従兄の初盆法要のために朝、家を出て、
高速バスに乗り込んだ。
叔母が生きていた頃は、よく通っていた。
バスが到着したら (たとえ真夏であろうと)
てくてく歩いて叔母の家まで行ったものだ。
懐かしいなあ。
初盆は山のふもとの菩提寺で行われるので、
バスを降りてタクシーで向かった。
時折雨が激しく降る中、無事法要が終わり、
お墓に納骨も済ませた。
叔母の家は今はだれも住んでいないので、
当然エアコンは使えないから、お寺から
そのままホテルへと向かう。
東京、大阪からの親族も数名いるので、
ホテルを何部屋かとっていた。
京子さんも驚いていたが、とった部屋が
我が家より広い。
その中の一部屋で京子さんとゆっくり話が
出来た。
初盆なのに近況報告みたいで、ケラケラと
二人で笑ってばかりだった。
早めの夕食を１階の広い宴会場で頂き、
親族との談笑の時間が過ぎる。
小さい頃に会ったきりの健一郎の息子に
会ったが、あまりの性格の素晴らしさに
驚いた。
威張りん坊の健一郎とは真逆の、優しく
穏やかな青年だった。
京子さんが常々性格のいい子だと言って
いた以上の子だった。
この息子がいるなら、京子さんは大丈夫と
安心した。
京子さんがあわてて言う事も一つ一つ最後
まで黙って聞いていて、穏やかに物静かに
応える。
そして明るくよく笑う子だ。
娘も、優しくしっかりしていて、ご主人も
一緒に来ていたが、救急救命士とのことで
精悍な好青年だった。
とてもいい時間だった。
帰りのバスの中で豊かな気持ちになれた。
京子さんが大阪万博に一緒に行きましょうと
言っていたけれど、開催されたら行きますよ。
