昨日、2025年の12月20日土曜日。
成城学園大学での小泉凡ぼんさんのお話を聴く機会を得ました。




凡さんは、ラフカディオ・ハーン、小泉セツ夫妻の曾孫さんです。



講演は、質疑応答を含めての1時間半の長丁場でした。
凡さんのお話はとても優しい口調で、聴きやすく、
ラフカディオ・ハーンの著作を読んだだけでは知ることのできない彼の人物像や、
今も日本以外でも多くの国で愛され続けている様子などを知ることができました。

撮影・録音などは禁止でしたので、アンケート回答用の鉛筆で
いただいたハンドアウトにメモをしてきました。

書いておきたいこともたくさんありますが、今日は一つだけ。


ハーンの中に根付き、小泉一家に今に至るまで脈々と流れる「語りの系譜」について。

ハーンは自分と母を捨てた父がアイルランド出身であったため、
公式には「アイルランドを好きではない」と書いているそうです。
でも私的な文書の中で、自分を育てた乳母が物語や伝説を多く語ってくれたので、
アイルランドは好きだと書いているとか。

では、小泉凡さんがこの日の最後にさらっと語ってくれた二つのお話を、
メモをもとに書きます。


「3つのお願い」
ある、喧嘩ばかりしている貧しい夫婦が良いことをしたので、
妖精から三つのお願いを許されます。
夫がうっかり、ソーセージがほしいと言ってしまったので、一つ目の願いはソーセージ。妻が怒って夫を責めたので、夫がかっとなって、
ソーセージなんかお前の鼻にくっついてしまえ、と言い、それも叶いました。
三つの願いは、妻の鼻からソーセージをとるという三つ目で、使い切ってしまいました。


「二人の旅人」
ある年に一人の行商人が泉の水を飲むと、動物の言葉がわかるようになりました。
そして猫の集会を聞いていると
「人間はバカだな。あの木の根元を掘ったら小判がざくざく出てくるのに」
と言っていたので、行商人はその通りにして小判を得ました。
それを知ったもう一人の行商人が次の年に、同じようにして猫の集会を聞いたのですが、
猫たちは
「去年はあの行商人に小判を取られてしまった、今年はそうはいかぬ」
と、二人目の行商人をズタズタにしてしまいましたとさ。


というお話でした。


講演の内容についてはYoutubeなどで聴けるかもしれません。

資料を用いることは禁止されていませんので、
私がメモしたことも併せて、少しずつ書いていきたいと思っています。

今日はこれまでにします。



(愚)ですが・・・
六次の隔たり の考えでいきますと、
自分→凡さん→凡さんのお父上の時さん
→そのお父上の一雄さん→ハーンとセツさん
・・で、四次の隔たりとなります。
もっとも私は凡さんの「知り合い」でもなんでもありませんので、
そう思いたいという願望にすぎません。

明日の「ばけばけ」も楽しみです。
Google Docsにこのブログの下書きを書いていたのですが、
ドラマも折り返しに近づいた今日、入力の反応が遅くて、とても書けなくなりました。
見たらこれまで、ドキュメントで246ページ分書いていたので、
それで重たくなったということでしょうか。
見るのも書くのも毎日とても楽しいので、終わってしまったら超ロスです。
怖いです。
怪談より怖い。

さて、清光寺(当て字)の住職を訪ねたトキ。



「水飴を買う幽霊」のお話をもう一度聞きたかったのです。
自分の知らないお話も、耳で聞いて消化し、語り直すつもりです。

花田屋では、平吉が重箱におかずと白いおむすびを詰めています。

戸口の外で客を見送るおうめとおツルさんに当たるのは、夕方の斜陽。
だいぶ日が伸びてきた・・もうすぐ春。
ヘブンさんも、もう家に帰るとソックスは履いていません。

店内では、器用に立ち寝をしているトキ。
たまに電車で、吊り革に捕まって揺れながらお休みの方もいますが、
トキのように直立不動で寝られるのは素晴らしい。
てか珍しい。
前から後ろから、倒れた時に備えていたおうめとおツルさん、偉い。

トキは夕方になって、花田屋で一体何を。

夕餉だけでなく、今日から夜食もお願いして取りに来たそうです。
昨日も今日も、怪談を語って丑三つ時(午前3時ごろ)までになったと。
そうかそうか。
ヘブンさんは中学校から飛んで帰り、夕餉の後は怪談タイム。

二人で夜食を途中で食べて(うふふ)、存分に怪談を語り、聴く。
同好の士(ヲタとも言う)って、いいですね。

そこへ錦織がトキを訪ねて来ますが、
「久しぶり・・」と挨拶したということは、本当にあれ以来、
錦織はヘブンさん宅に迎えに来なくなったままなのですね。
ハートブレイクなままの錦織・・・・
今日の彼の、折いっての願いとは何でしょう。

錦織によれば、ヘブン先生の日本滞在記のラストピースは怪談ではないか。
トキと銀次郎が怪談好きだったことを覚えていた彼は、
トキからヘブン先生に怪談を教えてあげてほしい、
お力になってほしいと言うのです。

ふふ・・と笑ったトキ。

「もうやっちょりますけん」
「もうやっちょる?」

錦織が松江弁を話したのは多分これが初めてかなと思います。
東京まで行って、全ての資格試験に合格したエリート、大盤石の錦織。
もしかしたら、言葉の面でも、標準語を話すことを自分に課していたのではないでしょうか。
そして、自分の生まれ故郷の言葉を、これから話していったりも、するのかな。

「大雄寺(だいおうじ)で怪談を知った夜から、
毎晩欠かさず語ってさしあげちょりますけん」

トキが英語が話せないため何度もゆっくり語り、それで毎晩遅くなると聞き、

「そうか。それは・・ありがとう」

と頭を下げる錦織の顔が、嬉しそうに緩みます。

錦織の見解は、怪談がラストピースになるのは確実かもということ。

しかしトキが、

「本当にそげだとすると、嬉しいやら、荷が重いやら・・」

と笑うのを見て、少し物思いに沈みます。

ここで初めて彼はトキに、今まで言わなかったことを告げます。

ヘブンが実は新聞記者で、日本へは滞在記を書くために来ている。
なので、怪談がラストピースであるなら、
書き上げれば滞在記はは完成し、目的は達せられ・・
トキが怪談を語れば語るほどに滞在記は完成に近づき、
ヘブンは日本からいなくなると。

愕然。

ヘブン宅。
いそいそと座布団に燭台に・・と今宵の怪談セッションに備えるヘブンさん。

オトキシショウ、ハヤク、ハヤク、カイダン!

おトキはわかりやすく、怪談を語らずに済むように演じます。
今日中に取れない頑固な汚れを銅の桶に見つけたとか言って。

しかし、ヘブンは縄たわしを取って代わりに磨き、お風呂を勧められても拒みます。

「イマ、カイダン、スキ ハヤクハヤク」
「そげですよね」
「ソゲソゲ!」

でも、おトキの言葉にしない雰囲気を感じて少し立ち止まりました。

カイダン カタル キライ?

それは。
即答できかねます。

ワタシ キク スキデス
アナタノハナシ アナタノカンガエ アナタノコトバ スキデス

そう言われてはねぇ。

あの、ヘブンさん。
夏目漱石は、「月が綺麗ですね」を、アイラブユーと訳したそうです。
逆だったかな?
あなたの言うことってもう、「アイシテイマス」にほぼ聞こえますが。


トキはあがくのをやめ、細紐の片だすきをほどき、
ほほえんで、蝋燭に火を灯します。

語るのは「飴を買いに来た女の幽霊」。

住職から二度目に話を聞いてきたトキは、幽霊の女の言うことも
きちんと声色を用いて、聴くにも楽しくアレンジしています。
これ、才能ね。


ある朝、松野家の済む長屋に、郵便夫がトキ宛の手紙を持ってきました。

差出人 山根銀二郎。

来週の予告も見た私たちは、銀二郎は来るわ、イザベラも来るわで、
この週末、のんびり過ごすことはできなくなりましたね。

第13週も楽しみです。

トキが出勤すると、いつもより早く起きていたヘブンさん。
と、思ったら、早く起きていたのではなくて、寝なかった、なぜならば。

ズット カク デス
トトリノ フトン、ズトズトズト・・ズト
カク ネムル デキナイ カキタイ

せっかく祈祷をしてもらったのに、金縛りから自由になったかどうかも?

ワカラナイ (寝てないだけに🤣)

アシタ タノシミ!

今日寝たら明日の朝の金縛りはどのようになるか、楽しみなのですね。

トキが家事を始めようとすると、ネガイマス、 が出ました。

一夜明けてもまだ聞きたい。
日本語は難しいが、意味を全て知りたいということでした。
トキも喜んで、
「昨日も言った通り、何遍でも、何十遍でも、話しますけん」
と言えば、ヘブンも

That’ll be extremely helpful. (もう本当に助かる!)

「デハ、チュウガッコウ、ヤスム」
「え〜😱 のーのーのー!」
「ジョダン フハハ・・・
デモ ソノ キモチ アル
スグ カエリマス」

なんだよもう!

チミナ・・じゃなくて「ちなみに」と訂正されてヘブンさんから質問。
それは、鳥取の布団が誰から聞いた話だったかということ。
ここで初めて、ヘブンさんは少女のようにしか見えない シジミサンが、
短期間でも既婚者であったことを知るのです。
これは衝撃。

Sorry, just ah….caught me a bit of surprise.
(すまなかったです、そのまあ、ちょっと驚いて)

普通より少しだけ、0コンマ2秒だけ長く、
シジミさんに投げられたヘブンさんの視線。
結婚歴があったと聞いて見せる、微妙〜な表情。
もちろんトキも、言語化はできなくても、何かは感じたはず。

「それでは、布団の話ではなく、別の怪談を。
まだまだ、まだまだ、山ほどありますけん」

切り替えが上手いトキです。


学校の、英語の授業の書き取りです。
うきうきではなく、しみじみと何かが心に湧いているようなヘブン先生。

What a refreshing morning it is. なんという爽やかな朝だろう。
Everything looks different. 全てが違って見える。
I was reminded of the day when I first came to this county.
初めてこの国に来た日のことを思い出す。

(何があったんだ・・・・)by 錦織。

OK, Masaki, thank you, and thank you for yesterday.
よし、正木、ありがとう。そして、昨日のこともありがとう
Not at all. とんでもありません。
You may go back to your seat, perfect transcription.
席に戻りたまえ。完璧な書き取りだったよ。

はい、次、小谷! と言いながらチョークなんか宙に放り上げて。
明らかに浮かれています。

あと。

小谷。
いたんだ・・・


後刻、錦織は正木トリオを呼び寄せて、寺でのヘブンさんの様子を訊きます。
やはり、ただの通訳、お世話係としての役割以上に、ヘブン先生が気になるのです。
可愛いったらありゃしません。

先生が怪談を聞いて泣いていたと聞き、
その場にいた小谷、錦織弟(名前は丈)も、

「西洋人がなんで?」

正木によると、先生は怪談をいたく気に入られ、もっと訊きたいので、
怪談に詳しい人を探すつもりのようだとのこと。
それを聞いても、いまいちピンとこない錦織の表情です。

「ふうん・・・なるほどな」




みなさん・・・・



今宵の怪談はめちゃ怖かったですよね。
皆さんのリクエストに応えて、再録します。

🕯️人の命が、蝋燭よりも容易く消えていく時代のお話でございいます🕯️

(私、違棚の市松人形とコケシが、
この前から気になってしかたないのですが・・)

「雲国の持田の浦という村の百姓の夫婦はひどく貧しく、
自分たちが食べるだけで精一杯。
子供が生まれるたびに、ごめんよ、ごめんよと、
全て、家の裏を流れる川に捨てていました。
しかし、月日は流れ、ようやく暮らしに少しのゆとりが出てきた頃、
初めて 生まれてきた子を育ててみることにしました。
ある月夜の晩のことです。

〽︎ねん ねんねんや
ねんねこした子は かわい子よ〽︎

父親は赤子を背負って、今夜はええ月だと独りごちておりました。
すると、まだしゃべるはずのない背中の子が、
口を開いてこう言ったのです。
『お父っつぁん、お父っつぁんが最後に私をお捨てになったときも、
こげに月の綺麗な晩でしたね』

蝋燭を吹き消す、乾いた音。





うへ〜、怖いよ!😱



それに続く沈黙。

わからなかったでしょうとトキに問われ・・

ムズカシ デモ ハンブン モット ワカラナイ
デモ ワカルキモチ アル
チチ、ワタシ ステタ
ハハ ノコト ステタ
ユルス ナイ

「そうとは知らず・・・」
「No no no!
コステテ カイダン スバラシ アリガト」

ここで語り手の役から踏み出し、トキは自分の感想を述べます。

「何遍捨てられてもこの子、同じ親の元、生まれた
この子の 親思う気持ち 強い
それを知った この親 この子 大切に育てる 思います
相手の気持ち 知ることで なんていうか・・う〜ん
ええことに、ええことに、 ・・・なったらええなあって思います」

小さく頷き続けるヘブンさん。
目には光るものがあり、一粒だけぽろりと落ちました。

「私オナジコトスルナイ
ワタシ、イイコト、
ワタシ、エエコト ・・・ エエコト シマス
シジミサンノ カンガエ コトバ スバラシ
カイダン、アリガト」

深々と頭を下げます。

「こちらこそ」 トキも頭を下げます。
「デハ・・・」

はい、ご一緒に。

もういっぺん
モウイッペン

「ですよね?」
「ハヤク、ハヤク・・・・オトキシショウ」

昇格したぁ〜🤣

もちろんその頃、松野家では、いくら遅い遅い言うてもしかたないのに、

司之介さん:遅いのう〜 遅いのう〜 おっそいのう〜
勘右衛門さん:お前がいちいち遅い遅い言うと余計遅くなる!
おフミさん:全く、怪談のこととなったらあの子はねぇ・・・

一番わかってらっしゃるマミー。
あ、勘右衛門さんも今、「おっそいのう〜」と。

あかりの灯ったままのヘブンさんの家の窓を見やるトキ。
おだやかな表情です。

その室内で、悪い目を原稿用紙に、めちゃ近づけて原稿を書くヘブンさん。
後ろを振り返って何かを探すような片方の目は、
何もない空間に、何を見ようとしていたのでしょうか

いつも何かが展開する、明日の金曜日を待てませんね。

・・

怪談への感想:
背中の子供は「お父っつぁんが最後に私を殺したとき」と言います。
何人も殺したけど、この子のただ一人の子なのです。
トキの言うように、一人の子が、繰り返し生まれてきたのでしょう。
しかし、楽しみが少なく、避妊もできなかった昔は悲惨です。

ご参考に
夏目漱石の「夢十夜」のなかに、少し似ている話があります。
青空文庫より引っ張ってきますね。第三夜です。




夢十夜・夏目漱石

夏目漱石は明治のエリート。
英語教師で、英国への官費留学もしており、異邦人としての苦しみをたっぷり味わって、メンタルも病みました。
「倫敦塔」などの西洋情緒あふれるものから、「夢十夜」のような、日本人の血液に沈澱するような要素まで、幅ひろいストーリーテリングは流石です。

青空文庫でたくさん読めますので、ご興味があれば。

今日、一緒に「べらぼう」と「ばけばけ」をずっと見てきた人とチャットしていて、
日本のテレビでは、NHKだけかどうかわかりませんけれども、
日本語のドラマでも字幕がつくらしいことを知りました。



字幕あるの?
うわ、あったのかぁ・・


さっそく「ばけばけ」を見てみたら、iPadでもテレビでも、
しっかり字幕が出るじゃないですか。

私ったら最初から、1話から58話まで、全部聞き取りしながら書いていたんですね。


一回目は、7:55amから テレビの前に正座して、

うんうん、そうだそうだ!
行けいけ!
うっそ〜
馬鹿〜!
やらし〜
だらくそ〜

とか、一人で騒ぎながら見ます。

そのあと仕事机に来て、iPad2台を据えて、
一台で今見てきたのをもう一度見ながら、一時停止しながら、
もう一台を使って、デクテーションしていたんですよ。

松江中学の英語の授業の書取り練習みたいに、
ヘブンさんがいつもはっきり、ゆっくり言ってくれるなら楽だけど、
そうではない。
結構ヘブンさん早口だし。
聞き取れないと、何回も巻き戻し(巻き戻しという言葉しか知らない)、
耳を、音の出てくるところに近づけて、悩みながら、聞き取りをします。

知らない言葉があると、知っている言葉に聞こえてしまい
それだと必ず意味が変。

やっとセリフや、ラフな感想を入力して、
それからそれを推敲してブログを書くため、やたら時間がかかります。

なんという効率の悪さ。💧

いずれ、NHK出版からも脚本も発売されるだろうしと思うのですが、
私は自分が書いた感想を読んで、再放送を見た気になりたいので、
それでこんなことをやっているわけです。

ヘブンさんのセリフで聞き取れなかったものは、
住み込んでいるキウイの夫に訊けばいいのですが、
リーマンなので夜まで帰ってこないし、数日の出張も多い。
夫を待っていたら、ブログが書けないのです。
だぁもう、会社辞めたら?!
あ、やめないで。

で、私はどうするか。


生徒に訊くのでした。

「スティーブンさん、お聞きしたいことがあるのですが」
「はい、どうぞ」
「失敬な!みたいなイギリス英語で、I’m で始まるのは何がありますか?」
「いや流石にわからないです、先生」
「流石にわからないですよねぇ・・
ばけばけのヘブンさんの言ったことで、
I’m a poet. っぽくも聞こえるけど、
怒りながら、『私は詩人だ』というのは、変ですよね」
「変ですね」
「スティーブンさん、今朝のまだ見てないんですよね?」
「妻が帰ってきてから一緒に見るから」
「そうですよねぇ・・・あいむ・・・あいむぁ・・あいぃ・・」
「あっ、多分それ、 I’m appalled ですよ」
「意味は?」
「失敬な、みたいな、やや古めかしい言葉です」
「ありがとう! 腑に落ちた。ネタバレになるから言わないけど、
今晩をお楽しみにね。ありがとうございました」

などということが、結構あります。
I'm appalled は、ヘブンさんが、自分がらしゃめんを求めていると勘違いされ、
松野家の面々に踏み込まれ、それと知ってめちゃ怒るときに言っておられました。

What sort of pervert do you think I am!
どんな変態だと思われてたんだ!
I'm appalled, I'm appalled!
なんと失敬な!

とか言ってましたね。
悩んだ部分は何週間経っても覚えているな自分。

だいたいは、生徒に訊いてしまいますが、見切り発車した場合は、
間違ったままでしょう。
見つけたら教えないでください。


で、今日、ちょっと悔しいのですが、字幕を見ながら書いてみたら、
いやぁ、速かった・・。
書ききれなくて一時停止しても、そのまま画面を見ながら書けばいいわけですから。
と思いました。

ところがですね、
今日の「ばけばけ」(1218)字幕をつけて見てみたら、
やっぱりヘブンさんがダダダ、と長めに英語で喋る部分は、
日本語に翻訳されていました。
考えたら英語字幕をつけてもドラマ視聴には役に立たないし、
逆に邪魔ですよね。
英語と日本語両方載せなくてはいけなくなるし。
画面が字で埋まってしまう。

ということでやっぱりこれからも、

スティーブンさん(またはネイサンさん、またはヘンリーさん)
助けて〜

というのが続くし、帰ってきたばかりの夫に、iPadつけて駆け寄って、
「ここ! ここなんつってんの?! ハヤクハヤク!(ヘブン先生かい🤣)」
というのが続きます。

でもね、こーんなダダ長い(一回1700〜2800文字平均、下手したら400字詰原稿用紙7枚とか)ブログで、
まだ世に出てないヘブン先生の喋ってることいちいち載っけてるのって、
あまりないんじゃないかなと思うと、毎日書くモチベになりますよね。

え、その前に掃除しろ? その通りです。
トキの語る「鳥取の布団の幽霊」の話は、銀二郎さんが新婚の頃に
トキに話してくれたものでした。

宿屋で客が布団に入ると、
「兄さん寒かろ」「お前も寒かろ」と布団から声がする。
その背後にあった物語は・・
貧しい兄弟がたった一枚残った布団を、大家に家賃のかたに取り上げられ、
吹雪の中に追い出されて凍え死にしてしまった。
その布団が宿屋に売られ、「兄さん寒かろ、お前寒かろ」と喋る。
宿屋の主人が兄弟を憐れんで読経をさせると、布団はしゃべるのをやめた・・




トキが蝋燭を吹き消します。
わかりましたかとトキに訊かれ、ヘブンは・・

「スベテ・・ワカル・・ナイ・・」
「全て、わかる、ないですか・・」

トキとちょっとがっかりしましたが、いえいえ、
全てがわからない、のではなくて、全て「は」わからない、という意味。

スベテ ワカル ナイ・・ナイ
と言い直したのは、「全てわからない」のではない、という二重否定。

全てわからない は 全然わからないのですが、
全て「は」わからない、というと、少しはワカルことになるんですね。
なんとか意思疎通ができました。
日本語は本当に難しい。

ハンブングライワカル
そしてトテモオモシロイ、だから、one more time とトキにお願いします。

モッペン・・モウイッペン・・ネガイマス
トキはそう頼まれたのが嬉しく、こう言います。

「怪談は、日本の人も古い、時代遅れ、
気味が悪いと嫌がれることが何遍もありましたけん、
聞いていただけるのが嬉しくて」
「ナルホド ・・・ワタシ スキデス」
「ありがとう存じます」

もう一度蝋燭をつけます。
二度目は、大家の言葉にも、感情をこめた語りの芸になっています。
もう一度丁寧に語りました。

「失礼いたします」
「アリガトウ」
「わかりました?」
「ハンブン・・・カナシイ ・・トテモカナシイ」
「はい」
「デモ アニ オトウト ズト イショ ヨカタ・・」
「そうですね」
「スバラシ・・・アリガトウ・・・デハ・・・」

と、ここで二人同時に・・

もういっぺん : モウイッペン

ハハハ・・・ネガイマス

何度繰り返したのでしょう。
家に帰るのも遅くなり、トキは遊郭もスキップして抜けていこうとします。
く〜!
く〜〜!
声も出ます。
と、格子の向こうにいるおナミに声をかけられました。
何をしちょったのかと聞かれ、ちょっと怪談・・布団を・・
「布団を?」

わかりませんけど、おナミさん、「布団・・まあ・・」って。

遅く帰って来て、翌朝は寝坊をしたトキ・・

あ〜布団! んん〜布団!
と掛け布団をかき抱く・・。

帰りが遅かったのを家族全員が心配しています。

母:訊いて
父:おトキ・・
母:やっぱり訊かんで
父:どっちなんじゃ!
母:わからん。訊きたくないけど、訊かないかんし・・
両親がわけのわからないやりとり。
本人たちは居ても立ってもいられないのでしょうが、やっぱり可笑しい🤭

トキは、お寺でのことと、ヘブン先生がいたく気に入った怪談を
日本語がまだわからないので何遍も話していたら遅くなったことを話します。

勘右衛門:よし!信じる!わしゃお嬢を信じるぞ!
おフミさん:わたしも、怪談だったら機嫌ようなるのもわかるし
・・・おトキ、よかっただない。 話せる相手が現れて・・
トキ:まあ・・(子供じゃないから、そげそげ、わ〜い!とは言えません)
司之介さん:なーにが まあじゃ、斜に構えて!
さっきは起きるなり布団!言うて布団を抱きしめちょったくせに!
トキ:うるさいなぁ!

ぞんざいに扱われがちな司之介さんでっした。

朝の出勤ラッシュです。
こちら側から駆け上がった橋を、下駄を鳴らして橋を駆け降ります。
小学校へ向かうおさわを追い抜き、でも、おさわにも気持ちを伝えられません。
ご機嫌さんだねぇ・・とおさわ。

小さい声で おはようございますと言いながら家に入ったのに、
ヘブンさんはずっと待っていたのでしょう、すぐにドタドタ玄関先までやって来ました。

「キノウアリガトゴザイマシタ」
「こちらこそありがとうございました」
「ア、ドゾドゾ ハジメテキタ、ジャナイカラ」
「そげですよね」
「ソゲソゲ」

そげそげかぁ・・・こげでもあげでもいいけど、なんか・・良かったですね本当に。

凍え死にをしてしまったけれど、
でも兄弟はずっと一緒ですね。
良かった。

と思う、そんなヘブン先生の感じ方、好きです。