週末に、日光に流れる霧降川に沢登りに入ってきました。といっても、狙いは沢の遡行ではなく、その過程に登場する霧降ノ滝の登攀になります。
霧降ノ滝とは、日光にある上下二段からなる全長75mの滝なんですが、華厳滝、裏見滝とともに日光三名瀑に数えられている栃木県民なら多くの方が知っている名瀑です。日本百名瀑にも数えられています。
現在は観瀑台から滝壺へ下りる道は通行止めとなっているので、一般の観光客の皆さんは上画像のような観瀑台からの眺めを楽しむだけとなっていますが、霧降川の遡行自体は禁止されているわけではないので、沢を遡行できる山家なら登る対象とすることが可能となっています。
今年は“沢力向上”を掲げているわたし的には登れる内に登ってしまおうと、霧降ノ滝に挑戦してきた次第です。果たしてどうなることやら。
霧降川へ下りられそうなところを見つけて入渓。霧降川はやはりそれ自体では沢登りとして面白味のあるような川ではありませんでした。魚影が多かったので、どちらかと言えば釣り師が入るようなエリアでしょうか。
遡行しているとすぐに霧降ノ滝下段40mが登場。
取り敢えず、ノーザイルで矢印で示したところまで登ってみる。スラブちっくでぬめぬめの藻がびっしり。そこそこシビア。でも滑り落ちても問題なさそうなので、仲間にもノーザイルで登ってもらう。やはり水流で何度も押し流される仲間達(ニヤニヤ)。というか天然の滑り台が逆に楽しそう・・・
てな訳でここはお助けロープで上がってもらい
ステージからザイルを出して本格的に取り付きます。赤丸で示した部分まで支点が取れなかったので、落ちられないところです。
一度支点を取れれば後は楽。探していけばカムが決まるところがそれなりにあります。そして、写真はありませんが、ルンゼに出てクライミング箇所(Ⅳ)があり、そこから水流に戻ってつめれば下段は終了。
下段を登ってくる仲間
下段上に出ると、すぐ先に上段が見えます。これ登るのかよってな感じの立っている滝です。
ワクワクですな。
ルートとしてはこんな感じ。下段とは明らかに特徴を異にする岩質で、支点を取るのには苦労しませんでした。
瀑芯を横断をするため水流左をテラスまでつめます。因みに、今回はわたしのリーダー山行なので、全ルートでリードさせて頂きました。楽しかった~
無事テラスまで上がり、仲間を上げます。
お楽しみの瀑芯横断も念のためフィックス張りました。
皆楽しそうにトラバースしてきましたよ♪
じつはここから落ち口までの数mの登りがやらしかった。水流の脇(黄色ライン)を登ろうとしたものの見えているホールドは皆はがれてしまう。そこで黄色ルートは断念して、巻き気味の緑色ラインを登りました。でもそこも顕著なホールドは全てはがれてしまう感じでした。仲間は電子レンジクラスの岩を落としていたし、ここがこのルートの核心でしょう。
ここがなければ純粋に楽しいルートであるとオススメしますが、この核心部があるので、ある程度のキャリアと登攀リスクのマネジメントができるリーダーが必要なルートであると判断しておきます。
霧降ノ滝を登り終えたあともそのまま沢をつめ、玉簾の滝2段10mを登り、
登ることはできそうもないマックラ滝を眺めて遡行終了です。
半日コースの沢でした。4人で割ったら宇都宮からの足代も360円!アプローチも良いし、こんなに楽しい箇所はなかなかありません。また気が向いたら遊びにこよう。心身を清めて帰りましたとさ。
あっ因みに、このルートヒルが出ます。ヒル対策は万全に。(おわり)