東山の公式ブログにこんな記事が掲載されていました。
 
2017/1/28 ひがしやま ちょっとe~!話
 
内容は、鳥インフルエンザの影響で約1ヶ月間、休園していた間のゴリラたちの様子を記したものでした。
私も、全く来園者がいない日に、園内の動物たちがどのように過ごしているのか非常に興味がありました。
 
以下、この記事で気になった点です。
(勝手に一部転載)
 
 
「 さて、そんな皆様が気になっていたであろう休園期間中のシャバーニの様子はといいますと、これがグッドコンディションで、静かな環境がシャバーニをリラックスさせたようなのです。イライラすることもなく、よく繰り広げられていたネネとのトラブルも皆無でした。
 
リーダーのシャバーニがイライラしないわけですから、群れも非常に安定して良い状態を保つことができました。私もこんなにリラックスして過ごすシャバーニたちを見たことはもちろん初めてでした。
 
実はこれまでにも毎週月曜日の休園日には、シャバーニがイライラすることがあまりみられなかったため、環境による影響については決して小さなものではないと感じていましたが、これほどとは正直思っていませんでした。
 
再開園後ですが、シャバーニは以前の状態に戻りつつあります。しかしこればかりは、動物園に生まれた動物の性というほかありません。あとは私たち担当者がしっかりとケアしていければと思っています。」
 
 
やはりそうでしたか。
 
シャバーニ人気で、毎日ゴリラ舎に押しかける来園者たち。
その様子は尋常ではありません。
以前からゴリラ一家への影響が気になっていました。
 
 
 
「 私もこんなにリラックスして過ごすシャバーニたちを見たことはもちろん初めてでした。」
→ これは逆に言えば、常日頃の生活環境がよほど悪いということでしょう。

「 実はこれまでにも毎週月曜日の休園日には、シャバーニがイライラすることがあまりみられなかったため、環境による影響については決して小さなものではないと感じていましたが、これほどとは正直思っていませんでした。」
→ ブログでは、動物園で生まれた動物たちの 「性」 と表現されていますが、この状態は「性」 のひと言で片付けられるような軽い問題でもないような気がしますが…。
 
 
生活環境の問題は、ゴリラ舎だけではありませんね。
 
私、動物園に通うようになってから、もし自分が見学者ではなく、檻の中にいる動物だったら、そこからどんな景色が見え、毎日どんな気持ちで暮らしているのだろうかと想像するようになりました。
 
もちろん、ヒトと動物たちとでは環境に対する感受性や順応性も異なるでしょう。
しかし、私は、今の東山の環境では、私たちが想像する以上に動物たちは、日々の暮らしの中でストレスを感じているのではないかと思っています。
 
以前、武田邦彦さんが東山再生フォーラムの講演会で語っていました。
「動物たちはトンネルからのぞくのがいい。 檻に入ったストレスのある動物ではなく、伸び伸びと自然な暮らしをしている動物たちを私たちがのぞかせてもらうんですね。」
 
これが動物園の本当の姿だと思います。

現在、ゴリラ・チンパンジーの新獣舎を建設中ですが、これらの問題は解決されているのでしょうか。
開園80周年を機に 「トラ舎」「サイ舎」「もっと近くで」 をコンセプトに改修されるようですが、ヒトだけではなく "動物の視点からも" 考えられた改修なのでしょうか。
 
東山を始め動物園は、動物たちの生活環境の問題にもっと真剣に向き合うべきだと思います。
 
 
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シャバーニの鋭い眼光は、ひょっとしたら私たちヒトに向けられたものでは ……。