本年は機会に恵まれて、2014年振りの「世界報道写真展」に足を運ぶことができました。昨秋リニューアルオープンした東京都写真美術館も初見参になります。落ち着いた色調で洗練されていて見違えましたね。ともて良くなったと思います。
さて、10回以上は通っている同展ですが、娘が生まれたこともあり、やはり作品も子どもが写っているものに強く惹かれてしまう自分がいました。どんな国に生まれても、どんな民族に生まれても、誰もが生を受けて良かったと思えるような世界であって欲しいですね。
まあそんな杓子定規な理想を書いてもしようがないので、自分の子の瞳だけでも曇らせないよう留意したいと思います。
しかし「世界報道写真展」はいい。やはり写真というジャンルなのがいい。瞬間が切り取られているというのは、流れ動いている映像よりも圧倒的に作品の主題が際立つ。直視しなくてもいいと分かっている気になっていることですら、間違いだったと認識を改めさせられます。
世界の不条理から目を背けずに、自分の時間と公の利益を比較考量しつつ、それでも自分の選択を恥じることなく人生を謳歌するほかない。いつか、子を連れだって行きたい写真展だ。その時にも開催されているといいけど、世界がどう動くか予測し辛いご時世、このような写真展が10年後には開催されていない可能性だってある。(おわり)