非常事態の日々なので、ゴールデンウィークも
ピンとこない。
そのさなか、久しぶりに携帯が鳴った。
送信してきた人の名前、あれ?
一瞬誰だか記憶を探った。
何年も前のこと、普通のガラケーから
スマホに変えたのを機に、大手キャリア
から格安シムフリーにしたのはいいが、
今までデータをそっくり移してもらっていた
作業を一から自分で入力するのが面倒で、
もろもろ相当省いていた。
料金がいるので自力でやろうとしてギブアップした。
アドレス登録も面倒で断捨離?した。
その中でも、連絡をくださっていた方々は
( 年賀状、ショートメールなどで )登録して
いたが、そのときの仕事先の女性の名前
だと思い出した。
電話の声は相変わらず元気そうだったが、
非常事態宣言後、社員は代わりばんこに
1週間のうち2日程度出社しているとのこと。
主に電話番みたいなものよ、だそうだが、
いつまでこの状態が続くか分からないし、
「 そこで、会社が最高品質のマスクを扱う
ことになったのよ。医療関係者が使うような
いいマスクよ 」
電話の本題はマスクを買いませんかだった。
違和感を感じつつも相槌を打ち、話を
続けたが丁重にお断りした。
全然マスクとは関係ない会社だが、何とか
生き残りをかけているんだろう。
ゴールデンウィークでも、彼女たちのような
真面目な社員たちは、自主的に知り合いに
電話をかけている。
これも立派なテレワークだ。
お互い当たり障りなく、電話を切った。