近況615.夏合宿「登攀訓練(緊急避難)」 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録

 妻の予定日が近いので自宅周辺待機中のわたし。今年は夏合宿もお預けかと思いきや、自宅周辺待機中なのだから自宅周辺なら開催できるじゃないかと思いつき、計画立案して夏合宿は決行されたのでした。時間は待ってはくれない。成長するチャンスは常に逃してはいけないのです。

 今回の夏合宿のテーマは「登攀訓練(緊急避難)」としました。

 普通の訓練とは違い、上級者向けの訓練になるので、今回はやる内容と手順を事前に密に決めてから挑みました。

 

 

●合宿スケジュール(1日目)

 アルパインをしていると、登攀中に夜中になってしまったということはあり得ます。そこで第1訓練「夜間登攀訓練」。ヘッドライトの明かりのみで3級1ピッチを登ってもらいます。

 アルパイン中に岩場のテラスでビバーグしなければならないことはあり得ます。そこで、第2訓練「岩場テラスでのビバーグ訓練」。自作のチェストハーネスにセルフを掛け替えて、ザイルをほどき、ハーネスを外して、半畳ほどのテラスで寝ます(落ちないこと)。

 

 

 テラスでビバーグしている最中に、ザイルを落としたり、ATCを落としたりしては致命的。そこで、第3訓練「岩場テラスでの生活訓練」。荷物やギアの整理。物を落とさない。湯を沸かして朝食をとる。必要に迫られたら用をたす(携帯トイレ利用)等の訓練をします。

 

 

●合宿スケジュール(2日目)

 朝食を済ませたら、ハーネスやザイルを自身に装着しなおし(セルフの掛け替え)、寝起きで1ピッチ登ります。そこから懸垂下降して、夜間登攀及びビバーグ訓練は終了。

 一度下りてからは、再度登り返し、第4訓練「自分で打ったハーケンでの懸垂下降訓練」をします。リードがクライミング中にそれ以上登ることが不可能になった体で、ハーケンを打ち懸垂下降で撤退するという想定の訓練です。例えば、登り出したはいいが、自分の実力では登れなかったとか、ルート上に蜂の巣があり、先へ進めない等。

 それに併せて、第5訓練「ハーケン訓練(クライミング中にハーケンを打ち、ハーケンを抜く(できるだけ片手で))」、第6訓練「ATCガイドのブロック機能を解除しながらセカンドのクライムダウンを助ける訓練」や第7訓練「懸垂下降中に仮固定して、両手放しで作業を行う訓練」を行いました。

 すべて、わたしがリスクマネジメントで、一度体験しておきたかったことばかりだったので、充実した合宿にすることができました。付き合ってくれた仲間に感謝です。本当にありがとう。(おわり)

 

●注意

 因みに、本訓練は、仮固定がほどけたりハーケンが抜けたりした場合でも、ビレイされていたりバックアップされていたりし、安全な体制を二重三重に構築して行われています。危険ですので安易に真似するのは絶対やめてください。