お江戸上野広小路亭夜席は、毎年開かれている「一龍斎一門会」。貞の字畑の殆どが、顔を揃える。

一、一龍斎貞奈「三方ヶ原」
一、一龍斎貞弥「お竹如来」
一、一龍斎貞橘「雷電の初土俵」
一、一龍斎貞友「塩原太助 親子対面」
一、一龍斎貞水「蘇生奇談」
一、仲入り
一、一龍斎貞山「若き日の高野長英」
一、一龍斎貞心「真柄のお秀」
一、一龍斎貞花「髪結新三 永代橋」

  貞水先生を別にして、貞花、貞心、貞山という、一龍斎の横綱大関格の先生方が、
横綱相撲ともいうべき高座。

   「真柄のお秀」は、一龍斎の女性の若手でよく聴く。皆さん、面白くやっている。
しかし、貞心先生の方が、かわいらしく、
普通にやっていて、抜群に面白い。

   貞山先生の「高野長英」は、若き日に貧乏人を助ける噺。短くもたれない。

   貞花先生の「新三」は、ことのおこりから、永代橋まで。貞花先生は、身投げしようとした忠七を、弥太五郎源七が助けることしていて、新三の住む長屋の大家が、白子屋に、お熊が新三に拐かされたことを、知らせに行く。

   前半では、貞橘先生が力強く古風な雰囲気の「雷電」で、番組が締まった。