今作の設定、未来ノスタルジアそのまますぎやしやせんか?
- 魔法が使える世界、主人公は微弱の魔法しか使えない。
焼きまわしするしかないぐらいネタが切れてしまったのか、と不安にもなる。
そしてビックリするぐらいコッテコテの鈍感主人公。
デリカシー無し、ヘタレ、鈍感、三拍子そろったいつものヤツ。
顔は文句なしにカッコいいのに、どうして中身を残念にするのか。
主人公がこの体たらくではヒロインの魅力にもかかわってくる。
紫はもはや克の画集として購入するのが正しい楽しみ方になりつつあるよ。
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●面白さ(続きが気になる構成力)
●満足度(シナリオに納得できたかどうか)
●期待値(プレイ前のモチベーション)
●点数
50~(つまらない)
60~(ふつう)
75~(面白い)
80~(すごく面白い)
90~(イラスト、シナリオ、音楽、全て好み)
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氷緒 53点(期待値◎ 面白さ△ 満足度△)★★★☆☆
周りがツンデレとはやし立てる系ツンデレ。
可愛い部分もあるが、友達のカメラをぶっ壊したところで印象ダウン。
いくら主人公の魔法がバレないようにするためとは言え、
弁償する前提とは言え、
普通友達の大事にしているカメラぶっ壊そうと思うか?
なんだかそれをいい話風にしようといているのも気に障る。
批評空間でも理不尽暴力ヒロインと散々書かれていた。
何よりこのヒロイン、主人公を大好き大好き言っておきながら
その主人公よりもわるいまほうつかいを信じてるようじゃヒロインとしては頼りない。
自分たちの力でどうにかしようではなく、都合のいい存在を頼ろうという弱さ。
旅館を救いたい、という個人的な思いに感情移入もできず、
珍しくこのルートは主人公よりもヒロインの氷緒の印象のほうが悪かった。
キャラ単体で見れば刺さる人はいると思われる。
シナリオに振り回されてゴミになった典型例だ。
他√で他のヒロインと付き合った時の反応は可愛い。それだけだが。
透音 5点(期待値〇 面白さ△ 満足度×)★★☆☆☆
妹風メイドキャラはかなり斬新。
さらに猫耳までつけて、その上アイドル(しかも自覚音痴)
どんだけ設定盛り込むんだこのキャラに。
お兄ちゃんに甘えてくる妹のシチュはよく描写出来ててgood。
メイドの仕事を熱心にする妹というのもやはり新しい。良い。
さて、
ここでも「わるいまほうつかい」が絡んで、おなじみのシリアス展開。
師匠ポジションのくせになんの役にも立たないリズ。
覚醒する主人公。
そしてなんだこのアホみたいなご都合主義は。
いくら何でもやばすぎる雑なオチのつけ方に、気づけばエピローグの文字。
しょうもなさすぎてあらすじをネタバレしてしまうが、
「透音は実は一度死んでいた」→主人公が昔魔法で生をつなぎとめた
「主人公との性行為で魔力が逆流、このまま一緒にいると死ぬ」
「な ぜ か わるいまほうつかいが透音を治療し、ハッピーエンド」
オチがひどすぎる。
主人公なんもしてないし、
わるいまほうつかいが悪くなかったら、ただの魔法使いやんけ。
その代償として、後日談で呪われたらしいが、
しょうもないはこっちのセリフだ。
ライターどうした? これもコロナの影響か?
透音がわるいまほうつかいの言葉に惑わされなかったことはポイントが高いが、
しかしそのせいでシナリオがまったく展開できずに無理やり畳んだ感満載。
他√の半分以下のボリュームだったぞ。
アフターのエロは魔法を駆使しててダントツでエロかったが、
打ち切り漫画のごとく〆方がヤケクソすぎる。
ここまで酷いのは初めてみた。
せつな 50点(期待値△ 面白さ〇 満足度△)★★★☆☆
キャラクター的には「ストーカー」というちょっと珍しい気質を含んでいて、
それがまたストーリーに絡んできそうな期待感はある。
現在のおちゃらけたキャラと過去の闇を抱えてそうな雰囲気のギャップも凄く良いね。
ストーリーを進めていくと、当然過去のせつなにふれる描写があるが、
断然過去せつなのほうが可愛らしい。参考になる可愛さ。
これはいい過去回想だった。
興味が持てて、キャラの裏側が見れて、なおかつ続きの先延ばし方が上手い。
というのは、序盤の話だ。
話の着地点がまたしても「ヒロインの死」なのは置いとくとして、
長い。長すぎる。
過去回想がメインとでも言いたげなほどに、長すぎる。
しかも引っ張ったわりに、せつなの両親云々は浅い。
そこにストーリーはなく、だらだらと過去回想で尺を伸ばしているだけ。
自殺しようとするのもまったく共感が出来ない。
良いところは、その自己犠牲精神を主人公が看破するところにあった。
共通√ではクソみたいなテンプレキャラなのに、ヒロインの弱さをあえて突き放す姿勢。
よくわからないけど自殺しようとしているヒロインに感情移入なんて出来ない。
主人公の対応はプレイヤーとしてはとてもシンクロしていて、かつやって欲しいことだった。
とにかくせつなというキャラクターに感情移入出来ない。共感もできない。
自殺しようとしたり、主人公と一緒に死のうとしたり。
わるいまほうつかいは御託が多くて、さっさと話し進めてくれや、と言いたくなる。
でやっぱり長い(本編を引っ張りすぎ)
アオイトリのように「普通」に対して狂気的になる、みたいなコンセプトがあるならまだしも
なまじ人間味が見えるだけにどこに感情移入していいのかわからなくなる。
最後までメンヘラたっぷりの、それだけのヒロインだった。
リズ 70点(期待値△ 面白さ△ 満足度〇)★★★☆☆
せっかく「魔法」「師弟関係」という王道の組み合わせがあるのに
共通√でなにもそれらしいことをしない。
これはタマユライミライでもそうだった。
なぜ設定を出すだけだしといてそれを生かさないのか。
ベッタベタに手垢のついたギャグも汚い!
やる気のない主人公も、
それがカッコいいと思って書いているのか疑問である。
ちょっとは出来るタイプの傲慢主人公が「かったりぃ」とやる気を出さないのはわかるが、
なぜヘボイ魔法しか使えないヘボい主人公のやる気がないのか。
これはつまり、主人公だけがこのゲームの世界の中で満足してしまっているのだ。
プレイヤーに別の世界を見せようと言う気概が、主人公(ライター)に無い。
そこに凄くイライラしてしまう。
デリカシー無し、ヘタレ、鈍感。
そこにやる気のなさまで加えたらもう人としてゴミじゃないか。
携帯を落とした子供に対してもため口。お前て。
普段身内だけで接しているせいで、他人に対する口調もまるで身内のそれだ。
そこは目線の高さまでしゃがんで、どうしたんだ、で良いだろう。
なぜそこで斜に構えて、自分子供苦手なんです、みたいなキャラ付けにするのか。
そして知り合いに電話かけて携帯見つけ出した他力本願を褒めるヒロイン。
この√は何かヤバい空気を発している。
ツッコミどころが多く、SS多用してしまう感じは千恋万恋を彷彿をさせる。
今まで「じゃねぇよ」なんていう口調だったか?
シナリオがクソなせいで、こういった些細なことまで目立ち始めてしまう。
本編のテーマは悪くなかった。
- 魔法を制御できないリズがバケモノ扱いされる
- だからわるいまほうつかいによって、存在をなかったことにされる
ここまではいいが、序盤のスマホのくだりは一切いらない。
幼いころ地下に閉じ込められていて、電子機器に疎い、というのは共通で仄めかす程度で良かった。
お互いいつの間にか好きになっているのも、ここまでくれば目をつぶろう。
キスで魔法を封じ込める、というのもまずまず良かった。
明確な敵が「わるいまほうつかい」ではなく魔法の制御が出来ないリズ自身というのも。
最後の駆け落ちENDもまあまあ他√に比べればマシな〆方。
総合評価 57点(オススメ度×)
テキスト★★★☆☆
キャラ ★★☆☆☆
音楽 ★★★☆☆
イラスト ★★★★☆
純粋なクソゲー。
オススメは出来ません。
今回そこまで不快感はなかったが、普通につまらない。
ライターのやる気がまるで感じられない。
面倒くせー! キャラ可愛いし、ストーリーはこんなもんでいいやろ。
設定はみんな好きそうな魔法! 主人公もその後継者!
支離滅裂、なんでそうなるの? 意味がわからない。
そんな感情のまま話が進んでいき、
良い感じのBGMが流れ始めて「やばい、終わりそう」のパターンばかり。
唯一ボリュームのあったせつな√も、
それまで積み重ねて来た個別√の構成の悪さを体現していた。
紫はもうシナリオライターに振り切った萌えゲで行けと指示したほうがいいんじゃないだろうか。
下手にシナリオゲーにするせいで、メイン√以外が雑になり、メイン√もぐだぐだになる。
今回特に謎だったのは主人公よりもよっぽどヒロインのほうが理解できない部分が多かったこと。
エロゲでそれはいかんだろ。
- いうほど青春はしていない
フラジャイル(壊れやすい青春)という主題はいいが、
そもそもベースとなる「青春要素」が無さ過ぎる。
ただ平凡な日常を暮らしていた主人公が、
魔法関連でシリアスになって、それを解決。ただそれだけ。
そもそも青春とは身近なテーマであって、非日常的な魔法とは相性が悪い。
リズ√でそのフラジャイルをテーマにしたんだろうが、
やはりベースとなる青春の描写が甘すぎる。
あの青春、と言われても、プレイヤーからすれば「え、どの青春?」状態だ。
お前スマホいじってただけやんけ。
プレイヤーが切なくなるような、この青春がずっと続けばいいような。
そう思わせる描写なんてこれまで一切なかった。
親友ポジのセイヤをただの置物として友人枠に置いてるぐらいだ。
このライターには青春なんて書けないだろう。
- わるいまほうつかいの魅力の無さ
全体的につまらない大きな要因の一つ。
まずわるいまほうつかいという小学生が考えたような名称もどうかと思うが。
それ以上に、わるいまほうつかいのやりたいことがふわっとしすぎている。
これはアオイトリで出てきた、電話の悪魔もそうだった。
目的が「他人の不幸」って、話が広がりそうで全然広がっていない。
せつな√では学校までやってきて不幸自慢を披露するなど、展開がひどく幼稚。
正直「それそんな不幸か?」と共感できずにいたのに、
あろうことか同じ話をクラスメイトの前でもう一度長々と語り始めるんだぜ?
暴露したらしたらで、満足して教室から出ていくし。
口を開けば遠まわしで中身のないことを永遠と語り始め、鬱陶しいの一言につきる。
自然現象として見た時の不気味さもないし、
紙の上の魔法使いで出てきたクリソベリルにも類似する敵キャラだろう。
敵キャラっていうのは本来「どうしても譲れないもの」を持っているもので、
それが主人公との対立を生むのに対して、透音√のあのオチだ。
あたまのわるいまほうつかいにしか見えない。
モチーフはアマツツミのOR様も含んでいそうだが、そこまでの勢いもない。
- まとめ
全体的になにがしたいのかわからないシナリオ。
急展開やなんでそうなるのか? という整合性のない展開。
キャラもそこまで魅力でないので、買うならそれなりに覚悟してください。
アマツツミ>アオイトリ>リアライブ>青春フラジャイル>未来ノスタルジア
未来ノスタルジアの絵を今風にして、ちょこっとシナリオいじった程度の差しかない。
キャラだけで言えば青春フラジャイルはリアライブより上だったんだが……。
- おまけ