近況598.海外登山技術交流会でマチガ沢~ | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録





 わたしが所属している県岳連海外委員会の恒例行事、海外登山技術交流会が開催されたので、個人的には4年連続のマチガ沢東南稜登攀を目指して、谷川入りしてきました。4年前はペーペーだったわたしも、いまや海外委員会副委員長を務めさせて頂いているので、例年と同様の準備をしていたら、いつの間にか先輩が誰も参加されず、なんとわたしに丸投げの行事となってしまったのでした。うーん、大丈夫なのかしら。

 しかも、今年は2年後に控える県岳連70周年記念登山に向けて、覇気を放っているクライマー達も参加するとあって、参加メンバー中、一緒にザイルを組んだことがある者がわずか1名。始めて山を共にするクライマーが4名おり、計6名での登攀となる。うーん、大丈夫なのかしら。

 ともあれ、やらねばならないなにごとも。鋭意準備して、なんとか無事に済ますことができました。あーなにより、なにより。












 今冬雪がまったくないと書き続けてきたので、分かる人も多いと思うけれど、今年は沢スジにも当然のように雪がなく、マチガ沢を東南稜に向けて、つめていっても、いつものように雪渓は出てきてくれやしないのだ。今年の沢スジには過去ないほど雪がない。普段ならしっかりと雪渓があるあるエリアに1mmの雪すらないのだから、驚くばかり。

 そんなわけで、雪渓上をつめることができず、アイゼンでひたすらプチ岩登り。滝を巻いて、巻いて、崩壊しそうな雪渓を速足でやり過ごし、なんとか東南稜取付に辿り着いた頃には、自分に課していたタイムリミットを超えていたので、登攀は諦め、マチガ沢を直上して山頂につめる判断とした。












 タイムリミットは微妙な時間帯ではあったけれど、メンバーからいや登らせてくれ!といった反抗の声はでず、なかなか統率がとれ、また力のある隊であった。事故がなくて本当に良かった。なにより、なにより。









 夜の懇親会は、同じく海外委員会に所属している妻が準備をしてくれていて、大助かり。









 翌日の氷河上のセルフレスキュー(クレバス脱出等)の講習も、わたしが教える側だったので、ひたすら勉強したものを披露するばかりでしたが、まあある程度形にはできたかなと思います。

 今回は先輩がいないということで、色々気苦労も多かったけれど、終わってみたら、経験値はかなり稼げたみたいで、成長している自分に気付けてなによりでした。いままで先輩方が教え、準備してくれた大変さを思うと、ありがたい気持ちでいっぱいですな。感謝!(おわり)