余を見よと

巨大な

『門番』


あるところに、お城の門番を勤めるマルコという兵隊がいた。
マルコは門の守りを任されるに当たって、先輩の兵隊にこう指示された。
「この門は決して開けてはいけない。
昔この門をあけてしまって

敵国に攻められてしまった事があるのだ。」
「そのことがあってから、王様が『この門は戦争の時以外は決して開けてはいけない』という決まりを作ったのだよ。」マルコは言いつけを守り、門を守り続けていた。

ところがある日、狩りに出かけた王様はひどい熱がでてしまい、
急いで城へ帰らなければならなくなり、近道であるマルコの門へ向かった。

マルコは門番として家来として、

門を開けるべきか、
開けないべきか?

 

・ 『門を決して開けるな』と命令したのは、国で一番エライ王様。
・ 早くお城に戻らないと王様の病気が悪化して、命にかかわるかもしれない。
優先順位は?
どちらにも、「正義」があって

「理」がある。

マルコが兵隊になる前に、お父さんにこう言われていた。


「この国は王様がいるから平和に暮らせているのだよ。」
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totoのガルさんと培った「鍛錬」はマルコの門だった。

オーナーという王様が、自分達の生活を維持するために、totoを高額で手放すのは

王様の意思であろうが、マルコはその命を聞くべきだったのか

 

結果的に、ロンドンオリンピックの前に、totoは売却されて

最有力と折り紙付きの金メダルのチャンスを逸した。

ヴァレグロ、Salineroとの対決どころか、

ドイツ代表として出場すら出来なかった。

門番の主人はオーナー

だが、門は既に王の手を離れ人々の生きる堰となっていた。
 

 

弾むように

挑むように

自信にあふれたパイレーツのコンビ

 

馬も人も

開いてしまった門に

なす術もなかった。

 

totoの芸術性を投資と考えた新オーナー

引退を決められたトーティラスは、

子沢山の子孫を残す種牡馬と化す。

 

自分の夢を力を発揮出来ないまま

次世代へと託す。

 

君が馬でよかった

人ならば、発狂するだろう。

 

 

 

どこにでもいる馬の一頭が

出会いによって

一時代を築いた。

 

Salineroの門番は・・アンキーさん

馬を投資と考えない

アスリートの人。

 

 

 

運命が戸を叩く

 

人にも

 

馬にも

 

音は耳に響く

 

 

3,11が近ずく。あれから6年・・・湯旅で浮かれていたわけではない。

何度か「福島」東北へ行った。遅々として進まぬ「人が生活出来ない地」を見た。

アウシュビッツは人類の負の遺産だが,

自然の破壊力の遺産ばかりとは言えない「地」それが東北の津波の惨状だった。

揺れ動く大地の危機は今に始まったわけではない。日本そのものが、隆起の産物。

震度4以上の揺れが2016年に126回、日本全土が震撼している。

そして熊本地震。歴史の記録は何度も突き付ける。

偶然でもたまたまでも運命でもない、「想定内」の地殻活動なのだと。

起きてしまった悲劇以外の何物でもない。

へたれの私は、声を言葉としてあげられない。鉛は深く、心に沈み、苦みが胃を荒らす。

海馬が嫌なこと、悲しいことは忘れようと現世欲へと、私の思考を引き戻す。

ニュースを追わなくなった。新聞を読まなくなった。

美しいもの、楽しいもの、興味ある心惹きつけるものばかりを追い求める日々。

それが「我欲」であり「欲望」「願望」「妄想」と思い知った。

本当にこれでよいのか。

同情だけ、共感だけ、励ますだけでよいのか、泣くだけで本当にいいのか、

・・どう生きるか、どのような覚悟をもって生きるのか…今も尚、暗中模索中。

地位も名誉も、まして政治家でも巨万の富を持つ重要人物でもない、働き蜂の一匹に過ぎない狭い了見の自儘人間。社会をよくしようなんて、生まれてからこの方、爪の先ほど考えたこともない利己主義者。人当たりよく、ただ、他人の評価に踊らされる小さな料簡のちっぽけな埃。塵芥の己。いつ何時、

「福島」を、「熊本」を自己体験として

受け止め得ざるを得ない不確定な現実味のある未来。

 

覚悟はあるのか

 

 

カーラジオから、コメントが流れる

朝のコーヒーの湯気の先に、今も苦しんでいる人を思いやってください。

忘れられてしまう事が一番辛いのです。

好意の義援金が届かないのなら、覚えていることこそ、最大の義援です。

 

 

車の振動に合わせて

地の底から

思いが湧き立つ

 

 

 

門はあるんだわ

 

 

守ってくれる門

守るべき門

 

マルコは、自分自身なんだわ