「そのギャップを越えてこい」 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録

 

 2月3連休最終日も山。2泊3日山行がつぶれて、どうしたものかと中日は白根山で御茶を濁してしまったけれど、最終日はやる気のある後輩パートナーに恵まれて、松木ジャンダルムへ冬壁登攀しに行くことができました。

 冬壁登攀とは、雪稜やアイスクライミングとは違い、夏にクライミングシューズを履いてクライミングするルートを冬にアイゼンで登ってやろうというジャンルです。最近はダブルアックスが主流でしょうか。

 わたしもちゃんとした冬壁と呼べるようなものに取り付くのはまだ7回目で、まだまだかじり始めた程度といっていいレベルです。

 

 

 松木ジャンダルムの右壁取り付きまでやってくるとまったくないと思っていた雪が少しは残っていたので、冬壁の雰囲気はたもてたかも。。因みに、初めて松木ジャンダルムに冬壁登攀に行った際の記録がこちら(↓)

https://ameblo.jp/tama-xx/entry-11992259097.html

 積雪量がまったく違います。当然冬壁登攀は雪が多いほうが難しいので、今回は楽そうだ。

 

 

 

 パートナーは冬壁初挑戦なので、終始わたしがリードしました。今回はダブルアックス主体のドライ気味に登っていきましたが、昔と違ってアックスを信用できるようになったので、手で登るよりはるかに楽に感じられました。初めのころはアックス使って登るほうが難しいと感じていたので、大きな成長です。

 

 

 

 登っているルートは二段チムニールート。ジリジリとチムニーを登っていきます。後輩がたまさんの服装がいつもボロボロな理由がやっと分かりましたと失礼な発言をするので、いや、それただ貧乏なだけだからと、わたし。。

 こんな後輩はこらしめてやれと、二段チムニールートからにゃんぱらりんにつなげるという、栃木クライマーの悪しき慣習と呼んでも差し支えないかわいがり「にゃんぱらりんを飛ばせる」をかましてやれとルート変更。

 

 にゃんぱらりんとは、ピナクルの頂上から隣のフェースへ乗り移るルートのこと。約1m80cm口を開けているギャップを飛んで渡らなければならず勇気が試される。落ちればリードでもセカンドでも壁に叩きつけられること必至。そこに後輩を連れていくのです。いじめ以外のなにものでもない。

 

 

 しかし、ピナクルの頂上に立ってみると分かる。セカンドで飛ぶ時より段違いに怖いのだ。じつはかわいがるほうの勇気も試されているルートなのでした。にゃんぱらりんをアイゼン履いて飛ぶとか阿呆みたい。なんでこんことしなくちゃいけないのだと、まあ半ベソかきながら飛びましたね。後輩をかわいがるどころではないのでした。。

 後輩は笑顔でフェースに乗り移り、わたしのほうが「へぇ、へぇ~大丈夫なんだ~すごいね~」とか虚勢を張り張り登攀は終了したのでした。

 兎にも角にも、先達がわたしを連れていってくれた冬壁のにゃんぱらりん、わたしも後輩を連れていくことができました。教わったことを後ろに繋げていくのも山への恩返し。良い先輩と後輩に恵まれて、わたしは本当に人に恵まれているなと感じる今日この頃なのでした。(おわり)