ロケットニュース24

 

これまで、数々の大手カード会社や民間サービスを騙る

フィッシング詐欺に潜入し、その防止策をお伝えしてきた

自称「ネット詐欺撲滅隊長」の私だが、この度とうとう

ヤラかしてしまった。

 

ネットで初めて個人情報を抜かれてしまったのである。

しかも今回はフィッシング詐欺ではなく、ECサイトを装った

詐欺サイトだ。

幸いにして騙し取られる一歩手前で気づくことができたが、

個人情報は抜かれてしまった。

私のような被害者を出さないため、ニセ通販サイト詐欺の

一部始終と防止策をお伝えしたいと思う。

 

この詐欺に遭ってしまったきっかけは、部屋の模様替えを

考えていて、新しい家具を探していた時だった。

その際「ダイニングチェア」を買い換えようと思いネットで

探していたところ、『JENNY』というメーカーのダイニング

チェアーがオシャレ感満載で「これを買おう!」と一発決断。

ちなみに価格は20000円くらいだった。

そこから「JENNY ダイニングチェアー」というキーワードを

検索して、なるべく安いネットショップを探していたところ、

ふと、あるページが目に止まった。

 

さっそくクリックしてみると……

激安やん。

ショップ名は「●屋モール」という聞いたことのないサイトだが、

税込でも10000円切る安さ。事前に大手サイトでも調べたが、

ここまでの割引は無かった。

ショップの情報を見る限り、特に怪しい感じは見受けられない。

 

その他の箇所を見ても、やはり普通のECサイトである。

 

ということで、購入手続きを進める。

フォームに個人情報を全て入力すると……

金額が表示される。ここまで気がつかなかったが、配送料無料。

ラッキー!

 

決済ボタンを押して、一通り、必要な手続きが完了……

 

???

なぜか 右上に自分の名前が表示される という、初めて見る

パターンにちょっとした違和感を覚えたが、ログイン状態で

表示されるものと思って さほど気にはならなかった。

 

・購入後のメールの違和感

通常のサイトなら、ここで支払い手続きのためのカード情報の

入力フォームに移動するパターンが多いのだが、なぜか今回の

購入手続きはここで終了してしまった。

その後、購入完了メールが届く。

 

「●●フードビジネス株式会社にようこそ」

???

 

その後、「※重要※【銀行振り込みの件】【先払いです※】」

という、銀行振込の案内メールが届く。

差出人は「加藤 ●也」という名前で、その前に届いた

「●●フードビジネス株式会社にようこそ」という件名の

メールに記載されていた、「高野 ●朗」とは別人らしい。

まぁ、この「加藤 ●也」はショップ担当の従業員かも? 

と思いつつも、メールの振込先の名義人を見てみると……

「カンカナム マナゲ ウダヤ トウシツツ クマラ」という、

メチャクチャ長い上に、国籍すら全く検討がつかない名前。

ここに来て、先程までグレーだった疑いが限りなくクロに

近いグレーに変わった。

 

今回は幸いにして金額的被害はギリギリで逃れることはできた

ものの、不覚にも登録した時点で個人情報を抜かれてしまった。

 

当初はクレジットカードで支払う予定だったので登録フォームが

あれば迷わず登録していたことを考えると、相当恐ろしい事態に

発展した可能性が高いくらい、このECサイトを装う詐欺は巧妙だ。

しかも、見知らぬ発信元からメールが送られてくる、比較的わかり

やすいフィッシング詐欺とは違い、検索エンジンの表示結果の中に

自然に紛れ込んでいるので、サイトの作りも違和感が無ければ、

警戒心も薄れて自然に個人情報を打ち込んでしまう心理に陥って

しまうだろう。

そこで、このECサイトを装う詐欺を判断する材料は、以下の2つだ。

・サイトのTOPページに飛んで表示されている全商品が、半額以上

 の割引になっているか?

・会社概要で運営会社の名前に違和感がないか? 実在している

 会社でも、社名をググって住所などが異なっていないか?

 

今回の「●屋モール」の他に怪しい詐欺サイトと思われるものを

数件調査したところ、この2つが共通していたので、今のところ

見分ける手段としては現実的だろう。

 

その他にも「支払いが銀行振込しかない」「銀行振込先と店名、

もしくは代表者名が一致しない」などの見破る材料もあるが、

サイト自体にはカード決済などはOKと出ていて、購入手続き後に

発覚したため、個人情報を抜かれたあとで気づくことなので、

参考程度に留めておいてほしい。

 

以上が、私が体験したECサイトを装う詐欺の一部始終だ。

この記事が被害防止の一助になれば幸いである。

 

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過去にもネットがらみの詐欺被害にあったことがあり、

地元の警察署へ相談したのだが、事務的に被害届を作る

だけで、その後ほとんど何も対応してくれなかった。

住所まで分かっていた。

しかし当時担当してくれた刑事さんは「たぶん犯人は

捕まらないでしょう」とまで言う始末。

地元の警察署

「北朝鮮からのアクセスだと手出しできません」

今ほどネットが浸透していなかった時代だったとはいえ、

又、警察の事情もあるのだろうが私は本当に悲しかった。

結局は泣き寝入りだ。

 

乗っ取り野郎が私のアカウントに楽天からのログイン時の

IPアドレスを調べた結果、乗っ取り野郎はアメリカ西海岸

サンノゼにあるサーバーからログインしているということが

判明した。

そのサーバーの管理会社を調べてみると、

中国・上海にあるIT企業であった。

何も後ろ盾がない私にできることは、非力ながらここまで

である。

 

こんなにキモチワルイことになっているのに!

現時点では、何もできないという。

やっぱり、なにもできないのだ。

 

 

 


 

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