「今日のダーリン」より
なにより脳がエネルギーを消費するのは、
「人間関係」についてのことだと聞いた。
こういう科学の知識の受け売りは、わりとすぐに
「あれはちがってました」なんてこともあって、
気をつけなきゃならないんだけど、
たしかに「人間関係」の問題はむつかしいとは思う。
「人間関係」の問題は、だいたい「距離感」の問題だ。
あっちがそれほど親しいと思ってないのに、こっちが
親しすぎるふるまいをしたら、関係はわるくなる。
「親しき仲にも礼儀あり」というくらいなので、
親しいと思っている同士の間でさえ距離感は大事だ。
「距離感」をじょうずにとれる人は、相手を楽にする。
もうちょっと近くとか、少し遠めにするとか、
お互いが居心地のいい距離を探してくれるのだから、
相手だって、それが気持ちいいにちがいない。
だれでもがじょうずになれるものでもないけれど、
じぶんなりに「距離感」を考えたり学んだりするものだ。
ぼく自身も、長年生きているからそれなりに考えてきた。
失敗もしたかもしれないし、たのしくもやってきた。
やっぱり、「基本的な法則」があるような気がするのだ。
いくつか、いま、すぐに言えることもある。
ひとつは、距離にかかわらず口から出すことばは、
できるだけていねいなほうがいい。
もうひとつは、じぶんが想像した距離より少し遠めに
距離をおいたほうがいい、ということだ。
どっちも、「少々水くさくあれ」ということになる。
近づく関係なら、いつかそれなりに近づくものだから。
やや遠めに距離をとっておけば、迷惑にはなりにくい。
人間関係は、むつかしいものかもしれないけれど、
へたなりの距離を守っていたら、臆病にならないですむ。
むつかしいことは、「うまくやろうとしない」が正解だな。