らくごカフェでの、「神田愛山独演会」
は、「徳川天一坊」の17回目。

一、神田愛山「越前切腹・骨の音」

  その「天一坊」は、「網代問答」に匹敵する山場。その「網代問答」に敗れた大岡越前は病と称して、公用人白石治右衛門、
吉田三五郎州に行かせて、天一坊の身の上を調べさせるが、それも待ちきれなくなった越前は、倅を道連れに切腹しようとする所を、白石、吉田が間に合い、天一坊が偽者であることが、判るという一席。
   歌舞伎の「忠臣蔵・四段目」の、「判官切腹」に似た、緊迫感。また、「天一坊生い立ち」から、愛山先生が並べて来たドミノが倒れ、絵や字が表れる様な、解放感と安堵感が入り交じる。

    後席は、結城昌治原作の「骨の音」。愛山先生には、その意識はないそうだが、
現代の怪談、また反戦講談といっても良い内容。夏になると、聴きたくなる一席。
   時代が時代ということもあり、今回は反戦講談として聴いている、自分がいた。