栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマーの娘、雪山デビューする。

　なんでも二極分化で考えるのは危ない。山もしかり。夏山より冬山のほうが危ない、縦走よりロッククライミングのほうが危ない、といった具合に考えると本質を見謝る。どちらもリスクのある山なのであるからして。山を登るなら自分でしっかりとその山に内包しているリスクと向き合う必要があるだろう。

　さて、まだ０歳のわたしの娘、既に栃木百名山を11座登っているわけだけど、史上最年少で栃木百名山を達成させようと真剣に山に向き合っていると、山のリスクは人によって千差万別であるということに気づかされる。誰にでも通用するような山の難易度表を作ることはできないのだ。

　わたしや妻が背負っているという前提で考えれば、現状の娘は夏に入るより冬に山へ入ったほうが絶対に安全だ。冬のリスクには、わたしや妻が対処できないものがほぼ完全にないけれど（危なかったら撤退すればいいだけ）、夏山には対処できないリスクが数え切れないほどある。今から春そして夏が来るのが怖く、どう対応しようかと頭が痛い。