こんばんは🌙
今日もこれまでのつづきで、重度心身障害児(重心児)であり医療的ケア児(人工呼吸器、経鼻経管栄養)の坊との今後の生活についてです。
在宅看護・介護を経て施設入所へ向けて(私の)心と(支援)体制を整えていく話です。
今回もNICU入院中の頃の話で、
坊が退院後にどこで生活をしていくのかをそろそろ本格的に決める時期となってきました。
NICU退院後の重心児・医療的ケア児の生活拠点は大きく分けて
①自宅
②福祉施設 の2か所があります。
NICUで病状が安定してきたらそのまま退院の他、今後の再入院などに備えて小児科病棟を経て退院する場合もあります
(坊はこのパターンでした)。
①か②かを選択したら絶対に変更できないものではありませんが、制度は独立して整備されているため自由な行き来はなかなか難しいのが現状です。
福祉施設も障害の程度や医療的ケアの必要度によって種類がありますが、
どこも満床であることが多くその待機場所として自宅で過ごす場合と
病院で入院したまま施設の空きを待つ場合があるようです
(入院中の病院が待機場所になりえるかどうかは病院の方針や病床の空き状況によると思います)。
またすべての種類の福祉施設がそれぞれの地域に存在するわけではないので、家族の生活圏に障害児個々の程度にあった施設があるとは限りません。
もちろん地域人口にもよると思いますが、
例えば坊が対象となる医療型障害児入所施設はうちの県では4か所です。
基本的には児童相談所が窓口のため県の管轄ですが、緊急度が高い場合は県をまたいでの入所もあります(県境に住んでいる人も対象かも…)。
私なりにいろいろ悩みました。
プロ(小児科の先生や人生の先輩方)のアドバイスからすると
入所が選択肢にあるのなら、うちの家庭状況としては物理的には入所がいいんだろうなぁと頭では思いつつ
(在宅を)
大変そうだからやらないじゃないんだよなぁ
大変なことがしたいわけでもないけれど(笑)、単純に坊と一緒に過ごしたいし、
発達がゆっくりといわれている13トリソミーがどういった生活・成長をしていくのか興味がある。
生まれた子が「(生きられたら)障害児で」という状況により、
心臓の力が抜けるようなさまざまな気持ちを経験することや死生観を含めいろいろなことを考える機会を得ることができたけど、
もう少しでも
障害児が身近にいる豊かな生活を実感したい。
また現金な話、
今までは想像することしか出来なかった重心児・医療的ケア児の生活を
実際どういったことが大変なのか、そうでもないのか知ることは今後の私の生活や仕事にも活きると思う。
実際今まで(坊が生まれる前)にも、
(子どもに障害があってもなくても)患児の母親と話しているときに、うちにも子どもがいることを話すとなんとなく安心されることが何度かありました。私自身が独身っぽく見えることもあるようで…。
独身が悪いわけではもちろんないけれど、家族がいることでなかなか自分のペースでは生活出来ないこと、子どもがいるとやらなきゃいけないことがスムースに行きにくいことなどが言わなくてもわかってほっとするのかな。
そのため、
実際にやってみるって大事なことだと思っています。
歯科として具体的には、
口腔ケアと飲食物の摂取に関わりを持ってもらいたいのですが、どうしても母親の負担になりがちで…(今はだいぶ歯磨きは父親の係になったご家庭も増えてはきました)。
それぞれの分野(リハビリとか)でベストとベターの提案があるなかで、うまく優先順位をつけられるご家族なら安心なのですが、
日頃から頑張っている(主に)母親ほど、ちょっとした指摘が刺さりすぎてしまい(そのため指導内容としては、力の抜き方になることも多い)、
もう少し手をかけて欲しい(頑張りの方向がちょっと違う)ご家族にはなかなか言葉が届かないことが多いのが現状です。もちろんそれぞれのキャパがあるので、それを見計らいながら…。
そして最近よく思うのは…
うちの子はたまたま先天的な障害が生まれたときから発症していましたが、後天的な方やいわゆる発達障害など少ししてからわかる子、そもそも(小さい頃は)障害の有無関係なく歯磨きが苦手な子もたくさんいるので、
厳密な口腔ケアがそこまで必要ではない環境=
悪性度の高い菌が口腔内に少ない環境
を整える方が、無理に歯磨きを頑張るよりも労力としては少なく済むのではないかということです。
要は
口腔内細菌は家族からの感染と言われているので、低年齢(〜3歳くらいまで)のうちは特にそれを防ぎたい、
マタニティの時からもっと積極的に関わりたいなぁと思っているところです。
(長くなりそうなので、また別の機会に)
また話が逸れてしまいました…💦。
しかしながら
そんな前向きな想いばかりではなく
そもそも家族とは何なのか
一緒に暮らさないと家族とは言えないのか
ちょっとばかりいろいろお世話が必要だからといって、一緒に暮らすことはそんなに困難なことなのか(なんで入所とか考えないといけないんだ〜)
一方で、
仕事を続けたいと言っているけど、
本当は家で看るのが大変だから預けようとしているのではないか
頭の中ぐるぐるです。
ただ私の中に子ども(というか人)に対してある漫画のワンシーンのイメージがあって、
それは↓↓↓
『MONSTER』12巻 浦沢直樹著
孤児ではあるが自分のことを大切に想っている 母親の存在を信じている少年ミローシュが、(人の心を巧みに操る)ヨハンに焚き付けられて、(物心ついてから会ったことはないけれどきっと会えばわかるだろうと)自分の母親を娼婦街へ探しに行き、結局みつけられずに絶望するシーンで、
(ヨハンと同じく人体実験として感情を持たないようにコントロールされて育った)グリマーさんに、
『お前は誰かに望まれて生まれてきたんだから‼︎』
『絶対……‼︎』
『絶対、誰かに望まれて………‼︎』
と泣きながら抱きしめられる。
というシーン(説明下手ですみません💦お時間あればぜひ本物を読んでみてください)です。
私は
坊にも(っていうか誰にでも)自分が望まれて生まれてきたんだと感じて欲しいなぁと思っていて、
それがいきなり入所だといくら言葉で大事だと言ったところで、行動が伴ってない気がしてしまうなぁと。
と、
ダラダラと書いてきましたが、
気持ちをまとめると
『やっぱり即入所は避けたい。期限付きでも在宅をやってみて、やっぱりうちには難しかった。(ありがたく入所させていただきます)』
と音を上げるパターンが一番気が済むかなぁと。
ただしこれは入所と在宅が自由に行き来できない現状において、結構わがままである自覚はあるのでうまく周りの顔色をみながら主張をしていくこととしました。
(ただ誰かが声をあげていかないと、こういったニーズもあることが世の中に伝わらないと思うので、少しずつでも改善されることを願って)