万博招致に注力してきた日本維新の会の

振る舞いはどうだったか。

そもそも「維新は万博を『成長の起爆剤』

と訴え、関西を中心とした党勢拡大にも

つなげてきた」

(読売新聞、昨年9月24日)。

 

私も思い当たるフシがある。

昨年4月の統一地方選で大阪の選挙区に

密着したのだが、維新の候補者たちが

党の実績として万博誘致を誇らしげに

語っていたことを覚えている。

昨夏ごろから、税金も投入されている

建設費の増加やパビリオンの建設遅れが

指摘され始める。

すると、「政府・自民と維新の責任の

押し付け合いが目立ち始めた」

(毎日新聞、昨年9月17日)

 

そんなバカな。

しかし、こういう変遷を見ておくのが

大事なのだ。

昨夏からの記事をもう一度見てみよう。

「海外パビリオン申請ゼロ 万博協会、

建設代行提案」

(毎日新聞、昨年7月14日)。

 

この時点で建設申請ゼロという事態に

万博協会には焦りの色が見えるという。

私は「荒井注カラオケボックス事件」を

思い出した。

かつてザ・ドリフターズの元メンバー、

荒井注さんが建てたカラオケボックスは

入り口が狭すぎて肝心のカラオケ機材が

搬入できず伝説となった。

大阪万博も、本番がどうなるか分からず

荒井注万博のにおいがする、と昨年8月に

「文春オンライン」に書いた。

 

約半年後の先日、ニュースがあった。

「万博のシンボル"大屋根リング"巡り

...建設業界トップが新たな懸念

『リングで搬入に制約生じる』」

(TBS、2月22日)。

 

会場周囲にリング(大屋根)が完成すると、

建設用車両の通り道がせばまってしまい、

パビリオン建設が遅れる懸念があるという。

まさに荒井注のカラオケボックスではないか。

私の懸念は的中してしまったのか?

 

そもそもリングも会場建設費の上振れの

象徴的存在となっている。

「世界一高い日傘」という声や無駄遣い

との批判が絶えず整備費も当初想定から

2倍近くに増えている。

 

昔『リング』というホラー小説があったが、

大阪万博では建設費350億円の「リング」

がホラーだ。

だが関係者は何ごともなかったかのように

開幕日を迎え結果オーライを目指すだろう。

だからこそ博覧会を注視するのは大事だ。

 

昨夏の時点で警鐘を鳴らす専門家もいた。

「国民もこのような形の巨大イベントに

意味はあるのかと思い始めている。

このままでは、何となくやって終わり、

誰も責任を取らない。

東京五輪のようなことが繰り返されるだけ

(小笠原博毅・神戸大学教授)。

 

「東京五輪」が亡霊のように浮かぶ。

何となくやって、誰も責任を取らない......。

やっぱりホラーだ。

 

 

 

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