冬合宿「広河原沢第3ルンゼ他」栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録

 年明けていますが、年末の冬合宿のことを先に書きます。

 

 昨年の冬合宿は黄蓮谷右俣を狙っていましたが、一昨年同様、前々日に寒波が到来降雪となってしまい、雪崩リスクが高いと判断して転戦としました。いつか登れる日を夢見て、黄蓮谷は宿題にしておきます。

 転戦先として選んだのは、八ヶ岳の阿弥陀岳につめる広河原沢でのアイスクライミングです。まだ雪稜でしか入ったことのないエリアなので、今回はアイスクライミングで遊んでみます。日程2泊3日でメンバーは例のごとくWAKAさんです。

 黄蓮谷よりかなり楽なルートになりましたが、これはこれで一安心。というのも、わたし風邪治りかけな上に、足首を月初めに挫いてしまいまして、なんとも万全とは言えない状態。こんなんでもいけると判断はしていたものの、やはり心配ではありますので、ルート難度が下がって安堵したわけでございます。

 

 

 兎にも角にも、舟山十字路に車を置いて、広河原沢二俣幕営地を目指します。やはり人気のエリア、年末ともなれば早朝から車がたくさん。広河原沢二俣にテントを設営し、いらない荷物をデポしてから、まずは広河原沢左俣を目指します。低気圧の影響で稜線は荒れ模様。初日は稜線には抜けずに途中まで偵察するイメージでつめることにしました。

 

 

 左俣には道中ザイルを出すような氷瀑はなく、黙々とつめていきます。

 

 

 途中、ナメが長く続くところがあったので、そこに入って遊んでみる。

 

 

 プチ黄蓮谷。楽しい。

 

 

 ルートに戻って少しつめると下部の大滝が姿を現す。

 

 

 ここで初めてザイルを出す。リードは順番ずつにやろうということで、ここはWAKAさんリード。大滝を抜けたところで設定していたタイムリミットになったので、この日はここから懸垂に次ぐ懸垂で同ルート下降して幕営地まで戻りました。

 

 翌日、6時発予定が寝坊して9時発に。9時に出発している山屋っていったい。。思えばやはり体調がかんばしくなかったのかもしれない。。 

 この日は予定通り広河原沢第3ルンゼをつめることにした。この日も午前中は低気圧の影響で風が強いようなので、阿弥陀岳山頂を目指すかは稜線に着いた時の風次第。

 

 

 

 寝坊もあったので、写真もそこそこに黙々と小滝やナメ滝をノーザイルでクリアしていく。

 

 

 

 最初の大物3段大滝は埋もれていてなんちゃって2段になっていたので、何の気なくクリアし、その上のバーチカル気味の8mの核心に到着。

 

 

 さほど難しくなさそうだったので、次のリードはわたしの番と取り付いてみるも、スクリュー2本打った時点で上部はアックステンションド頼りの鈍行になると判断して撤退。アイス急成長中のWAKAさんにリード交代を頼む。WAKAさんもシャワーや落氷やらを浴びつつの大変なリードとなった。わたしも落氷を指に受けたものの大事にはならなくて済みました(ヒヤリハットが続いている大丈夫だろうか。。)。フォローで登てみたらやはりこの滝の上部はバーチカル気味でしびれた。リードを代わってもらい正解でした。

 

 

 本核心滝は2段になっていて、上部は弱点に見える右の氷柱が折れてしまっており、これまた見た目と裏腹に案外難しかった。抜けるにはシャンデリアをキレイに怖してからとなり、かなり時間を使ってしまう。待たせた後続パーティには悪いことをしました。修行して出直して参ります。申し訳ありません。

 

 

 そして残る斜面をつめて阿弥陀岳南稜P3に到着。到着時刻や稜線上の風のこと等考慮して、行けるには行けると思うのだけど今回は山頂へは行かずに南稜をそのまま下山することにした。WAKAさんは最終日を棒に振ってでも阿弥陀岳山頂まで行きたいようだったが、ヒヤリハットが続いているし、ここは諦めてもらう。

 

 

 P3からは富士山が見事でした。

 

 

 南稜を下山中、わたしの声がかすれてしまい出なくなる現象が発症。風の治りかけをのど飴で誤魔化してきたけれど、-15°の乾燥した氷点下の世界で、残っていたばい菌が増殖したのかもしれない。兎に角、困った状態だ。

 

 

 行くはずだった夕日に染まる阿弥陀岳を眺めながら、明日どうしたものかねとWAKAさんと見つめ合うのだった。

 

 最終日、声はさらに悪化してほとんど出ず、落氷を受けた指も腫れてきた。3日目はクリスマスルンゼ周辺で練習して帰る予定にしていたけれど、悩んだ末、テント撤収して下山することにした。声が出なくても笛を使ってビレイやらなにやらできるけれど、やはりいざ何かあった時に声がでませんじゃ洒落にならない。WAKAさんには申し訳ない結果となってしまったけけれど、承知してもらい、合宿は幕を閉じました。

 まあ合宿といっても今回は遊びの延長のような軟派な山行になってしまいました。やはり体調万全であってこその山です。普段はまず体調を崩さないのですが、保育所に預けるようになった娘が風邪をもらってきて、そんな娘ともベタベタしていればそりゃやっぱもらっちゃいますよね。そういう時は今後よくよく注意しないといかん。早く帰宅できて紅白をのんびり家族で見られたのは良かったですけどね。

 というわけで、2017年の山はこれでおしまい。来年はネパールヒマラヤ遠征もあるし、がっぷり四つで山と向き合っていきたい。2018年は残った種火を掻き集めて、弱り始めたハートに再点火してみせる!(おわり)