように、地下の地形の3次元の変化をより多く盛り込んだ。各バージョンについて、研究者は水中深度データに基づき、峡谷、渓谷、山などの地形の特徴がラブ波を生成できるかどうかテストした。


画像は「Unsplash」より

 結果は、層状のケーキのような一次元の地球ではラブ波がほとんど生成されないことを示した。しかし、3次元モデルでは海底の下からラブ波が発せられていたのだ。

「ラブ波を生み出すのは地球それ自身です」(グアルティエーリ助教授)

 グアルティエーリ助教授によれば、これらの振動がどのように発生し、地球全体に伝播するかをよりよく理解することは、地球の内部の活動だけでなく、気候変動についてのよりよい理解に繋がる可能性があるという。

 地球は我々の心臓と同じように鼓動し、深い海の底から“愛の波動”を放っていると考えてみても愉快であるかもしれない。今回の研究で得られた知見が今後どのような分野に活かされてくるのかにも注目したい。


参考:「Phys.org」、ほか

文=仲田しんじ氏


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