この記事を見に来てる未プレイは今すぐ評価を見ずにプレイしよう!

(※前評価に囚われずにやるのが推奨されるゲームです)

 

 

アオイトリで演劇が終わったと思ったら、アメグレでもまた演劇をやらされる始末である。

 

びっくりするほどギャグがだだ滑りしていて、

滑りすぎて不快にすら思わないレベルのギャグシーンがたくさんある。

 

とりあえず物語が一行に始まらない序盤はあくびのしすぎで顎が外れそうだった。

 

長い日常シーンを終えて、

平和な街が急に大災害に見舞われるという急展開が訪れる。

 

なんと、このゲームはタイムリープ物だったのだ。

 

ここから本格的にレビュー。

今回個別√のレビューはほぼ考察垂れ流しになるのでネタバレ注意。

 

※考察いらね、とりあえず評価だけ見たい人は総合評価までスキップで。

 

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●面白さ⇒続きが気になる構成力

●満足度⇒シナリオに納得できたかどうか

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8ループ目 

キリエ√突入 40点(面白さ× 満足度△)

日常シーンが相変わらず面白くないけど、ようやくキリエが「外に出ようとしている」事実がここで発覚する。

ようやく秘密組織の地下みたいなシーンが出てきて期待大!

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9ループ目 

サクヤ(√ではなく第7章) (面白さ△ 満足度○)

キリエルートの大半を既読スキップして、次のヒロインへバトンタッチした感じでスタート。

(いわゆる脱落式)

軽い予想では、サクヤも主人公と同じでタイムリープできると踏んでいた。

あまりにも他のキャラより主人公への好感度が違っていたからね。

 

ここで「北海道」だということが判明する。

まだまだ「だからなんだ?」という感じはしないでもないが、

一応主人公の記憶もおぼろげに思い出しつつあり、進んでいる手応えはあったことが喜ばしい。

 

ところでこのゲームのギャグパートはなんでこんなに面白くないんだ?

 

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10ループ目 

コトハ 80点(面白さ◎ 満足度◎)

ミューズの使用の副作用がここで「記憶喪失」と判明。

ここでリンカの掘り下げがなされてふと思ったけど、「外」の人間ってのはもしかして、

世界規模の話ではくSAOのような仮想世界としての現実ということなんじゃないかと思い始める。

主人公が先生と呼ばれて時折入る回想。あれは「既にループをしたことがあるか」もしくは「別世界の記憶」でないと繋がらないからね。

 

ここで新たに説がでる。

リンカもループしてた説。

の位置づけはサクヤだと思ってたんだけど、リンカの線が濃くなった。

 

あとはワタラセって名前がいかにも研究者っぽい。

ここまでまったく登場しない超重要人物なのは確かで、登場しないということはシュウと密接に関係のある証拠。

そもそもシュウは苗字がないから、親族あるいは、シュウ自身というのもある。

あれ、このゲームそもそもキャラに苗字あったっけ?

 

点数、面白さ、満足度。

 

どれをとってもコトハENDシナリオはかなり面白かった。

 

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11ループ目 

60点 サクヤEND (面白さ○ 満足度△)

 

まさかの一番最初までタイムリープする展開に。

そしてサクヤループ説の予想が的中してしまう。

まぁ、明らかにサクヤだけENDが引き伸ばされてた不自然さもあったからなぁ。

多分誰でも気づけるような布石だったけど、わかりやすすぎて逆に失念してた部分だ。

 

まだまだこの√は続き、

 

長い、このルートは種明かしパートに等しいので説明がかなり続く。

 

 

そして、

 

ラスボスお前かーい!

話は長いわ、説教は長いわ、ここに来てテンポがガタ落ちした。

 

でも演出の勝利だと思う。

最初にやった語りかける演出をここぞというシーンでもう一度流すのはとてもいいと思った。

 

なのにテンポだけが悪かった。

サクヤと主人公が問答を繰り返している最中、永遠と寒空の下セリフもなしに立たされているキャラ3人。

こういう状態は脚本としてとても汚い。

せっかく全員が意味ある登場をしたのに、ずっと棒立ちでいるところを頭がかすめて集中できなかった。


大団円という感じはよかったけど「テンポ厨」としてはマイナス減点。

 

ユネEND 50点(面白さ△ 満足度○)

アップルパイ使ったのは予想外で凄いとは思ったけど、これが思いつきで簡単にできるなら、と邪推してしまう部分はあったね。

そもそも一口かじったら消える、ような認識だった。

ハッピーエンドで良かったとはおもうよ。

 

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総合評価 75点 (音楽○ イラスト○)

面白くなかったわけではない、が……。

期待していたのと少し違ったというのが素直な感想。

 

序盤は日常、中盤はミステリホラーのような、そして終盤で急に現実に引き戻されるこの感じ。

 

ひぐらしの鳴くころに、みたいな不気味さが演出から滲み出ていて良かった。

それがいつの間にかコテコテの現代美術語り始めたから反応に困った。

 

世界観がいいと思っていただけに、

それが造形だったのが少し残念。外の世界という明確にされていない幻想が、現実だったのが夢がなかった。

 

確かに伏線は目を見張るものがあるけど、

そっちを追いかけすぎて感情部分で「好き」にはなれない作品になってしまい総合評価がやや低い。

 

ラスボス(敵)が予想の範囲内すぎたのもいけなかった。

 

敵として魅力がない。

 

さあ、誰がこの災厄事件の発端なのか? 

という部分をラストのラストまで引っ張る必要があったのか? 

 

そう疑問に思うほど、このラスボスさんの動機がしょうもないことだった。

 

話が現実的な範囲であったのに、タイムリープという存在だけがファンタジーすぎる。

 

タイムリープ物で名作はいくらでもある。が、

奇跡を一人以上増やしてはいけないという鉄則が守られていない。

 

今回の話はそれ前提だった故に、

どうしてそれ(ループ)が起こるのか? という理屈の部分であまりにも適当すぎた。

わかりやすく言うと奇跡起こしすぎ

 

ループすること自体に緊張感がなかったのもマイナス減点。

 

  • 悪役を操っていた背後の人物は既にいない、というのもマイナス減点
  • 悪役(ラスボス)はブレてはいけない

説得ぐらいで揺らぐような信念がラスボスにいてはいけない。

それは主人公が敵に屈するのと同じぐらいタブーなことだ。

 

  • 記憶消去ドラッグが万能すぎる

消すだけでなく思い出すのも自在にできるって、絵画よりそのドラッグ売れば億万長者だ。

 

ぐらいだろうか。

 

ストーリーというより設定面で色々と酷評したけど、

既存作品のループ物の出来がいいだけで、今作もそこそこの出来ではある。

考察したりして、驚いた部分もあって、肩透かしでもまた良し。

そうやって正しい楽しみ方が出来たのは紛れもなくこの作品のパワーだろう。

伏線のミスリードもとても上手い。

 

だけど、インパクトが弱かった……!

 

この部分においてアメグレは欠点とも言える。

あまりにも作品として綺麗すぎた。

 

これについては多く語りたいので別の記事にて。↓

【シナリオ論】アメイジング・グレイスが個人的に名作にならなかった理由

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絵に対する評価が低い。

安定性という意味ではかなり高いけど、引き出しが狭く同じ角度が多いという点と、線の粗が目立つ。

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批評空間ではこの人のレビューがとても共感できた。←クリック

 

このブログ記事では「名作」判定まではいかなかったけど、

客観的に見れば

多くの人が絶賛するのも頷ける出来だったのは間違いない。