不登校ひきこもりの子との会話

 
以前の私は
 
息子が事実と違ったことを言うと
 
訂正せずにはいられなかった滝汗
 
 
例えば
 
「邪馬台国って北海道にあったらしいよ。」
 
と息子が言ったとしたら。
 
(実際は言っていないけど、わかりやすい例として。)
 
 
驚き「え?邪馬台国って奈良県説と北九州説じゃないの?さすがに北海道はナイんじゃない?」
 
 
と言ったかもしれない。
 
 
でも、不登校ひきこもりの子との会話では
 
子どもを一切
 
否定してはならない
 
というのは原則中の原則だけど
 
明らかに事実と違うことを言ってきたら
 
そのことは訂正してあげたほうがよい?
 
それとも、どんな内容でも
 
聞くだけの方がよいのかなあ?
 
と疑問に思っていた。
 
 
今ならわかる。
 
こう答えたら良いってことが。
 
 
「邪馬台国って北海道にあったらしいよ。」
 
ニヤニヤ「へー!そうなんだ。」
 
 
終わり。
 
 
 
息子が話したくて
 
邪馬台国についてあれこれ語ってきたら
 
それも「ふんふん。」
 
興味深く聞いているだけでいい。
 
 
 
 
私は『先生』ではなくて
 
『母親』なので
 
史実と違っていようが
 
息子が勘違いしていようが
 
訂正する必要も義務もなくて。
 
 
命に関わることや
 
犯罪に巻き込まれそうなことでない限り
 
「ふんふん。」って興味を持って
 
聴いていたら良いだけだった。
 
 
別に邪馬台国が北海道にあったとしても
 
沖縄にあったとしても
 
どっちでもいいし。
 
今の私達家族は困らない。
 
実質的被害が何もない。
 
 
そういう影響の低いことは
 
「今日は雲の形が、肉まんみたいだったよ。」
 
「へー!そうなんだ。そりゃー、美味しそうだねえ。」
 
 
 
こんな会話みたいに
 
その面白さは一緒に楽しんで
 
子どもの話に関心を持っていたらいいんだな。
 
 
この子は何に興味があるのかな?
 
何を発見したのかな?
 
それを一緒に面白がってるだけでいい。
 
 
小さい頃からこういう会話をしていたら
 
息子の自我はちゃんと成長して
 
確立されていただろうから
 
今頃は
 
大人同士の議論もできたかもしれない。
 
 
いや、母親とマジメな話なんかしないな。
 
友達とか外の大人と話をしているだろう。
 
 
 
でも、私は毒親育ちの重度ACなので
 
親に寄り添ってもらったり
 
傾聴してもらったりの経験が
 
一度もなかったので
 
【親子の会話】というものが
 
さっぱりわからなかった。
 
 
心が通い合う会話とか
 
全く知らずに母親になってしまった。
 
 
だから
 
幼い息子の話をちゃんと聴いてあげずに
 
教育的指導ばかりしていて
 
息子の心身を毒まみれにした。
 
正しいとか正しくないとか、どうでもよくて。
 
息子の話す言葉を
 
そのまま否定も訂正もせず聴いて
 
そうなんだ。面白いね!!
 
って言っていたらよかったんだ。
 
 
 
まあ、これも後悔しても意味がない。
 
私は幼い頃からドブ色の毒の海を渡りきって
 
毒まみれになりながらも
 
見事に大人になったのだから
 
『秘伝!!毒海の渡り方マニュアル』

を息子に伝授しようと思うのは
 
生物として自然の流れ。
 
 
世の中とは大変に厳しい所で
 
それを歯をくいしばって白目むきながら
 
サバイバルする方法を
 
ぜひとも息子に教えたい思っていたけれど
 
そんなもんはいらん。
 
オカン、アタマオカシイ!
 
と突っぱねられたのだった。
 
 
毒の海を渡らなくても生きていけることを
 
既に知っている今の若い世代にとっては
 
そんなマニュアルは無用の産物。
 
むしろ呪いの書。
 
 
 
親の価値観とか生き方が
 
全く参考にならない時代。
 
 
過去には戻れないけれど 
 
今、この瞬間から変わることはできる。
 
 
私は教育者ではないから。
 
ただの母親だから。
 
 
世の厳しさなんて
 
世間が教えてくれるから
 
わざわざ私が教える必要なんてなかった。
 
 
寄り添う、傾聴、
 
言葉ではよく聞くけれど
 
「今」に意識を持ってきて
 
相手をちゃんと見ること。
 
 
相手にとって必要な対応は何か、
 
を考えて接する。
 
 
子が母に求めることはいつも一つで
 
ありのままの自分を

受け入れてほしい
 
それだけだ。
 
 
子育ては教育ではないのだから。
 
子どもの気持ちが満足して
 
エネルギーが充満し
 
勇気がわいてくれば
 
それだけでよいのだった。
 
 
親からエネルギーを奪われてばかりのACは
 
大人になっても
 
エネルギーの与え方を知らない。
 
 
自然にできないのだから
 
ちと面倒だけど
 
意識的にやるだけだ。
 
 
私もこうやって頭の中を整理しないと
 
つい思考で対応してしまう時がある。
 
親子の在り方、母親の立ち位置
 
そんな大切なことを
 
やっと今、我が子から学んでいる。