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医療機関の7割で「トラブルあり」

利用率はわずか5%…

大丈夫?現行の保険証12月廃止。

 

マイナ保険証どうなる? 医療機関の7割で「トラブルあり」利用率はわずか5%…大丈夫?現行の保険証12月廃止

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政府が決定した現行の「健康保険証」

廃止まで半年余り。

廃止以降は、マイナンバーカードに

健康保険証の機能を持たせた、

いわゆる「マイナ保険証」に一本化

される。

トラブルだらけマイナンバーカード。

あと半年で利用率は上がるのか。

 

保険証廃止に医療機関側も“危機感”

厚生労働省によるとマイナカードを

持っている約7割が、健康保険証の

機能をカードにひも付けている

(2024年1月22日最終更新)。

 

医療機関などでの実際の利用率は

低迷していて、厚労省によると、

2024年3月時点の利用率はわずか

5.47%と、廃止が決まった時と

比べても1%ほどの微増が現状だ。

福岡県内での利用率は5.19%だ。

カードの登録や情報のひも付けに

戸惑う市民は後を絶たない。

医療機関側も現行の保険証廃止に

危機感を抱いている。

 

林外科医院・林裕章理事長

(福岡県保険医協会 会長):

国は、新しいものにしてしまえば、

多少のトラブルはわれわれ現場で

「飲み込んでください」ということ

だと思うんですけど、それが多少

では全然ないので、私たちは

「これはちょっとやめてください」

と言わざるを得ない。

 

相談窓口設けられるも…

福岡市博多区役所の一角に常設されて

いるマイナカードのサポート窓口では、

予約なしでも市民の相談が受けられる

ようになっている。

 

2024年12月2日で健康保険証が廃止

されマイナンバーカードに機能が

一本化されることが決まって以降、

訪れる市民からの相談の多くが

「保険証機能のひも付け」に関する

ことだという。

 

保険証の機能をひも付けするにも、

暗証番号がわからずロックされて、

手続きがストップしてしまう人も

少なくない。

福岡市は12月の保険証廃止に向けて

需要がさらに増えるとみて6月から

公民館に出張窓口を設けるなどして

申請相談に応じることにしている。

 

市民に話を聞いていると、「病院の

受付で『保険証を出してください』

と言われることが多いので、普段は

保険証を使用している」という声が

聞こえてきた。

 

相次ぐトラブル安易に利用促せない

利用率は5%ほどと、普及している

とは言えないマイナ保険証。

政府が強く推し進めているにも

関わらず、国家公務員でさえも

利用率は国民全体とほぼ変わらない

5.73%だ。

所管する厚生労働省でも8.4%に

とどまっている。

政府は、マイナ保険証の利用を患者に

促し利用率が上がった医療機関には

最大20万円の一時金を支給することを

決定した。

しかし現場では、相次ぐトラブルに

安易に利用は促せないと危機感を

募らせている。

 

林外科医院・林裕章理事長

(福岡県保険医協会 会長):

5%しか使われていないのにトラブルが

これだけ多いと、それが10%、20%、

50%になったらどうなるんだと。

お金を多少もらったからといって、

わざわざ受付のトラブルを増やす事を

自分たちの方から促進しようという

気にはならない。

 

福岡・宗像市の林外科医院でマイナ

保険証を使う患者は週に1~2人。

ただ、このわずかな利用者でも、

保険の資格確認に不備があり、後日、

請求のやり直しが必要になったことが

あるという。

こうしたトラブルについて、福岡県

歯科医保険協会が公表した最新の調査

では、152の歯科医院のうち73%が

機械不具合などの「トラブルがあった」

と回答。

別の患者情報が誤ってひも付けられて

いたケースも確認されている。

最終的に保険証を見せればトラブルは

解決するという。

しかし保険証をなくしてしまうと、

トラブルの際の担保する機能がない

ままに宙ぶらりんになってしまう。

「それだけは回避していただきたい」

と林医師は言う。

 

「保険診療そのものが危うくなる」

林医師は「デジタル化に反対して

いるわけではない」としたうえで、

現場のトラブルが減らない限り、

保険証の廃止は時期尚早だと訴える。

 

林外科医院・林裕章理事長

(福岡県保険医協会 会長):

紙の保険証がないと資格確認が

できないということがこれだけ

あって、いま保険証をなくすという

のは保険診療そのものが危うくなる

残り半年というタイムリミットが

迫る中、本当に利用率は上がるのか。

「廃止ありき」ということが先走って

いないか?

現場では大きな疑問が残されている。

(テレビ西日本)

 

追記

医師らが患者を診療する際、マイナ

カードを使った健康保険資格確認を

義務づけられるのは違法だとして、

医師や歯科医師274人が22日、国を

相手取り義務がないことの確認などを

求めて東京地裁に提訴した。

今後、全国で原告を募り追加提訴する

という。

国は昨年、健康保険法に基づく規則を

改正し、患者らがマイナンバーカード

で資格確認を求めた場合に応じる事や、

対応する設備の整備を保険医療機関に

義務づけた。

規則は今年4月に施行される。

原告らは訴状で、対応しなければ

保険医療機関の指定が取り消される

恐れがあり「多大な費用や情報漏洩の

リスクの負担を余儀なくされている」

と主張。

「義務化は健康保険法が想定する範囲

を逸脱して違法」と訴えている。

提訴を呼びかけた東京保険医協会の

須田昭夫会長は会見で「現在の目視確認

でほとんどトラブルはない。現在の紙の

保険証でできるのに、なぜしなければ

いけないのか。医療をよくする気が

あるのか疑問だ」と話す。

医師らの間では「義務化されれば廃業

せざるを得ない」との声もあるという。

厚生労働省は「訴状を受け取っていない。

コメントは差し控える」とした。

義務化については「一般論としては、

患者の健康医療情報を有効に活用し、

より良い医療を提供していくことに

資するものだと考えている」と説明した。

 

 

 


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