山行報告「那須 苦土川 井戸沢遡行~峠沢下降」 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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1. 前書き

新年度の会山行担当して、早速7月期の「沢登り」担当を仰せつかったので、その報告と顛末。


今回は17名から参加表明があったので、事前に「しおり」を作成し、頼りになるメンバーを選定し先発隊4名を結成。同隊には本隊より先に遡行開始してもらい、必要と思われるところにフィックスを張って残置してもらいつつ、浮き石の排除もお願いして、新人さんもいるので万全な体制を整えてみた。


本隊が危険箇所をすべてクリアした後の二俣で、先発隊には待機していてもらい合流。そこから再度本隊を健脚チームと本隊に分けて、右俣、左俣に別れての二班体制で最後のつめを行うという流れ。山頂で再び合流後、峠沢下降は17名全員で行います。


わたしがよく組む2名にサブリーダーをお願いし、役割のない新人さんや後輩さんには山行報告作成という宿題を、役割がまわらなかった中堅には遡行図作成をお願いして、誰もがお気楽山行にならないよう足かせをつけて挑みました。で、17名参加予定でしたが、結果的に女性1名から当日欠席の連絡が入り16名の入山です。


2.山行記録

予定より早く林道ゲート前に到着。30分近く早く行動開始(6:05)。林道を歩いている途中に、最後の女性メンバーより、体調不良の申告があり、入渓後が心配であるとのことで、女性は入渓点で皆を見送ったあとに引き返す判断としました。湯川横断点で入渓準備をして1人少ない11名で遡行開始(7:20)。先発隊4名は先に出発してもらっている。



7:30)最初の3m滝。サブリーダーに指名した2名がどう動くか注目していたが、Aさんは登りやすいルートを見出し登っているものの、Bさんは登りがたいルートをフゥフゥと危なっかしそうに登っている。普段もっと登れる人だから心配はしないのだけど、傍目ハラハラしてしまう。これだと周りに信用してもらえず損な体質だなと感じた。ともあれ、わたしも師匠に○○くんの登り方は心配だ。危なっかしいと言われ続けていたので、言えた義理ではないのだが。類は友を呼んでしまうのだろうか?



7:40)このルートの核心である15 m滝に到着。先発隊が定石通り左岸にフィックスを張っていてくれている。サブリーダーには、上へ行ってフィックスの支点が問題ないか確認が取れるまではフィックスはないものと思って登ってくれよと念を押す。Bさんの登りは見ている分にはやはり危なっかしく見える。損な性分だ。ここがサブリーダー2名のメンバー捌きの核心だったが、やはりなかなか大先輩が見ている前では指示やらなにやらはできないよう。


ここの登りも想定していよりは遙かに早く登れたが、それでも一番時間のかかった場所であるのは間違いない。先発隊も進んでいるだろうから、ある程度人数が登ったら、一纏まりの小隊として前進してもらうことにした。わたしはアンカーと共に最後尾から。アンカーがザイルを回収する際、余分なザイルが引き上げ中にひっかかってしまい少し下りるはめとなった。フィックス張った残りのザイルは事前に上にあげておいたほうが、後続の処理が楽で時間の短縮につながると思う。



フィックスが張ってあった2つめ15m滝(8:30)。



フィックスが張ってあった3つめの滝18m8:50)今回は多人数遡行だから初心者向けの沢とはいえ、このようにフィックスを張っておいたほうがいいだろう。先発隊はしっかり仕事をこなしてくれました。



9:15 先発隊と合流し男だらけ15名の集合写真を撮り、9:30 予定通り二俣から健脚班と本隊に別れて、班別行動開始。



わたしは本隊にいましたが、こちらが井戸沢の素直な遡行ルートになります。7月中旬でもまだスノーブリッジが残っていました。今回は下を走りぬけました。



最後のつめも踏み後がしっかりしていて楽ちん。藪漕ぎもあまりありませんでした。





10:30 稜線に出る。流石山頂まで移動して、健脚班を待ち合流。眺望を楽しみ、そこからは15名で下山開始。





下山路はニッコウキスゲが満開で素晴らしかった。



峠沢出合から峠沢を下降。峠沢は沢下降初心者でも下降可能な手頃な沢です。下降デビューにオススメしますよ。





潜ったり、滑ったりと遊べるところも豊富です。兎にも角にもなんの問題もなく下りてこられました(15:00)。


3.まとめ

今回は17名の沢遡行ということで、どうなることかと色々と前段階から動きましたが、蓋を開けたら大成功。天気もよく、皆喜んでくれたようでなによりです。大小様々とはいえ、役割を与えられることで100%山を楽しむことに集中しない、楽しむ自分とそれを達観した自分、冷静と情熱を共存させないといけない、そいった難しさを感じてくれたなら幸いです。個人的にはリーダーとはいえ、ほぼなにもせず、後ろからメンバーを観察して、やっぱり山屋も個性だし、大きな意味では変わらなくとも細かい点で全然違う、先輩方の山スキルや所作を目の当たりにして、良い勉強になりました。(おわり)