リベンジ、大田原マラソン出場!@宇都宮城NIN-NINランニング倶楽部 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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 さて、予定通り勤労感謝の日(11月23日)に今シーズン最終戦となる大田原マラソンに出場してきました。大田原マラソンは6年前に出場して関門くらった、やり残しのある大会の1つです。

 「制限時間4時間、自己への挑戦状!」と公式サイトでもうたっているように、関門が結構シビアなんですよ。「大田原マラソン リベンジ」で検索をかけると、わたしでなくても、リベンジをしようとしている方が大勢いることに気付きます。

 そんな大会なので、わたしもこの日を意気揚々と迎えたのかといえば、じつはそんなこともなく、9月末より200㎞走り込んできたと書けば最低限は整えたように見えるかもしれないが、じつは11月3日の那須塩原ハーフマラソンから先、わたしは30㎞しか走っていないのだった。


 なぜかって?


 それは、那須塩原ハーフでやはり肋骨を負傷していると痛感させられ、やはり安静にしておいたほうがいいのかなと、なんとなしに自粛ムードな日々を送っていたのです。山も11月はこの前の土曜のアイゼントレの1度しか入っていません。つまりはそれなりに真面目に安静にしていたわけです。

 とはいえ、それは形だけであって、山の計画は立ててたし、走らなくちゃ、走らなくちゃと思っていたから、雨天が続いた偶然か、はたまた、わたしの治したいという無意識がなさせた業か、兎にも角にも、たいした準備をせずにしっかりと安静にして本番を迎えてしまいました。

 わけで、当日はリベンジなんてできない気満々でした。大田原マラソンは「完走=サブ4達成」の市民ランナーには厳しい大会。おまけにエイドが一切ありませ(公式もボランティアもまったくない)。なにか栄養を補給したかったら、自分で用意しなくてはならない原始的なマラソン大会となっています。だからこそ、市民ランナーからもスペシャルドリンクを受け付けているという、記録を真摯に狙うためにある、元来のマラソン大会なのです。

 わたしもスペシャルドリンクを用意するのを楽しみにしていたのですが、どうせ完走できないのだから無駄であるとし、用意しませんでした。そして、当日の雨予報で、ますますやる気が起きません。思い返しても雨でフルマラソンを走った記憶がない。(みぞれ吹雪の中ハーフなら走ったことがあるが)

 ああやだやだと思っていたら、会場へ向かう車の中で時計を夫婦そろって忘れていることに気付く!(2人とも忘れるなんてことあります?信じられない!我ながら)コンビニに寄るも最近のコンビニには腕時計が置いてなく、会場で売っている時計は4000円弱するときた。高いなあ、いいや、なくても。どうせ完走できないんだから。みたいな

 そんなこんなまったくの体たらくで会場に向かっていたら、応援しに来ていた山岳会他お世話になりっぱなしの大先輩Iさんを発見!ここで恥を忍んで時計を借りることができました。時計の電池容量が少ないとのことで、ラップはきらないただの時刻表示のみの利用ですが、10時ジャストスタートだから計算は容易いはず。本当に助かりました。

 Iさんと話していて、完走できそうもないと話すと、しょんぼりとしておられた。やる気のない後輩で申し訳ありません。。という気持ちに・・・

 やはり準備をしていなくても最大限の努力をしたことくらいは示さないといかんな。そもそもこの流れでは誰にも報告もできやしない。よし、取り敢えずラップは感覚でしか刻めないから、早めに刻んでいこう。㎞520秒くらいで。そしていけるところまではしっかり走ろう。そしてスタートの号砲が鳴った。


○~10㎞通過まで

 号砲とスタートライン通過のタイムラグは約1分。思ったよりも少なかった。1㎞毎のペースを取るのは面倒臭いので、大凡で走ってみる。わたしが普通に走ると510秒~30秒ペースくらいだろう。5㎞通過時点で時計を確認。ペースに問題ないと確認し、10㎞地点で自分が520秒ジャストで走っていることが裏付けられた。ラップを刻む感覚は流石に体に染みついているようだ。

※トータル5324秒(㎞520秒ペース)


1020㎞通過まで

 20㎞通過まで時計を気にしなくても順調にラップを刻めた。サブ4は本来㎞540秒ペースで走れば達成できる記録。しかし大田原は㎞530秒以内で走っていないと第2関門にひっかかるように制限時間が設定されています。だから、㎞540秒ギリギリで走っていたり、昔のわたしのように、前半抑えて後半スピード上げるタイプは、関門通過に注意する必要があるのです。そもそも昔の大田原で関門ひかかったのも厳しかったせいではなく、この関門への対処を上手く計算できていなかったから。大田原で初めてサブ4を成そうとしている方は注意が必要でしょう。

 いうことで、妻はサブ4ギリギリの実力なので、㎞520秒ペースに付いてこれず、ここで別れることになった。ここからは一人旅です。

※区間5309秒(㎞518秒ペース)

トータル1時間4633


○ハーフ通過

 思った通りのラップ刻みだった。こんなんなら時計なんてないほうが気分良く走れていいのかもしれない。1㎞毎に時計と睨めっこのストレスはマイナスのほうが多いのではないか・・・

※トータル1時間5228秒(㎞520秒ペース)


2030㎞通過まで

 ・・・と思っていたら、ペースが読めないで困るのはバテ始めてからだった(当然です)。準備不足のわたしは25㎞手前で既にバテ始めた。うーん、既にどのくらいまでペースが落ちているのか分からんくなった。(○-○)×60÷10何某、あー全然わからん・・・考えられん・・・

 途中で知り合いの奥さんから応援してもらい、そしたら、その知り合い御本人が追いついてきた。この方、何時も出だしはわたしより後ろを走っていて、途中で追いつき、そのまま抜いていく前半抑えて走るタイプ。今回もそのパターン。ペースを計れないことを伝えると、㎞510秒ペースで走っていると教えてくれた。そりゃ追いつくわけだ。よし、どうせ完走できないんだし、このまま後ろ付いてったれや!おかげで30㎞通過を㎞540秒ペースまで戻すことに成功できた。しかし・・・

※区間5649秒(㎞540秒ペース)

トータル2時間4322


3032㎞通過まで

 勝手にペースランナーにしていた知り合いが30㎞地点でトイレに入ってしまった。わたしはそのまま走っていたのだけど、㎞510秒ペースで走っていた疲労は既にピークに達していた。ペースランナーがいなくなった今1人で走れるわけもなく、こりゃあかんわと立ち止まってしまった。

 真面目に練習していないランナーに訪れる30㎞の壁ではない。心が折れたわけでもない。今回は折れるるような軸がわたしの中にはそもそも通っていなかった。それはつまるところ、これだけ練習したのだからという、当日を迎えるまでに蓄積してきた気持ち(練習量)の賜物だろう。今回のわたしにはその蓄積がまるでない。だから平気で立ち止まってしまえたのである。

 大田原マラソンは6年前に走ったコースとは大きく様変わりしていた。6年前は記録を出しやすいフラットなコースだったと記憶していたのだが、今では23㎞まで下り一辺倒、その後はずっと登りときたもんだ。困ったもんだよ。

 でもねえ、結構ここまでいいタイムで走ってきてるんだよなあ。ここで諦めるのはまだ早いのではないか。取り敢えず全力を出したことだけは皆に伝えられるように最後まで走ろう。よし35㎞地点で注入予定だった、カフェイン80mgをここで投与だ!

 そして走ること32㎞地点。確か2時間55分前後だったと思う。あと10㎞で5分のお釣りがある!㎞6分で走れば余裕のサブ4達成の図式が目の前にぶら下がった。これはもう諦められない。


3237.195㎞通過まで

 我慢して走っていたトイレがカフェインに後押しされ、どうにもならなくなり、トイレへ立ち寄る。40秒の遅れ。まだ大丈夫か。でも足は限界だな。やはり無理かもしれない。いやいや、大丈夫だ。いや、無理だろう。40㎞地点で摂取予定だった最後の手持ちカロリーを35㎞地点で摂取。エイドがない本大会、残り7㎞残しで空身となってしまった。まあしょうがない。いけるとこまでいこう・・・

 そして走っていたら大きな声でわたしを応援する声が飛び込んできた!時計を貸してくれたIさんである。「○○さん、GO!GO-GO!!」流石のハイテンション、素晴らしい応援と笑顔でした。うーん、これはいかん。この地点にこの時間帯でいたことが知られてしまった。現時点で諦めなければ余裕でサブ4できるタイミングだ。ここにいたのを見られた今完走しないわけにはいかんわ。あーこれ、真剣に走らないと不味いよ!

 残り5㎞看板地点で3時間28分くらいだったと思う。つまり㎞6分で走っても2分のお釣りがまだあった。でもわたしには自分がいまどんなペースで走っているのかさっぱり分かってない。


●~ゴールまで

 ラップを刻めないのでただただ止まりそうな足を前に出し続けるしかなかった。38㎞あたりの最後の関門を超え、そこでも余裕はまだ2分。しかし自分が㎞6分ペースで走れているか分からないのだから、残り4㎞、安心はできない。

 そこで知り合いの方がから声がかかる。○○さん!目の前のランナーに付いていけば、絶対サブ4だから付いていって!と。よし、決め打とう!目の前のランナーを完全マークだ。そうとなったら楽だった。あとはペースランナーをただひたすらおっかけた。

 そしてゴールのある競技場へ戻ってきた。最後全力で走ってゴール!


グロス3時間5803秒(ネット3時間5705秒)


 なんとか制限時間2分前のゴールだった。久々に声が出たね。「よっしゃー!」と(笑)。ともあれ、練習不足の我が身である、ゴール後、フルマラソンってこんなにダメージくらうんだっけか?というくらい足が動かない。歩くのも痛い、ああもうやんなっちゃうなあ、嬉しいねえ!(次回「まとめ」につづく)