フィクション小説読み続けているのですが、痛し痒しの作品につかまり停滞してしまいました。昨夜ようやく抜け出せたよ!!
本年5冊目にあたる作品は、下村敦史著『生還者』。山岳ミステリーものなのですが、わたしが山をやるから言うわけではありません、素晴らしい山岳描写です。登場人物も山屋然としていて納得だし、ドラマも主題も読みごたえがあり、しまいの読後感までいいときたら、これは褒めるしかない。ただ、海外遠征の準備がどれだけ大変かしっている身としては、どんな事情があるにしても、こんなに簡単に海外の山に挑めるものかなというのはあった。ともあれ、楽しませていただきました。(☆☆☆☆・)
6冊目に手に取ったのは柚月裕子著『孤老の血』。「仁義なき戦い」シリーズをリスペクトしているものとして、本作が描いている広島、ヤ○ザ、警察というジャンルはまさにツボ。しまいのドラマが素晴らしく読み終えてみればああ面白かったと思えるのだけど、なんというかな、道中はかなり苦戦した。オチのためとはいえ、伏線の配置がボコボコと突出しているし、登場人物の配置も意図が見えて違和感がある。ことあるごとに流れを遮断されてかなり窮地に追い込まれました。ともあれ、最後にすべてチャラにしてくれたので頑張った甲斐があったぜと。でも読書は頑張ってするものじゃないからね。
余談ですが、映画版が制作されていて監督が白石さんとのこと。期待大ですね。(☆☆☆★・)
7冊目に読んだ作品は、アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ共著『熊と踊れ(上下)』。実話をベースにしている作品ということで、本当に驚かされたし、しかも血縁者が書いているなんて!それだけでビックリ、かってに作者の心情そ想像しては興味深く読めます。しかも下巻の畳みかけるドラマは読み物としても秀逸でした。
しかし、本作がこのミスの海外部門1位であるというのは納得できません。なぜなら上巻が酷すぎます。なんでこんなに読みづらいのだろう。数ページ読むだけで本を閉じる毎日でした。翻訳が悪いのか、もともとがそうなのか、北欧ミステリは当たりばかり引いてきたので、久々に洋書翻訳の壁にぶつかり残念でした。(☆☆☆・・)