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“ 建築界のノーベル賞 ” プリツカー賞の

日本人建築家・山本理顕さん(78)。

山本理顕 に対する画像結果

 

山本さんがつくる建物は埼玉県立大学、

天津図書館、横須賀美術館など、

どれも開放的で、そこを行き交う人の

表情がよく見える。

「外」「中」、「公」「私」の境界が

「あえて曖昧」になるように設計されて

います。

それは、人々が生活する「住宅」でも

同じで、こうした山本さんの建築に対し、

プリツカ-賞は「建築の社会的責任に

ついて問題意識を喚起した」と、説明

しています。

 

なぜ、山本さんはこのような住宅を

つくっているのでしょうか。

課題に感じていること“専門家である

はずの建築家が、社会の中で信頼を

失っているのではないか”

「どうしたら地域社会がお互いに助け

合うような社会を作っていけるのか。

我々自身がそういうモデルになるような

住宅を作っていきたい」

 

1つの住宅に、1つの家族が当たり前と

されている現代。プライバシーが尊重

されるようになった反面、孤独死や虐待、

閉ざされた空間の中で起こる問題が、

深刻化しています。

「隣近所の人たちが助けられるような

住宅のプランニングになっていないんです。

その典型的なのは超高層マンションで、

外との関係は一切作れないようにしている」

 

そんな時代だからこそ人々が集い、交流する

機会を増やす住まいが必要だと考え山本さんが

つくる住宅には住民同士のコミュニティが

活性化しやすくなるような仕掛けがさまざま

施されています。

山本さんが最初に作った公共建築である、

熊本・保田窪第一団地にも、その思いが

貫かれています。

保田窪団地の住民のコメント(2011年)

「団地自体が一つの大きな家族のような

感じがあると思う。心地よい気配です」

 

山本さんがいま、課題に感じていること。

専門家であるはずの建築家が、社会の中で

信頼を失っているのではないかということ。

例えば、大阪・関西万博。

「あれほどひどい計画は、建築家から見たら

あり得ないと思う。日常生活を阻害するような

施設がカジノ。社会貢献(課題解決)する事を

前提にしている博覧会に対して、明らかに

カジノのための万博になっていると思います。

そこに対して建築家集団は何も言わない」

 

その上で、未来を担う建築家たちへ、

こうメッセージを送りました。

「(自治体や施主の)『御用聞き』のように

建築をつくるのは建築家の仕事ではないです。

自らのアイディアや思想が多くの人たちに

貢献できる、そういうプライドをぜひ持って

ほしいと思います」

 

 

 

 

 

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