今年は11月に積雪があったので、冬のクライミングに期待が高まったけれど、蓋を開けてみれば、寒波と暖気が交互に来ているらしく、積雪も多いとは言い難い結果に。なにより、滝が凍らないのが困る。
11月最終週は、当初より八ヶ岳でアイスクライミングのシーズンインに当てる予定だったけど、八ヶ岳でもまったく氷結していないという情報を受けて中止判断。ならばと、アイスのシーズンインは日光に変更することにした。そう、知っている人は知っている、わたしが初登したと昨年報告させて頂いた「五色山北ルンゼルート」です。
(※ルート情報は、下記アドレス先より参照のこと)
山行報告『五色山北ルンゼ~金精山』前編
http://ameblo.jp/tama-xx/entry-12115421471.html
山行報告『五色山北ルンゼ~金精山』後編
http://ameblo.jp/tama-xx/entry-12116478236.html
八ヶ岳がまったく凍ってなくても、あのルートなら凍っているはずだ。わたしは2013年から毎年通っているので、そういう確信がある。
現地に到着すると、やはり凍っていました。でも、過去もっともあまい氷結です。当然スクリューなんて打てません。アックスで強く叩けば辛うじて氷結している氷を壊しかねない。沢床もすぐに割れて足をドボンしてしまうような状態。それでもやさしくアックスを置き、アイゼンを置きしていけば、登れます。当然登ろうということになりました。
上画像の先にあるF3(25m)もスクリュー打てるような状態ではありませんでした。沢床に乗れないところは、壁をトラバースしてなんとか抜けていきます。完全にアルパインアイスの世界です。楽しー!
そして大物F7(ナメ45m)の登場です。こいつも氷結が悪くスクリューを打てるような状態ではありませんでした。
本ルートの核心F8を見て、この日の登攀は終了。やはりF8も氷結していませんでした。
この日の白眉は下山でした。あの手この手で登ってきたルートを今度はクライムダウンしていかねばならないわけです。沢床を踏み割らないよう慎重に下りねばなりません。細かい懸垂を3度交えて下山しました。とてもいい勉強になりました。
自分が初登したから言うわけではないけれど、やはりこのルートは面白いですね。毎年足を運んでも見せてくれる表情が違います。求められていることは案外多く、今年は氷結が甘かったこともあり、アルパイン的なアイデアがないと抜けられない滝もあったようです。八ヶ岳には行けなかったけど、結果オーライ。皆でワイワイ楽しいシーズンインになりました。(おわり)