私の音楽の趣味は、自分ではわからなかったのですが、もともと偏っていました。
一つ好きになると、そればかり聴くようになることも多かったです。
これは、本を読む時も割とそうです。
一人の作家を作品を読み続けます。

音楽を聴く時は、外国語の歌だと歌詞カードをじーっと見ながら
他に何もしないで聴くのが好きなので、ながら視聴が苦手です。

子供が生まれると、ずっとバタバタした生活だったので、
音楽を聴く時間もほぼ、なくなりました。

それが変わったのが、去年の春に次女が家を離れて一人暮らしを始めてから。

夫婦二人分の家事などたかが知れています。
日中は一人ですから、用事や仕事の合間に時間ができて、割と音楽を聴くようになりました。

実家からたくさん持ってきてしまったレコードは、プレーヤーがないので聴けません。
CDもたくさん持って来たので、古い BoseのCDプレーヤーを引っ張り出してきて、
聴くようになりました。

そうしたら、前にはあまり食指が動かなかったジャンルや歌手の音楽を
楽しく聴けるようになってきました。

CDの中には、ドイツ歌曲集のものも割とありますが、
私はドイツ歌曲は、ヘルマン・プライしか聴かない時期が長かったです。

彼の声は、年齢を超越した若々しいバリトンで、
声が物語というか、ドラマチックだと感じていました。

それがこの頃、食わず嫌いだったディートリッヒ・フィッシャーディースカウを、
急にひどく、素晴らしく感じ始めて、
今までもったいなかったなぁと思いながら聴くようになりました。


ディースカウが、優秀なクラシック歌手を週替わりでとことん教える、
というドキュメンタリーをテレビで見たたことがあります。

曲に関する洞察力と解釈がとても深く、指導も細かくて厳しいのに、すごく親切で愛がある! 番組の始めには「普通に上手」だった若い歌手たちの歌がどんどん変わっていくのが、
私のような素人にも感じられました。

ただそれを見た時は、彼は「歌の神」ではあって、偉い人。偉いおじさん。

それが、大きく変わりました。嬉しい変化です。
例えば「美しき水車屋の娘」では、主人公の若者の純粋さや若々しさ、
若さゆえの未熟さとか・・・とても深く感情移入できてしまう。

ディースカウの声で、どこまでも連れて行かれるのですが、これがとても心地よい。
なぜに昔は、「上手だけど、おじさん」としか思わなかったのか。
私の方が未熟で、ついていけていなかったのでしょう。
この先、たくさん聴いていくと思います。

また今、この頃はどんな歌手がいるかなと、Youtubeでいろいろ見ていたら、
すごくいいと思える人にも出会いました。
とても有名な人だそうで、ご存知のみなさんも多いと思います。
テノールの、ユリアン・プレガルディエンという人です。
テノールの良さを、初めて知らされた感じです。



歌っている姿も美しく、今度日本に来たら絶対聴きに行きたいです。

ところで夫が昨日、車の中で自分のプレイリストを聴きながら、
「君のプレイリストはどんなの?」と訊いてきたのですが、
「ないよ」と答えたらとても驚かれました。

私は自分が聴いたことがある曲、歌手だけを追ってきたので、
音楽の好みが固定したままで、プレイリストを作るという発想さえなかったのです。

夫によると、Spotify で新曲をどんどん聴いていき、プレイリストを作る。
それを聴きながら、「スキ」をつけていくのですって。
それで、「いいなと思った曲の中でも、好きだと思った曲だけが詰まったプレイリスト」
ができるんだそうです。

・・・と言っていたような気がするのですが、これでいいのかな。
さっそくやり方を教わって、そう言うことをしてみようと思いました。

音楽が生活と共にある皆さんからは、信じられないことですよね。



おまけです。
信じられないといえば、私の、時代からの取り残されっぷりは、
自分でも信じられないぐらいひどいです。

たとえば私は今のテレビが、テレビのままで録画できることを知りませんでした。
今は、テレビが、録画してくれるんですよね?

昔々、我が家のビデオデッキが一度壊れて、以来録画をしなくなっていたのです。
そのうちに、普通の人より多分早い時期に、アップルテレビを導入しました。
それで、家では ビデオ・オン・デマンドばかりを見るようになったのです。
名古屋で最初の数年通い詰めたTSUTAYAも、
コロナよりだいぶ前にスポーツクラブに変わってしまいましたし。

家には今でも、壊れたビデオデッキと、壊れていないDVDプレーヤーと、
壊れているらしいL Dプレーヤーがテレビの下に格納されているのですが、
わけがわからなくなって、私は近寄りません。

さすがに、「今ではビデオをダビングする、などという言葉も、
娘たちは知らないだろう」ぐらいまでは思うのですが、
皆さんがテレビ番組の録画をどうされているか、全く考えることもなく今まで来ました。

それがこのごろ、日本のドラマにはまっていて、深夜枠などは眠くて見られませんから、
録画というものをまたしてみようじゃありませんか、と思って、
テレビ友達に訊いてみたんですね。

「今の人って、VHSとかで録画しないんでしょ? 」と。
呆れられました。

驚いたことに、今ではビデオデッキというものは使わず、
なんですか、テレビ番組録画機というようなものがあるんですってね?  
その友達にちょっと教えてもらって情報を見てみたら、
それは黒い箱みたいなもので、「何かを入れたり出したりは、しない」らしい。
うちのテレビの前に平たく置いてある、黒い箱みたいなアップルテレビみたいですね。
タブレットに録画したものを飛ばしてみることもできるそうですね。

それで夫に、テレビ友達が送ってくれたテレビ番組録画機器の情報を見せて、
すぐさま選んで欲しい、安くて最低の機能でいい、見られればいいのでと頼みましたら、
ではテレビを買い替えましょうといいます。

「いやいや、テレビではなく、テレビ番組を録画できる機械です」
「だから、テレビを買い替えましょう」

・・・話が噛み合わないのでよく訊いてみると、テレビが今は、
録画をテレビ一台の中で、やってくれるんですってね。
(ソユコト?)
もうびっくりしました。

偉くなったテレビにも驚きましたが、今の世の中について、
ここまで無知な原始人だった自分に、軽くショックを受けました。

と、脱線したまま、今日はこれで失礼しますね。




永遠のおじさま、ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ





このDVDを持っているのだけれど、DVDプレーヤーが壊れていて見られません。
世界で一番好きな「フィガロの結婚」。
ミレッラ・フレーニ、ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ、
ニュージーランド出身、デイム・キリ・テ・カナワも出ています。


ジブリ作品もDVDをたくさん持っているので、
どうにかして見られるようにならないでしょうか。