磐梯山東壁を登った翌日は、所属山岳会の会山行「山スキー」の担当を仰せつかってるので、その下見山行として、巻機山にバックカントリーで入ってきました。
巻幡山は、趣味でやってる日本百名山の未踏なので、登れば72座目となります。
えっ百名山なんてやってるんですか?って?
そうなんですねー、わたしはやっているんですよ。山登りを始めた当初より日本百名山踏破を目指しています。おまけに栃木百名山まで目指しているんですよ。ただね、別にこれらを踏破したいとやっきになってるわけじゃありません。今となっては、なにかのきっかけになればと思っているだけです。
もう日本百名山は普通のスタイルでは登らないと決めています。沢をつめたり、アルパインで突き上げたり、ボード背負ったり、トレランしたり、親孝行登山でもいいんですが、なにか理由がなければ登らないことにしました。
だから巻機山は入るなら、バックカントリーか沢だなと思っていて、今回ようやく日の目をみたわけです。山頂を踏めるといいなあ。そんなこんな清水から井戸尾根経由でニセ巻幡、巻機山を目指します。滑降ルートは雪の状態によって判断。井戸尾根か米子沢になるでしょう。
しかしこのルート、早々と急登が待っているのです。井戸ノ壁です。登っているスキーヤーが蟻のようですな。
ここはスキー用アイゼン必須と言っても過言でないほど立っています。うちのスキーヤー2名はアイゼン装備なしで挑みます。登れそうなルートを見出し、相当巻いて登ってました。わたしはボードなんでスノーシューで最短距離を登れます。スキーは登りに弱いですね。ボーダーに軍配があがります。ムフフのフ
井戸ノ壁をつめていましたが、1名が「もう無理」と板を背負いだします。他パーティのスキーヤー達も悪戦苦闘しております。アイゼン着けているスキーヤーでもズルズルと落ちておりました。
そして、とうとうスキー上級者である仲間も板を背負う決断を。やはりアイゼンなしで最後まで行くのはしんどかったようです。
尾根に出たら心機一転、周囲の偵察です。ここ数日温かかったので、米子沢の南斜面は何カ所も雪崩れてした。やはり地域によって、気をつける点も変わってきます。前日磐梯山がベストコンディションだったからといって、ここはここです。
尾根をつめていると、ドドーンという音が響き、左手の割引沢の斜面が雪崩れました。幅30m幅×高さ120mくらい面発生湿雪全層雪崩です。
雪崩は沢スジを走り、最終的に500mくらいは走ったでしょうか。リアルタイムで見ていて思ったのは、大きな雪崩というのは5分~10分くらはダラダラと流れている(動いている)ということです。いつまで経っても止まりません。発生してから10分経ったらもう呑まれた人間は死んでるわなあ。こら勉強になった。
兎にも角にも登っていくとニセ巻幡が見えてきて、ニセ巻幡直下の井戸ノ壁よりきつい登りを楽しみながら登り(ここは滑落注意箇所です)、
ニセ巻幡まで登ってとうとう巻機山の全貌をおがめました。
この日のリーダーは私だったので、諸々考えた結果、米子沢を滑ることにしました。途中の偵察で米子沢は何カ所も雪崩ていましたが、南面ばかりだったし、沢床におりない工夫をすれば、大丈夫であろうと判断。こんな具合で、沢床には下りずに北斜面を滑っていきます。
しかし、いろんなところで雪崩れてましたな。やはりすべて南面でした。
登り7時間、滑って30分です。なんつー遊びなんだって思いますが、やっぱ楽しい。この日は登りも楽しかったし、滑りも楽しかった。数々の全層雪崩を勉強できたし、天気にも恵まれて最高でした。会山行当日も天気に恵まれるといいなあ。(おわり)